記憶
夜、主人が帰って来た。
今夜は主人に話しがあったので、
早めに子供を寝かせていた。
「おかえり、話しがあるんだけど座って。」
「昨日の話しの続き?」
「そう、離婚の話し。」
長い話しになると思い私はコーヒーを入れ、
主人の前にコーヒーを置いた。
「あなた私と離婚したらどうするの?
この家で1人で暮らすの?」
「こんな広い家じゃ暮らさないよ、
マンションに引っ越すよ。」
「1人で?」
「もちろん1人だよ。」
「じゃこの若い子とは別れるの?」
私は三日月形のUSBメモリに入っていた、
写真をプリントしたものを見せた。
それは若い女性と主人がホテルのロビーにいる写真だった。
「やっぱり女の人がいたんだね、
若い女が良かったの?
簡単に私を捨てるんだね。」
「違うよ、彼女は会社の取引先の子だよ。」
「へーそうなの?」
私はもう1枚の写真を見せた、
それは二人が車の中でキスしている写真だった。
「これでもいい訳出来る?いつから付き合ってるの?」
「・・・・・」
「何も言えないわけ!
私が育児に追われてるときに浮気してたなんて!
あなただけ好き勝手なことして、
私がどれだけ我慢してがんばって来たのかあなたにわかる?
自分だけ幸せになれれば満足なの?
いつも私に嫌味いうけど、どの口が言ってるの、
あなただけには何も言われたくない、
家族を裏切ってこそこそ女と会ってたなんて、
父親として、最低!
家のことすべて私に丸投げして、
私だけが我慢すればいいんでしょ?
私だけが苦労すればいいんでしょ?
あなたはそれで満足なの?」
私は感情を抑えることが出来なかった。
私は頭に血が上り頭がくらくらした、
そしてつい最近誰かと同じような話しをしたような、
変な感覚になった。
「落ち着けよ。」
主人が私の手を握る、
私は主人の手を払いのけた、
その時コーヒーカップに手が当たり、
コーヒーカップが床に落ちて大きな音を立て割れた。
私は落ちたコーヒーカップを見て、
この前見た夢をすべて思い出した。
夢の中で彼とケンカしていた、
今はあの時と逆の立場に立っている。
私は夢の中で浮気していた、
夢の中の私は自分さえよければいいと、
自分のことばかり考えて若い男の子と浮気していた。
そして邪魔な彼を殺そうとした。
私は自分が怖くなった、
主人のことをとやかく言う権利が私にあるのか?
つづく




