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異世界に飛ばされたらメールだけ現代と繋がった!  作者: ファンタ爺LV999
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49 露天風呂へGO

「皆さん、帰りの準備は出来ましたかな?」


朝8時、朝食をとっている『デザートイーグル』のところへセルバンテスがやって来た。


「はい、いつでも出発出来ます」


流一が答えサッサと朝食を済ませるとセルバンテスと共に前線基地へと向かった。

そこではセルジオ以下来た時と同じ商人さん達が準備万端で待っていた。


今回は1台目に流一、2台目にアメリアとユリアナ、3台目にセリーヌとエレンが乗った。

流一が1台目に乗ったのは索敵魔法を使いながら進むためだ、往路のような事は二度と起きないように。


もっともマンモスの魔物どころか他の魔物にさえ襲われる事は稀ではある、そうでなければ交易など出来なくなるだろう。

なので復路は予定通りに帰る事が出来た。


メルカートの前線基地に着くと商人さん達とはここで別れる事になる、なので流一はここでマンモスの牙を商人さん達に渡す事にした。


「あの、今回はボレアースまで連れて行ってくれてありがとうございました。これは御礼です、皆さんで分けて下さい」


そう言って代表としてセルバンテスに牙を渡した。


「えっ?こ、これはマンモスの牙では?」


「はい、一本は皆さんに渡そうと思って残しておきました。もっとも少し使ってしまいましたが」


と頭を掻きながら答えた。


「いえ、これはいただけません。私達の方こそマンモスの魔物から助けて頂いたばかりか、私や雪狼の怪我の治療までしてもらって御礼をしなければと思っておりますのに」


「遠慮しないでください、前にも言いましたが僕たちはここのお金をもらっても氷河の外では使えませんので」


「でも、帰ってから素材として売ることは出来るのではないですか?」


「いえ、それだと『どこで倒した?』とか『その他の素材はどうなった?』とかいろいろ聞かれて面倒な事になるので無理です」


「では記念に持っていてはどうですか」


「記念には全員武器と杖を作りましたし『デザートイーグル基金』でこの地に名前を残す事も出来ました、それで十分です」


「わかりました、そこまで言われるのでしたら有り難く頂きます。ですが私達もここまでしていただいて皆さんをこのまま氷河の外に帰すわけには行きません、せめて送別会を開きたいと思いますので是非受けてくれませんか?」


「わかりました、楽しみにしています」


話しもついたので商人さん達はそれぞれの馬車でメルカートの街へと帰って行った、『デザートイーグル』もセルジオと一緒の馬車でメルカートの街へと向かった。


出発の日と違い今回はセルジオが買い付けた商品を馬車に乗せて運んでいる、なので『デザートイーグル』もそのままセルジオの武器屋まで馬車に乗せてもらった。


「あんたら泊まるところはもう決まってるのかい?」


セルジオが聞いてきた。


「いえ、これから探します」


「だったらこの先に『北の宿』って宿屋があるからそこに泊まりな」


「わかりました、ありがとうございます」


そうしてセルジオに言われた『北の宿』に向かう、商人さん達が送別会をしてくれると言うことなので連絡をつけやすくするためには言われた通りにしておく方が良いという事もある。


『北の宿』に着くとセルバンテスが待っていた、帰りは荷物がなかったのでセルジオの馬車より早く街に着いていたのだ。

そして帰ったその足で宿の予約に来ていた、多分セルジオとは打ち合わせ済みなのだろう。

そしてやはり此処でも既に宿代は払われていた、予定は2泊、セルバンテスも一緒に泊まるらしい。


部屋を確認した後、今夜はセルバンテスがセルジオ共々夕食をご馳走してくれると言う、なので素直に受けた。


18時、宿屋の使用人が呼びに来たので食堂へ行くとセルバンテスとセルジオが待っている。


「今日はありがとうございます」


「いえいえ、礼には及びませんよ」


簡単に挨拶をする流一とセルバンテス、テーブルには既に沢山の料理が並んでいる。


「ではお酒をお願いします」


セルバンテスがそう言うと、運ばれて来たのは上に逆U字型の管が付いた大きなエールの樽と人数分のコップだった。

そして使用人がその樽の管の先端に左手でコップを持って行くと、右手は樽の蓋部分に当て魔力を流した、すると管の先からコップへエールが注がれていった。


流石に流一達もこれには驚いた。


「これは何ですか?」


「これは私の商会の主力商品の1つウルカロと言う魔道具です。蓋の内側に風の魔方陣が描いてありまして、魔力を通すと中のエールが風に押され管から一杯分だけ出るようになっているんですよ」


これは氷河の外には無いため『デザートイーグル』全員感心している。


「ところでこれはエールの樽以外にもあるんですか?」


流一がさらに突っ込んで聞く。


「ええ、ありますよ。ジュース用や小さいですが薬用などですね」


「その薬用と言うのは詰め替えというか補充は出来るんですか?」


「はい、出来ますよ。」


「ではそれを6個売ってくれませんか?」


「ええっ?売るなんてとんでもない。流一さんが必要とあればいくらでも提供しますよ」


「そんなにサービスされるとなんだか悪い気がして・・・」


「何を言ってるんですか、流一さん達に受けた恩はこれくらいでは到底返せません。どうかお気になさらずに」


結局薬用のウルカロ6個を無料で貰う事になった、使い方は当然お風呂三点セット用だ。

ボレアースでポンプ式の容器は夢のまた夢と思っていたが同じような容器が手に入った、氷河人侮りがたしである。


ウルカロの話も終わり食事が始まる。


「ところで話は変わりますが、送別会は明日の17時から此処でやろうと思いますがどうですか?」


「はい、僕達はそれで良いです」


「それで昼間はどうしますか?」


「みんなで街を見て回ろうかと思ってます」


「実は街外れの丘の中腹に雪原を見下ろせる景色の良い露天風呂があるんですが行って見ませんか?」


「ほ、本当ですか!?行きます!絶対行きます!」


周りが引くほど食いつく流一、これにはセルバンテスとセルジオの2人だけでなく女性陣も驚いている。


考えてみれば氷河人の街は全てマグマの地熱のお陰で出来た土地に作られているのである、温泉が無い方がおかしい。

そこに思い至らなかったと反省する流一であった、別に温泉が目的で来た訳では無いのだからそれで良いのだが。


その後も食事は続いたが終わり頃にセルバンテスの使用人が薬用のウルカロを持ってやって来た、宿屋の人に伝言を頼んでいたのだろう。

それを受け取ると食事会はお開きとなった。


流一はさっそくシャンプー、リンス、ボディーソープを作ってウルカロに入れた、各2個づつあるのはもちろん男性用と女性用だ。

中身は同じだが男女が一緒に入るわけではないので分けたのだ。


翌日、セルバンテスが馬車と御者を用意してくれた、至れり尽くせりである。

しかし露天風呂へ行くのは『デザートイーグル』だけだ、セルバンテスもセルジオも仕事があるし送別会の準備もしなければならない。


丘の中腹に着くとセルバンテスの言った通り素晴らしい景色が広がっていた、そして大自然に抱かれるように広い露天風呂が1つ・・・・・そう1つである。


「あの、露天風呂はここだけですか?」


流一が御者に聞いた。


「はい、そうです。あれ?聞いてませんか?ここは混浴ですよ」


「「「「「ええーーーー!!」」」」」


流石に全員驚いた。


「混浴だって、どうしよう」


流一はかなりオタついている。


「どうしようって、混浴なんだからみんなで入れば良いでしょ」


アメリアが冷静に返して来た、聞いてなかったから驚いただけで混浴には抵抗が無いようだ。


「そうですねー、一応脱衣場は別れてるみたいだし、一緒で良いんじゃないですか」


「私も構わないよ」


「私も師匠なら一緒でも良いですよ」


ユリアナ、セリーヌ、エレンも同じような反応だ。

しかし流一は『いや俺は構うから、女の子と一緒って恥ずかしいから、一部冷静でいられないところがあるから』などと動揺しまくりである。

しかし逆にその動揺を面白がられて一緒に入る事になった、いやなってしまった。


露天風呂には流一が一番先に入って待っていると女性陣がやって来た、そしてわざと流一の近くに入ってくる、露天風呂は広いのに使っているスペースは半分も無い。

完全に流一からかいモードに入っている、女性陣全員が。


「流一、誰の胸が一番好き?」

「一番大きな私よねー?」

「形なら私も負けていないわ」

「将来性のある若い胸も良いですよ」


全員恥ずかしげも無く胸を見せつける、この世界では大人とは言ってもまだ高校生の流一には刺激が強すぎる、なので硬く目を閉じた。


「どうしたの?見てくれないと違いがわからないわよ」


妖艶な口調のユリアナ、しかし顔は笑っている。


「もしかして触って確かめたいの?」


そう言って流一の手を握るセリーヌ。


「わー、ちょっ、ちょっと止めて」


慌てる流一を見て喜ぶ小悪魔達、完全にやり過ぎである。

しかしさすがに可愛そうになったのかからかうのは止めにした。


「もうからかわないから目を開けないよ」


「本当に?本当に本当?」


1番ノリノリだったアメリアの言葉では中々信用出来ない。


「本当よ、ちょっとやり過ぎたわ。ごめんなさい」


ユリアナの言葉でようやく目を開けた、アメリアはちょっと、いやかなり不満そうだ。


「ちょっと、なんで私の言葉は信じないのよ」


「わーごめんなさい、ごめんなさい」


流一はほぼパニック状態なのでアメリアはこれ以上言うのを止めた。


「師匠、もうからかわないから1つ教えてください」


「何?何を?」


「知恵の魔法って何なんですか?前に師匠は『魔法に属性は無い全員全ての魔法が使える』って言いましたよね」


「ああ、言ったよ」


「だったら何故私達に知恵の魔法は使えないんですか?訓練すれば使えるようになるんですか?矛盾してます」


この質問には答えに困った、まさかヨネ子に教えてもらっているなんて言えるわけがない、流一の人並みよりちょっとだけ優秀な脳みそは唸りを上げて最適解を見つけ出す。

そして良い答え(いいわけ)を導き出した。


「知恵の魔法は俺の世界の知識を元に答えを出してるんだ、だから俺の世界の知識が無ければ使えないんだよ」


「どういう事ですか?」


「例えば前にウォーターの温度を変える魔法を教えたよね、その時の事覚えてる?」


「はい、水を粒のように意識して激しく動かすって事ですよね」


「そう、それは水って本当に粒のような物で温度が上がると激しく動くものなんだ」


「えっ?意識だけのものじゃ無いんですか?」


「そうなんだ、そう言う知識が無ければ理解出来ないから俺しか使えないんだよ」


「そうなんですか、だったら私には無理ですね」


流一は気落ちするかと思っていたがそれほどでも無いようで安心した。


「あっ、そうだ。エレンこれ持ってて」


そう言ってお風呂三点セットを収納魔法から出して渡した。

流一は最近やっとスマホ無しでも魔法が使えるようになった、もっともスマホの魔方陣が使えない分威力は弱いが収納魔法に威力は関係無いので無問題だ。


「これ昨日のウルカロですか?」


「そう、この黒がシャンプー、白がリンス、赤がボディーソープだから」


「しゃんぷーとりんすとぼでぃーそーぷって何ですか?」


「シャンプーは髪を洗う石鹸、リンスは髪に潤いを与える薬、ボディーソープは身体を洗う石鹸だよ。昨日の夜作ったんだ、材料は買ってたからね」


「本当ですか?今から使ってみて良いですか?」


「もちろん、あっ!リンスはシャンプーの後に使うんだよ」


「わかりました」


エレンはそう言うと直ぐに湯船から出た、なので流一はもろにエレンの裸を見てしまった、後ろ姿ではあったが。

そしてかなり動揺はしているがもうからかわれることは無かった。

と言うよりアメリア、ユリアナ、セリーヌの3人もお風呂三点セットの方が気になったのでエレンの方を見ていた。


その後流一は意識を景色に集中していた、女子トークを遠くに聞きながら。


エレンの後アメリア、ユリアナ、セリーヌの3人は仲良く並んで髪と身体を洗った、かなり高評価だ。


4人は洗い終わるともう一度湯に浸かり風呂から上がった。

それを確認してから今度は流一が髪と身体を洗って風呂から上がった。


全員スッキリとして宿に帰る、髪も馬車に揺られている間にすっかり乾いたようだ。


「おや、お帰りなさい。皆さん朝より綺麗になられましたね、露天風呂の効能ですかな」


宿屋の主人に言われた。

確かに温泉の効能もあるだろうが、1番はやはりお風呂三点セットの効果だろう。

そしてそれを1番実感しているのは他でもない4人の女性陣だ。


送別会まではまだ少しあるので皆部屋で休む事にした。


「せっかくこんな良いもの作ってもらったのに使う時があまり無いですね」


「次からずっとお風呂付きの宿に泊まる訳にも行かないしねぇ」


エレンの言葉に続けるユリアナ。


「そんな事も無いよ」


「「「「えっ?」」」」


流一の否定に揃って反応する、やはり仲が良い。


「俺、ボレアースで風呂も作ってもらって収納に入れてるんだ」


「ちょっと流一さん、何で黙ってたのかしら」


ユリアナの笑顔が怖い。


「内緒にしててごめん、でも材料が無くていつ作れるかわからなかったから」


「材料が無くて・・・あぁ!マンモスの魔物の鼻って」


「「「あああ!そうだ!」」」


全員マンモスの魔物の鼻を売らなかった事を思い出したようだ。


「そう、それでホースとシャワーを作る事が出来るようになったから作ったんだ」


「ホース?シャワー?何ですかそれ?」


「それは今度野営の時に現物で説明するよ」


エレンに聞かれたのでそう答えた。


「ところでお金はどうしたの?」


「お金は最初に売った素材代だよ」


「『超言語』の指輪も沢山作ったのに足りたの?」


「基本的に素材代がほとんどで工賃は少しだからね。設計も魔方陣の作成も魔力を流すのも全部俺がやったから」


「はぁー、これが製品だったらどれだけかかってるんでしょう」


ユリアナは諦めとも取れるため息をついて納得した。


そうこうしている内に17時になり宿の使用人が呼びに来た。

食堂に行くとボレアースまで一緒に行った商人さん達の他、エルクと母親のリル、長老、遺体を持って帰ったハンターの奥さん達、今日露天風呂まで連れて行ってくれた御者さんなど、メルカートで知り合った人が全員いた。


送別会はセルバンテスの挨拶から始まった、『デザートイーグル』の面々はそれぞれ楽しんでいる。

メルカートに来た時は喋れなかったメンバーがボレアースから帰ると全員喋れるようになっていた事やマンモスの魔物を倒した事など話題は事欠かないし賞賛もされている。


途中、流一は長老に『超言語』の指輪を渡した、もちろん理由をしっかり伝えて。

長老は最初お金を払うと言ってくれたが、貰っても使えないと説明して納得してもらった。


そして会の終盤、セルバンテスがマンモスの魔物の牙を皆んなに見せこの日1番の盛り上がりを見せるとお開きとなった。


最後に、全員からの感謝の気持ちとして明日の帰りは狼ソリで送ってもらえる事になった、御者は今日の馬車の御者さんらしい。

荷物が無く人だけの狼ソリなら、エルクと出会った場所まで野営一回で着くそうだ。


メルカート最終日、早朝にもかかわらず送別会に来ていた全員が見送りに来てくれた。

その全員とお別れの挨拶をした後ライヒブルクに向け出発した。


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