1章 その2
気づくと、俺は雪の上に転がっていた。
身体を起こすと、右手首に違和感を覚えた。どうやら倒れた時に捻挫したらしい…。だが、俺は何故倒れたんだ?何故ここに寝っ転がっている?
色々と気になることはあるが、ひとまず帰ろう。辺りは既に大分暗くなってしまっている。19時頃だろうか…?親への言い訳を考えなくちゃ。少し土が混じった普通の雪の上で寝てたなんて言えたもんじゃない!俺は急ぎ足で帰路についた。
親からの軽いお仕置きを受け、食事を終えた俺は、部屋で今日起きたことを考え直していた。朝起きてから、学校での出来事、帰り道を歩いていたことは覚えている。だが、倒れた記憶が全くない。気を失ったのか?何の兆候もなく?今まで何度か貧血で倒れたことはあったが、いずれも倒れる兆候はあった。じゃあなぜ?時間もおかしい。帰りの時間は16時頃だ。明らかに寝過ぎなのだ。必ず、この3時間に何かあったに違いない。でも、記憶が無い…。何だ?俺は何をした?思い出そうとすると、若干気持ち悪さを覚えた。小説なんかでもよくある感覚ってこういうことか、と勝手に納得してしまった。だが、そうなるってことは記憶喪失が起きてることを示している。じゃあ一体……。
「風呂入りなさいよー!」
母さんの声が俺の思考を遮る。
このまま考えても埒が明かない。明日考えよう。
俺は風呂へと向かった。来ていた服が裂けていることに気付かず…。
……夢を見た。
闇の中に独り。
いや、違う。目の前に誰か…?闇に紛れるほど黒い。アンタは誰だ?いや、
…俺は、俺なのか?
あの事件から2週間が経った。特に変わったことなく、平凡な時だけが過ぎていった。いや、変わったことはあった。中学の同窓生が3人、亡くなった。自殺と思われるが、理由がわからなかった。
その葬式があった。だが、俺の身の回りに起きたことはそれぐらい。俺の身に起きたことに関しては、本当に何もなかった。恐ろしい程に。
そして、俺は人生の転機となる日を迎える。
読んでいただきありがとうございます。修羅男です。
今回は、内容には触れずに行きます。意味深の方が面白いと思うのでw
皆さん、最近疲れてませんか?疲れは身を滅ぼすのみならず、周りにも危害を加えます。それを忘れないでください。そして、休みを忘れないでください。休みは神です。異論は認めません。
眠くなったのでここまでとします。また次回お会いしましょう。