対決
私は驚いて声が出ない。
月はどこに行ったの?
彼はどうやって入って来たの?
「やっぱり俺を裏切ってたんだな!」
「ち、ちがうのよ!」
彼の手を見ると包丁が握られている、
私は怖くなり外に逃げだした。
私は裸足でアパートの階段を駆け下りた。
外は真っ暗でいつも見る景色と違っていた、
私は全力で走った、でも全然前に進めない。
体が重く思うように動かない。
私はがんばって前に進もうとしていた。
辺りを見ると住宅が無くなり草原になっていた、
ここがどこかわからない、でも逃げないと殺される。
私は重い手足を動かし前に前に進んだ。
前を見ると電柱のような柱がある、
見上げると、それはカラフルで大きな風車だった、
どこかで見たことがある、
あれは隣の大きな家の庭にあったものと一緒!
「あかり、どこに行った?あかり!」と彼の声が聞こえる。
「あかり?・・あかり?・・・三上あかり。」
そうだ私の名前は三上あかり!
なんで今まで忘れていたのか?
頭が混乱している。
ふっと前を見ると何か光るものがある、
私は光る物の方に走った。
「あかり、逃げても無駄だよ。」
彼が近づいて来た、もう逃げられない。
私はすぐ横の、
草が高く生い茂った草むらに隠れて、
口を押えて息を殺した。
彼が私の横を通り過ぎた。
私は草むらからそっと出て、
彼と反対の方向に逃げようとした、
しかし彼は私の前に立っていた。
「きゃーー!」
私は悲鳴を上げて逃げようとした、
しかし彼に腕をつかまれ、捕まってしまった。
「なんで逃げるんだよ!」
「あなたが包丁を持って追いかけて来るからでしょ?」
「何言ってるんだ!」
彼の手を見ると包丁は持っていない。
「包丁を持っているのはおまえだろ。」
私は自分の手を見ると包丁を握っていた、
「あかり、家に帰ろう俺たちの家に、
あかりと俺はずっと一緒だろ。あかり、あかり…」
彼は私の名前を何度も読んで、私に近づいて来た。
私は怖くなった、
彼がいなくなればいいと思った。
そして私は彼のことを刺した。
何度も何度も刺した。
でも彼は倒れない、
さらに何度も何度も何度も彼を刺した。
でも刺してる感覚がない。
すると、遠くで、「ママ、ママ起きて」と聞こえて来る。
私は声のする方を見ると、何かが光っている、
私は眩しくて目を閉じる。
そして気が付くと私はベッドの上だった。
窓から日差しが差し込んでいる。
隣を見ると男の子が立っている。
私は長い長い夢を見ていた。
つづく




