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幻獣チルドレン  作者: 葵尉
第2章 VSライコス編
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開戦前② 

開戦前②



 コペルト率いるライコスの荒くれ者たちは対ポルム組織ジズがへ侵攻していた。


 ライコスの寄せ集めの兵士は使い捨ての兵士でもあったが、ジズの精鋭部隊である偵察クラスに対して数と「人体強化薬」で優位に戦っていた。


 しかしライコスはいつ壊滅してもおかしくない状況にある。


 なぜなら彼らは前方からのジズ、後方からのポルムとドミーの2つの勢力を相手にしていたからだ。


 皮肉なことにポルムとドミーが対ポルム組織ジズを援護することになっていた。


 けれどそんな状況でもライコスはジズに対して優勢的に1ヶ月近く戦い続けていた。


 それが出来ていたのはイーサン・コペルトたった1人が、後ろからの敵を排除していたからである。



 ────反ジズ組織ライコス、クリシュテ洞窟付近



 「コペルトさーん! ドミー! ポルム!」


 「数を言え数を」


 「いち、にい、さん・・・たくさんだよたくさん!」


 「最近はやけに増えたな。どうにかこいつらをジズにぶつけられれば良いのだが」


 子供の方は跳ねながら空を飛ぶように両手を広げて慌てていた。


 隣の青年は顎を触って目の前に広がる傷だらけの動物たちを見ている。


 馬や牛、熊や犬と思われる動物たちが群れを作り白目で前進している。


 もしも彼らが正気ならこんな群れを作ることはありえない。


 そんな狂った生き物の中に数匹、形が整っていないアメーバのような生き物がいた。


 透明のゼリー状の体の中央あたりには紫色の目のような模様がある。


 その生き物には他の動物たちとは明らかに違う異様さがあった。


 それに気がついた青年は顎から手を離した。


 「ジシス。お前は洞窟(ここ)にいろ」


 「分かりました」


 飛び跳ねていた子供がその声を聞いただけで大人しくなる。


 青年は短剣を握ると自身の心臓にその刃先を向けた。


 「アースオブ──ヒクイドリ」


 慣れたように短剣で心臓を刺した青年は黒い炎に包まれた。


 炎の中で青年の体には黒い羽と黒い翼が生え始める。


 「ジズとやり合う前にお前たちに俺の力を見せてやろう」


 炎の中から出てきた真っ黒い青年の羽がその場に落ちた時、羽の主は数百はいるであろうドミーの群れの前に立っていた。


 ドミーの体にあるポルムアイが同時に青年を睨む。


 彼らは我先にと青年に襲いかかった。


 化け物たちは「自分があの肉を食べる」と競っているだけで、全く相手を警戒していない。


 しかし、警戒していてもこの群れが全滅する未来は変わらなかったのかもしれない。


 青年は右腕をドミーたちに見せびらかし、自分の右腕に食らいつこうとするドミーを哀れむ目で見ていた。


 だが彼の口元は心の中の笑いを堪えきれていない。


 彼は笑いながら前方へ羽ばたいて風を送った。


黒き世界(ブラックホール)


 漆!!!!!!!!!!!!!!!!黒

 !黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒!

 !黒消黒潰黒黒黒死黒黒怨黒黒黒殺黒黒!

 !黒消黒潰黒黒黒死黒黒怨黒黒黒殺黒黒!

 !黒消黒黒潰黒黒死黒黒怨黒黒黒殺黒黒!

 !黒消黒黒潰黒黒死黒黒怨黒黒黒殺黒黒!

 !黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒黒!

 ノ!!!!!!!!!!!!!!!!!炎


 黒き炎が集まり1つの巨大な球体が出来上がる。それは黒い太陽。

 

 燃える球体はドミーの群れを飲み込み青年の目に映るもの全てを消し去る。

 

 炎が燃やし尽くした後、青年の目に映ったのは黒い炎に黒く塗られた大地と、どこまでも広がる荒野。


 「コペルトさんって人間じゃ──」


 「悪いがジシス。俺は()()()()()()()()


 黒い羽が消えた赤い髪の青年は入り口で固まる子供を残し、洞窟の奥へと戻っていった。

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