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異世界に飛ばされたらメールだけ現代と繋がった!  作者: ファンタ爺LV999
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1 プロローグ

初めての小説執筆です。不定期投稿とはなりますが完結に向けしっかり書いて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。

ヨルダン川西岸地区、死海文書が発見された事で有名な洞窟群の一つに米村流一、米村ヨネ子(通称マーガレット)の双子の兄妹の姿がある。


米村流一は身長175センチ、黒髪、黒目の典型的な16歳の日本の高校生。

細マッチョタイプの外見にふさわしくスポーツはそこそこ優秀で、中学時代は剣道部に所属し全国大会に出場するほどの腕だったが高校生になってからは帰宅部になった。

流一は対外的にはミリオタで通っていたが、実は魔法少女やエルフに萌える隠れオタクで、特に獣人が大好きなケモナー男なのだ、なので高校生からは趣味優先の人生を送ろうと考えていた。


それに対して米村ヨネ子は身長170センチの青瞳、金髪縦ロールにゴスロリ衣装だが、もちろん金髪は染めているし瞳もカラコンの純日本人である。

流一と双子なので当然なのだが。

ただし能力は段違いである、ヨネ子は『マッド才媛ティスト』の異名を持ち12歳にしてアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大)を飛び級で卒業、14歳でMDメディスンドクター資格を取得した才媛、運動神経も抜群だがそれはあまり公にされていない。

なぜならヨネ子は裏の世界ではトップに君臨する暗殺者コードネーム『モルス』に唯一認められ10歳から15歳まで師事した現役の暗殺者だからだ。


そしてヨネ子は普段マーガレットの名称を使っている。

これは師匠である『モルス』がヨネ子に与えた裏の世界で生きる為の偽名であるが、ヨネ子は偽名だけで無くコードネームとしても使っているのだ。

普通コードネームは色々と問題があるため人名にはしない、それでもヨネ子がコードネームを人名にしたのはそれだけ思い入れのある名前という事の他に暗殺者としては生きて行かないつもりだからだ。

ただ裏の情報網は必要なので引退はしていない、いわゆる開店休業状態というやつだ。



ある日流一は、ヨネ子がアンテロープキャニオンで面白い物を見つけたと言うのでその写真を見せてもらっていた。

それは不思議な魔法陣とメールアドレスのようなものが書かれた石柱であった。


流一がいくら隠そうとしても『マッド才媛ティスト』ヨネ子にはオタク趣味などバレバレである、だがヨネ子は兄に優しい(?)のかその事は誰にも言っていない。

なのでその魔法陣の写真も流一だけにソッと見せただけだ。


当然流一は喜んだ『アンテロープキャニオンに魔法王国』

この妄想だけでご飯3杯食べそうな勢いで。


それから半年後、流一は愛読していた某科学情報誌の中に同じような石柱の写真を見つけた。

流一は見た目こそスポーツマンタイプだが勉強もそこそこ出来る、ヨネ子に隠れてパッとしないが学年でも常にトップテンに入っているのだ。

なのでまぁ趣味では無いが情報収集の意味も込めていろんな本を愛読している。

今回たまたまその中の一冊に、ヨネ子から見せてもらった魔法陣の石柱と同じような物が発見されたと記事に書かれていたのだ。


流一は早速ヨネ子に連絡して一緒に調査しようということになりイスラエルまでやって来たのだ。

魔法陣だけで魔法少女が居るわけでも無いのに大した行動力だ。


イスラエルに入るとまず流一が護身用にサバイバルナイフとデザートイーグル(拳銃)を手に入れた、もちろん最低限の訓練はしている。

最近はオタク趣味に埋もれがちだったが久々にミリオタ魂が顔を覗かせて良い顔をしている。


ヨネ子の裏の顔は当然ながら家族の誰も知らない、そしてこれらはもちろんヨネ子の裏のツテで手に入れた。

しかし流一にとっては有難いだけで、何故そんな事が出来るのかは気にならないようだ。


後はバックパックに必要な物を詰めて背負うと、案内人一人と護衛二人を伴いヨルダン川西岸地区に向かった。

本当ならヨネ子が居ればどちらも必要無いのだがヨネ子の秘密を守るためなので仕方ない。


そしてやって来た洞窟群、案内人は迷う事なく某科学情報誌の記事にあった石柱の洞窟へと2人を案内した。

見た目はただの日本人の子供2人である、ヨネ子は案内人がキチンと仕事をしない事を懸念していたが杞憂に終わってホッとした。


そして自分のスマホを取り出しアンテロープキャニオンの写真と見比べだした。

ほぼ同じだが、いくつか書き足されたと思われる文字らしき物があるようだ。


流一も石柱の表や裏を一通り調べた後自分のスマホで写真を撮る、すると不思議な光に包まれた。

光が収まると、流一は今まで居たのとは違う洞窟のような場所に転移していた。


元の洞窟では案内人と護衛が、突然の眩い光と共に流一が消えた事に驚き慌てていた、しかしヨネ子だけは落ち着いている。

さすが一流の暗殺者だ、どんな時にも心を乱されたりしない。

 

流一の方は、明らかにさっきまで居た洞窟とは違う洞窟の中に居ることと、壁全体がボンヤリと光り明るい事に困惑していた。

しかし気を取直して洞窟内をよく見ると、魔法陣と見たことのない文字らしきものが書かれた石柱が沢山あるのが目に入った。


普通の人ならパニックになってもおかしくない状況なのだが流一は大喜びでそれらの石柱を写真に収めていく、ここまでくればオタク馬鹿だ。


そして全ての写真を撮り終わった瞬間、流一は再び光に包まれ今度は森の中に居た。


森に飛ばされて初めて流一は慌てだした、流一は鈍感なのである。

それ以上に森の中には魔法陣が無かったからだ、流一にとっては恐怖や不安より魔法の方が上なのだ。

さすがオタク!


それでもスマホを持っている事を思い出したのでヨネ子に電話しようとするが圏外だった、当然メールも圏外なので使えない。

ここでようやく人並みに不味いと思い出した。

もう一度言うが流一は鈍感なのである。


しかし腐っても流一はヨネ子兄である、すぐに気持ちを切り替え原因と思われる石柱の写真を確認する事にした。

腐ってもとは言ったがヨネ子が凄すぎるだけで、流一はそれなりに優秀なのだが。


そして、最初の洞窟の石柱の写真を開いた時、『メールアドレスの登録が完了しました』と、そこに刻まれていたメールアドレスらしき文字がスマホのアドレス一覧に自動で登録された。


「もしかしてこのアドレスならメールが出来るのか?」

と独り言を呟くと、希望を膨らませてメール画面を開き文を書く・・・・・つもりが書けなかった。


「なんで書けないんだよ」

とスマホに向かい怒鳴ると


【なんで書けないんだよ】

と画面に表示されて自動送信された。


それを見て

「えっ!音声入力なのか?」

と独り言を言うと


【えっ、音声入力なのか?】

と再び画面に表示され自動送信された。


送信先はもちろんヨネ子のところである。

ヨネ子は流一が消えた後、元の洞窟で石柱をじっくりと調べている途中であった。

するとスマホが震えたので(ヨネ子は暗殺者の習慣として普段から音が出ないようにしている)見ると


【なんで書けないんだよ】

と送られて来ていたそしてすぐに

【えっ、音声入力なのか?】

と送られてきた。


アドレスを見ると見たことのあるアドレス、そう石柱に刻まれていたアドレスだ。


そして何故か受信アドレスも同じだった。

送信も受信も同じアドレス、普通ならありえない事だった。

しかし取り敢えず今は細かい事を気にしている状況では無い、細かい事でも無いような気はするが。


そこでヨネ子はスマホに向かい叫ぶ


「流一!あんた今どこにいるのよ!」

すると予想通り自動で送信されて行った。


 流一は送信されて来たヨネ子からのメールを見て


「ヨネ子ー!ヨネ子なのかー?」

と泣きそうになりながら叫ぶとすぐに


【私はマーガレットよ】

と返って来た。

文面では判らないが激しく怒っている。


 ここで流一は送信が黒、受信が青の文字で表示される事に気付いたがアドレスが同じという所までは気付いていない。


「ごめんマーガレット。今どこかの森の中にいるんだけど・・・」


こういう時に鈍感なのは生きる上で有利だ、メールが繋がっただけでここまで冷静になれるのだから。


【どんな木が生えてる?気候は?どこかを特定出来るような物や生き物を教えて】

とヨネ子から返信が返って来た。


「木の種類は判らないけど針葉樹でも熱帯のジャングルでもないみたい、でも日本でもなさそう。気候は葉っぱが青々としてるから初夏から夏くらいかな?生き物は見当たらない」


全く知らない場所で無闇に歩き回らないのはサバイバルとしては正しい行動ではある、しかしそれだけに情報も乏しい。


【それじゃ北半球の温帯地域くらいしか判らないでしょ。もっと何かないの】


流石の『マッド才媛ティスト』ヨネ子も情報不足ではどうにもならない。


「そういえば水の音が聞こえる!滝かな?近くに川があるかも?」


【じゃあそこに行って魚でも釣って写メを送ってちょうだい】


流一の持つサバイバルナイフは柄の部分に釣り道具が収納されている。

そのナイフを用意したのはヨネ子なのでその事は知っている、だからこその指示だ。


「わかった、そうする」

 との会話(?)があった後流一は水音のする方へ歩いて行った。


 ヨネ子も流一が近くには居ないとわかったのでホテルへと帰る事にした。


初めての投稿を最後まで見ていただいてありがとうございます。

流一はまだ自分が異世界に居る事を知りません。

なので次からが本当の異世界小説になります。

出来ればこれから最後まで流一の冒険にお付き合いをお願いします。

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