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鳥かごの鍵  作者: 田中らら
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月との出会い

1人が好き。

毎日誰かと一緒にいると疲れてしまう。

でも1人じゃ寂しい時もある。


私って本当にわがまま、

これじゃ結婚は遠い未来だな…


私は寂しさを紛らわす為にスマホを見る。

目的もなく、色々な記事を見ていると、

人気のアプリの紹介の記事があった。

「出会い系ではない、新しい暇つぶしアプリ」

こんな記事が載っていた、


アプリのアイコンがさっきカフェに貼ってあった月の写真と同じだったので気になり、私は試しにそのオススメアプリを入れてみた、

そのアプリはみんなが色々なことをつぶやいていて、

気になるつぶやきにコメントすると相手と話しが出来るようになっていた。

みんなのつぶやきを見ていると、

「仕事やめたい!」

「学校行きたくない!」

「彼氏ほしい」

なんていうつぶやきが多い、

中には、

「誰かとやりたい!」なんて書き込む女性もいた。


出会い系では無いって書いてあったのに、

みんな欲望丸出しでつぶやいている、

思ったアプリと違うので、

アンインストールしようとして私の手が止まった。


私もつぶやいてみようかなと思い始めた、

お酒を飲んで軽く酔っていた私は書き込みをしてみた。


「今、家で1人飲みしてます、

誰か話し相手になってくれませんか?」


とつぶやいて見ると、

10秒もかからないで返事が来た。


「僕も暇です。」

「どこに住んでるの?」

「いくつ?1人暮らし?」

「私も1人です、話しませんか?」

男性、女性あわせて6人からコメントが届いた。

1人づつメッセージを読んでみると、

男性は「やること」が目的って感じで、

女性も話しが合わないような人だったので、

やっぱり消そうと思っていると、

また新しいコメントが届いた。


「月がきれいですよ、

窓を開けて見て下さい。」


こんなコメントだった、

私は立ち上がり窓を開けると大きな満月が浮かんでいる。


「きれいな満月ですね。」


私は彼のコメントに返事をした。


「返信ありがとう、

僕も今暇なんだ、良かったら少し話さない?」


「いいですよ。」


「ありがとう。いつも一人で飲んでるの?」


「今日は彼氏にドタキャンされて…」

と返信しようとして私の指は止まった。


「今日は友達にドタキャンされて急に暇になったので、

1人で飲んでました。」


と返信した。


私の中に罪悪感が生まれた。


別にこんな小さな嘘いいじゃない、

浮気じゃないし!

私は久し振りにドキドキしていた。


「なんて呼べばいい?」


彼からの質問に私は夜空を見上げて考えた、

光る星が目についたので、

「私は星って言います。」と返信した。


返事はすぐに帰って来た。

「僕は月っていいます。

星と月。僕たち気が合いそうだね。」


それから「月」と1時間近くメールのやりとりをした、

好きな音楽、

好きな食べ物、

好きな場所、

こんな他愛ないメールをしているうちに、

私は寝落ちしてしまった。


朝起きてスマホを見るとメールがあった。

「もう寝ちゃったかな?おやすみ

また話しが出来たら嬉しいな。  月より」


メールを読み終わり、顔を上げると、

鏡に映っている自分が気持ち悪いぐらいの笑顔なことに驚いた。


誰もいないのに急に恥ずかしくなり、

私は急いで顔を洗いに行った。

なんでこんなにドキドキしているのだろう、

会ったことも無い相手で、

年齢も住んでいる場所も仕事も何も知らないのに、

なぜか私は彼に惹かれていた。


つづく

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