至福の時間
午後の仕事は全く集中出来なかった。
気は付くと診察終了の時間だった。
私はゆっくり着替えて病院を出た。
こんなに近くにいるなんて、
これは運命?
でもどう見ても年下だよね。
私はそんなことを考えながら、
駅に向かって歩いていると、
彼からLINEが入った。
「仕事終わった?ご飯一緒に食べない?」
私は彼に会う気分になれなかった。
また会社の愚痴を聞かされて、
体を求められるだけだから…
「ごめん今日はなつと一緒にごはん食べる約束したから」
私は彼に嘘のLINEを送った。
「わかった、じゃまた今度。」
私は家に着いてお風呂に入った、
湯舟につかり頭の中の整理をした。
イケメン店員くんが月。
月と付き合うことは無理、
イケメンカフェ店員なんだから彼女ぐらいいるよね…
私は暇つぶしの友人の1人…
私はお風呂から出ても、
もやもや考えていると、
メールが来た。
「こんばんは、今日釣った魚!」
またすぐにメールが来た、
クーラーボックスにたくさんの魚が入っていた写真が送られて来た。
「たくさん釣れたね、釣り好きなの?」
「うん、アウトドア大好き。」
「若いな~」
と私は返信してしまった!
年齢は知らないことになっているのに…
「若いかな?俺は21歳だよ。
夏は10回はBBQやるよ、体動かすの好きなんだ。笑」
21歳…7歳も年下…
月は私の年齢は聞いて来なかった。
私は自分の年齢を教えるか迷った。
7歳も年上だとわかってメールが来なくなったらどうしよう、
月をがっかりさせてしまうかな?
「BBQ楽しいよね、友達とやるの?」
「うん、10人ぐらいでやるよ、」
「楽しそう!」
「星も来れたらいいのに、
俺は都内に住んでるけど、星はどこに住んでるの?」
月が始めて聞いてきた。
「私は夜空に住んでるよ。」
と返信すると、
「そーだよね、とても遠くに住んでるね、笑」
と帰って来た。
月とのこんなやりとりが大好きだった。
「うそだよ、私も都内だよ。」
「え~めっちゃ近いじゃん嬉しい。」
「嬉しいって私が50歳のおばさんだったらどうするの?」
「それでもいいよ、こんなに話してて楽しい人は今までいなかったから。
年齢なんて関係ないよ。」
本当に彼は21歳なのか?
「21歳にしては落ち着いてない?
本当は40歳ぐらいなんじゃない?」
「落ち着いてるって言われる、本当に21なんだよね!」
「じゃここで7歳も年上の私と話すより、
若い女の子と話したほうがいいんじゃない?」
「若い子は苦手、
っていうかさらっと年齢言っちゃったよ。
28歳なんだね。」
「結構年上だけど引いた?」
「ぜんぜん!40歳でもいいぐらい!笑」
月なら私の年齢を知っても、
受け入れてくれる自信があった。
イケメン店員くんとメールしてるなんて…
私はドキドキした。
月とメールしていると、心地よくて、
本当の自分でいれる気がした。
私達はこんなメールを2時間近くして、
お互い明日仕事があるので寝ることにした。
つづく