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鳥かごの鍵  作者: 田中らら
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刺激

私達はお互いの近況を話す。


私は同僚の浮気の話しはしなかった。

その話しはしたくなかった。

彼は相変わらず会社の愚痴を言っている。


お互い本心を隠している。


そんな感じがした。


時計を見るともう9時になっていた、

「もう帰るの面倒だから、今日は泊まってもいい?」

と彼が聞いて来た。


「えっ?あっ!いいよ。」


私は少し返事に困った、

夜は「月」と話そうと思っていたからだ。

「なんだよ俺が止まったら迷惑?」


「そんなことないよ!お風呂入ったら?」


「うん、そうする。」


ほろ酔いの彼は泊まって行くことになった、

今夜は「月」と話せないのか…と少し残念に思ってしまった。

彼がお風呂に入っている間にアプリの通知をOFFにして、

メールの確認をした。


「月」からのメールは来ていない。


食器を洗い部屋を片付ける。

彼の着替えをソファに出しておいた。

そして彼がお風呂から出て来たので、

私も入ることにした、

お風呂場にスマホを持って来た。

これじゃ浮気してる人みたい!と思いながら、

アプリを開くと、

「月」からメールが来ていた。


「今夜は月が見えないね。

今何しているの?忙しいの? 月より」


私は「今夜は忙しいと」返信しようとすると、

彼が「ねー俺のTシャツは?」と聞いてドアを開けて来た。

私は焦ってスマホを落としてしまった!


「何落としたの?スマホ?」


「洋服のポケットにスマホが入ってたみたいで、

洋服脱ごうとしたら落ちちゃった。」


私は下手な嘘をついた。


「ふ~ん。重いのに気が付かなかったの?」


「え?あー気が付かなかった!

Tシャツでしょ?棚の中だよ、いつもの場所!」


「あ~そっか!わかった!」


彼は不思議そうな顔をしながら、

部屋に戻った。

シャワーを浴びながら、

自分の態度を反省した。

彼に気が付かれないように、

いつも通りにしよう!

私はお風呂から出て部屋に戻る。

すると部屋は暗くなっていた。


部屋に入ると、

彼に後ろから優しく抱きしめられて、

そのままベッドに連れて行かれた。


私はそんな気分にはなれなかった。

「ねー髪の毛乾かすから!」とやんわり断ってみたけど、

彼を止めることは出来なかった。


彼と重なり合いながらも、

頭の中では「月」のことを考えていた。

彼にも彼女がいて今頃はベッドの中にいるのかな?


こんなことを考えている自分が恥ずかしい。


欲求が満たされた彼はすぐに寝てしまった。


明日は彼が7時には家を出るので、

私は6時半に起きないといけない。

朝ごはんは今日買って来たパンにして、

明日の彼の着替えのシャツを出してと明日の準備をした。


時々、今日のように私の家に彼が泊まることがあるので、

着替えのYシャツが用意してある。


時計を見ると12時になっていた。

私は電気を消してベッドに入る、

彼に背中を向けて寝ていると、

彼が寝返りをして寝ぼけながら私を後ろから抱きしめて来た。

彼が寝ている間に「月」にメールしようか迷っていたが、

メールはしなかった。

「月」とはゆっくり話したいと思ったからだ。

28歳になってネットで知り合った相手に恋?

バカみたい。

もし相手が40代の既婚のおじさんだったらどうするの?


彼とのこの幸せをそんなことの為に壊すの?

この幸せは壊したくない、

でも刺激が欲しい…

そんなことを考えながら私は眠りに落ちた。


つづく

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