表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

目を閉じて

作者: 武田道子
掲載日:2019/04/24

瞳を閉じて



風を感じる

波の音

カモメや海鳥の悲しいひきつるような声



誰もが好きな海へ私も来た

真っ青な一枚のガラスが視界いっぱいに滑らかに広がっている

キラキラ ピチピチ 金や銀の何千何万の光が魚のように

跳ね上がり踊っている



風を感じる

波の音

白く泡立って誰の命を奪ったのか



砂をさらさらと削りながら

迷った子供のように波は行ったり来たり

行くあてもない

優柔不断だから人は去っていく



風を感じる

波の音

なぜ水平線はまっすぐではないのだろう



波が足を洗ってくれる

海には清めの式がある

カモメや海鳥の甲高い声が風を裂く

誰もが好きな海へ私も来た



海の底には森がある

林があり人魚が住んでいる

人魚は長い髪を編んで作った網で落ちてくる時間を掬うそうだ



沈められた魂が語る昔の話し

真っ青な一枚のガラスが割れたとき

魔法がとけて人魚は太陽の光になる



風を感じる

磯の香りがパラパラと本のページをめくるように

波は沈黙を守るために砕ける

カモメや海鳥は金や銀に飛び跳ねる幻の魚の群れの上を旋回する



瞳を閉じて海を見る

瞳を閉じて海を感じる

瞳を閉じて海を聞く

瞳を閉じてあなたを感じる

誰もが好きな海へ私も来た


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ