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幻獣チルドレン  作者: 葵尉
第3章 楽園の終わり編
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46話 見えてきた敗北① 

46話 見えてきた敗北① 



 「ドドさん。どうしてここに?」


 「それはこっちの台詞だバカやろう!」


 言葉よりも先に飛んできたのはドドさんの右手。


 握りこぶしで頬を殴られた……痛い。これは、本気だな。


 「お前がいねえってダクから連絡が来たから探してみれば、なんで第2地点にいる! お前の持ち場は洞窟前(第4地点)だろ!」


 「シンジュウクラスが何か知りたかったんです! でも、知らなければ良かったです」


 「……あれは最悪だ。人の命をティッシュのように使っておいてアースの名前は不死鳥(ポイニクス)。皮肉にもほどがある」


 「止めましょう。今ニューポルムを止めればあの人たちは助かるんじゃ!」


 「助からねえよ。正確に言えばあいつらはもう死んでる」


 ドドさんは僕ではなくニューポルムに(はた)かれる火の玉を見ていた。


 気のせいか火の玉の(いきおい)が減っている気がした。


 「あいつらは命を捧げる代わりに幻獣の力を借りたんだからな」


 「そこまでして、戦う意味って」


 「・・・お前はまだ、ニューポルムがこの、()()()()()()()()()を分かっていねえな?」


 ドドさんはなぜか落ち着きがないというか焦っているというか、目が震えていた。


 汗を垂らしているのはここに走ってきたからじゃない。何か他の理由がある。

 

 その理由こそが、今言われた僕が分かっていない何か。


 分かってないって言われてもなんのことだろう?


 「ま、今は分からないままが良い。とりあえずお前の持ち場に行くぞ!」


 「ドドさんも来るんですか!?」


 「大量のドミーが今、洞窟前にいる」


 「そこってカインさんたちがいるところですよ! 何でもっと早く言わな──」


 「だから早く行くぞ!」


 嘘を言って勝手に離れてごめんなさいカインさん。


 どうか無事でいてください。すぐ行きますから。


 「先に行ってますよ!」


 ドドさんの遅いペースじゃダメだ。


 足を回した。上下に上げ下げするんじゃなくて地面をこねるように回して走る。


 こうすればアースを使わなくても速く走れる。


 でもこは他の人には多分できない。だって僕は今も──


 「エイドのやつ、なんで飴を2つ舐めてる俺より速いんだよ」


 ニアースさんとの命令(やくそく) を破って4つ目の飴を舐めているから。


 ドミーになる心配?そんなの無い。

 今までの経験で分かった。


 僕は多分3つ以上の飴を舐めてもドミーにならないし、なんとか生きていられる。


 何個まで平気かは知らないけど、10個以内ならいけるんじゃないかな。

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