46話 見えてきた敗北①
46話 見えてきた敗北①
「ドドさん。どうしてここに?」
「それはこっちの台詞だバカやろう!」
言葉よりも先に飛んできたのはドドさんの右手。
握りこぶしで頬を殴られた……痛い。これは、本気だな。
「お前がいねえってダクから連絡が来たから探してみれば、なんで第2地点にいる! お前の持ち場は洞窟前だろ!」
「シンジュウクラスが何か知りたかったんです! でも、知らなければ良かったです」
「……あれは最悪だ。人の命をティッシュのように使っておいてアースの名前は不死鳥。皮肉にもほどがある」
「止めましょう。今ニューポルムを止めればあの人たちは助かるんじゃ!」
「助からねえよ。正確に言えばあいつらはもう死んでる」
ドドさんは僕ではなくニューポルムに叩かれる火の玉を見ていた。
気のせいか火の玉の数が減っている気がした。
「あいつらは命を捧げる代わりに幻獣の力を借りたんだからな」
「そこまでして、戦う意味って」
「・・・お前はまだ、ニューポルムがこの、第2地点にいる理由を分かっていねえな?」
ドドさんはなぜか落ち着きがないというか焦っているというか、目が震えていた。
汗を垂らしているのはここに走ってきたからじゃない。何か他の理由がある。
その理由こそが、今言われた僕が分かっていない何か。
分かってないって言われてもなんのことだろう?
「ま、今は分からないままが良い。とりあえずお前の持ち場に行くぞ!」
「ドドさんも来るんですか!?」
「大量のドミーが今、洞窟前にいる」
「そこってカインさんたちがいるところですよ! 何でもっと早く言わな──」
「だから早く行くぞ!」
嘘を言って勝手に離れてごめんなさいカインさん。
どうか無事でいてください。すぐ行きますから。
「先に行ってますよ!」
ドドさんの遅いペースじゃダメだ。
足を回した。上下に上げ下げするんじゃなくて地面をこねるように回して走る。
こうすればアースを使わなくても速く走れる。
でもこは他の人には多分できない。だって僕は今も──
「エイドのやつ、なんで飴を2つ舐めてる俺より速いんだよ」
ニアースさんとの命令 を破って4つ目の飴を舐めているから。
ドミーになる心配?そんなの無い。
今までの経験で分かった。
僕は多分3つ以上の飴を舐めてもドミーにならないし、なんとか生きていられる。
何個まで平気かは知らないけど、10個以内ならいけるんじゃないかな。




