表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
素敵なご主人様  作者: 黒影たかし
21/27

21話 ライバル出現?

 最近の私は、一日置きに、狩と冒険者ギルドでの訓練を繰り返す日々を送って居る。


 訓練で習った事を狩で実践し、狩の時の反省を訓練で再確認する。そんな日々。


 私、いつの間にか冒険者が本業の様になっている気がするのは……気のせいだよね?


 ルルちゃんは、今でも元気に商店で働いている。まだ奥様にはバレてないんだって。


 私も少し安心した。


 ルルちゃんも、先日の私達を見ているので、売られる時は相談するって言ってくれた。ご主人様は、私に意地悪しただけで、ルルちゃんの事は前向きに考えてくれるそうだ。


 流石ご主人様。意地悪しなければ大好き!!






 ご主人様がギルドの訓練場で、私に剣術を教えているうちに見物人が増えて来た。冒険者ギルドでわざわざ訓練するのは、模擬戦の相手が豊富に居るから。


 訓練の模擬戦の相手をしてくれるDランク冒険者の人に、ご主人様がアドバイスをしたりしているうちに、どんどん色々な人が見学に来るようになり、最近ではDランク、Cランクの人達の剣術講座の様になっている。


 巷では「レイヴィタンの剣術講座」と言われているらしい。


 私は私で、ご主人様に新しい技を教えてもらった。以前狩の時にご主人様が見せてくれた、瞬間移動だ。


 魔力を使って、一時的に移動速度を速める技。私はまだ2m程度しか移動できない。と言っても、ご主人様の様に消えるほど速い訳では無く、通常よりもちょっと早いだけだけど……




 私達の訓練が有名になってくると、腕に覚えのある人達がご主人様に模擬戦を挑み始めた。


 Bランクの人相手でも、ご主人様は片手で剣を握り笑顔で軽くあしらっている。きっと実力の1/10も出していないご主人様。


 そのうち、ご主人様に一太刀でも浴びせたら、金貨1枚を渡すなんてご主人様が言い出したので、一日5人限定で勝負を行う様になった。


 毎日並ぶ人が出来るほどの盛況ぶりだ。ご主人様に聞くと、腕の良い冒険者を探すのに丁度良いと言っていた。なかなか進まないダンジョンアタックのメンバーを、これで探すつもりらしい。





 そんなある日、私は冒険者ギルドで一人の女性に声を掛けられた。


「あなたがクレア?」

「はい?」


 突然声を掛けられて振り返ると、そこには……物凄い綺麗な女の人が立っていた。


 綺麗な茶髪を腰まで伸ばし、頭には猫耳がついている。露出度の高いミニスカートタイプの防具を着けていて、上半身は大きな谷間を惜しげも無く晒している。


 スタイルの良さを強調した防具。


 うぅぅ……負けた……特に胸の辺りとか、谷間とか、おっぱいとか……


「はじめまして、私は猫耳族、Bランク冒険者ののリアよ」

「あ、初めまして……犬耳族のクレアです……」


 リアさん? あれ? 何処かで聞いた事あるような、無いような……


「へぇ~ 噂通り、可愛らしい子ね」


 私の事を、上から下まで見てリアさんはそう言った。


「噂ですか??」

「ええ、なんでも私とあなたが、このギルドの二大アイドルだそうよ」


 思い出した!! 初めて冒険者ギルドに来た時に、冒険者の人達がそんな事を言っていた。猫耳族のリアさんが凄く綺麗な人だって。


 リアさんは、大人の女!って感じで、色気がプンプンする様な綺麗な人だ。年齢は20代前半ぐらいだろうか?


 どちらにしても、こんな綺麗な人と一緒にされると正直困ります。



「ねえ、あなた伝説のレイヴィタン様と組んでるのですって? 良ければ紹介してくれないかしら?」


 うぅぅぅ……正直嫌です。こんな綺麗なお姉さんを紹介したら、ご主人様の鼻の下が3mは伸びそう……

特に胸の辺りとか、腰の括れとか、綺麗な長い脚とか……


 あれ? なんて事なの?? 私、リアさんに勝てる所が見つからないのですけど……


「クレア? どうかしたの??」

 リアさんは、固まっている私を不思議そうな目で見ている。


「あ、いえ……ご主人様なら、もうすぐここに来ます。今は訓練場で勝負中ですから」

「嘘? クレア! 一緒に来て! 私も挑戦してみたいのよ」


 リアさんは強引に私の手を取ると、訓練場へ私は連行された。


「ねえ、あなたから頼んで、レイヴィタン様と勝負さえて貰えないかしら?」

「へ? ご主人様とですか?」


「ええ、並んでも並んでも、順番待ちでいつ勝負出来るかわからないのよ」


 なるほど、既に整理券が配られて、ご主人様と模擬戦が出来るのは半年待ちだとか噂されている。リアさんは私を使って、今すぐにでも腕試しをしたいのだろう。


 訓練場へ着くと、そこには大の字で倒れている冒険者の人。それをニコニコしながら見下ろしているご主人様が居た。


「うんうん、筋は悪く無いけど、もう少し戦略を練った方がいいね、猪突猛進だけじゃ勝てないよ」

 そんな事を倒れている冒険者に言っている。


 リアさんは、私の事を肘で突く……早くご主人様に声を掛けろと言っている。


「あ、あの!! ご主人様?!」

「ん? クレ……??!!」


 ああ、思った通りだ。ご主人様は私の声に気が付いて、こちらを見た瞬間にリアさんを見て固まった。


 そうでしょうとも……私なんかより、リアさんの方が綺麗で大人で色っぽいですもんね!!


 ふんっ!だぁ。


 今日は夜のご奉仕無し!! ご主人様が悪いんだからねっ!! でも、ご主人様の発した声は、私の予想とはまったく違った。



「メイ??」


 え? ご主人様?? この人はリアさんですよ??


「お前……メイなのか??」


 驚いた顔でリアさんを見ているご主人様。


 メイさん? あれ? 何処かで聞いた事あるような……ってあるよ!! メイさんってご主人様のパーティー「白剣」の人だ!!!


「初めまして、レイヴィタン様。私は猫耳族のリアと申します。Bランクの冒険者です」

 リアさんが挨拶をすると、ご主人様は我に返った様だ。


「えっと、失礼しました。リアさん」

「いいえ、こうしてレイヴィタン様と会えた事、運命を感じますわ」


「運命ですか??」


 ちょっと、やめてよね!! 運命の出会いとか言っちゃうの??


 私の方が、ずっとずっと!! ご主人様と運命的な出会いだったんだから!! 二人のやり取りを見て、私は餅を焼く……ええ、どーせ私はヤキモチ焼きですよ!



「メイは私の祖先です。レイヴィタン様と一緒に冒険をしたと、代々語り継がれてきました」

「え? メイの子孫なの???」


「はい!」


 リアさんの顔はとても嬉しそうだ。リアさんの嬉しそうな笑顔は、男を虜にしてしまう。それほど綺麗で、可愛らしい笑顔だった。


 案の定……リアさんの笑顔でご主人様の頬が赤く染まった。


 でっ!! 予想通り、鼻の下が伸び始める……


 うぅぅぅぅぅぅぅ わんっ!!


「ご主人様???」

 私の一声で、ご主人様は真面目な顔になった。


 でも、誤魔化しているのが見え見えで、私としては……ものすっごっく面白く無い!!


「メイの子孫か……なるほど、瓜二つな訳だ」

 ご主人様の顔はとても嬉しそうだ。


「祖先のメイと、レイヴィタン様は恋仲だったとか? 本当でしょうか?」

「ぶっ!!! マジで? そんな風に伝わってるの??」


 ちょっと!! 聞き捨てならないんですけど?


「はい、そう聞いています」

「あはははは、違うよ。メイは大賢者のライドと恋仲だったよ」


「えぇぇぇ? そうなのですか?」

「うん、ライドは知って居るよね?」


「はい、大賢者ライド。エルタニア王国の宮廷魔術師になったお方ですよね?」

「うん、そうだね……彼は元々エルタニアの貴族だったからね」


「それを聞いて安心しました」

「へ? 安心??」


「はい! ご先祖様と恋仲だったのなら色々と問題がありましたが……違うのなら、思いっきりアタックできそうです」


 うぅぅぅぅ、やっぱりこうなるのか……


 ご主人様とリアさんに血のつながりが無いのなら、ご主人様にアタックすると言うのね。そして、意味有り気な視線を私にするリアさん。


 これはもう戦線布告ね! 良いわよ! その挑戦、受けて立つんだから!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ