10話 冒険者ギルドへ
このお屋敷に、新しい使用人が増えて今夜は細やかな歓迎パーティーとなった。
今日は奴隷もご主人様も関係なく、全員で食堂に集まり、料理人のセバスさんの料理を頂いた。
すごく美味しかった!
普段、貴族様が食べているメニューと同じものを出す様にってご主人様が言ったの。だから私達は、生まれて初めて貴族様と同じもの食べたのよ。
これだけでも、ご主人様に買われて本当に良かった。普通の奴隷なら絶対にこんなに美味しい物、食べさせて貰えないもの。
パーティーには、ご主人様が皆にお酒を振舞った。ご主人様の気遣いに皆大喜びだ。
私も生まれて初めてお酒を飲んだ。お酒って美味しいね。気分が良くなってふわふわする。顔が真っ赤になっている私を見て、ご主人様が少し控えるように言ったので自重した。いけない、酔った姿をご主人様に見せる訳には行かないわ。だって酔っぱらいに絡まれると、しつこいんですもの。私はそうならないように気を付けないとね。
食事が終わり、お酒を飲みながら皆で歓談をしていると、エルさんが私にそっと指示を出した。
「いつでも旦那様がお風呂に入れる様に、準備してきなさい」
「そうですね、わかりました。ちょっと行ってきます」
流石侍女の鏡だ。こういう侍女としての気遣いは、ちゃんと学ばないとね。私は寝室へ行って、手早くお風呂の準備をすると、食堂に戻る。その後、少し歓談してお開きとなった。
エバンスさんと他の皆は、久しぶりの再会で懐かしい積る話があるみたい。
ご主人様は、皆の話の邪魔にならない様に、自分の部屋へ戻ると言った。やっぱりご主人様の前では話せない話とかあるもんね。奴隷にもこんな風に気を使ってくれるご主人様って、本当に優しいと思う。
私もご主人様と一緒に退室した。
寝室へ入ると、ご主人様にお風呂の準備が出来ている事を伝えて、入ってもらう。ご主人様は私の気遣いだと思ったみたいで、喜んで褒めてくれた。
えへへ、本当はエルさんの指示なんだけどね。
頭を撫でなでしてくれので、嬉しくて尻尾がブンブン振らさっちゃう。ご主人様がお風呂から上がると、私もお風呂に入った。
今日も念入りに体を洗う。
(今日こそ、しっかりお勤めしなきゃ!!)
今日は黒いベビードールと下着のセット。お風呂から出て、鏡で全身をチェックする。
(うん、完璧! 今日は大人っぽくて、セクシーな感じ)
浴室から出て、ソファーに座っているご主人様の前に立つ。今日はとても嬉しそうなご主人様の顔。
「どうでしょうか?」
「うん、今日もとても可愛いよ」
「本当ですか? 良かったっ!」
えへへ、ご主人様の鼻の舌が伸びてる。この恰好を気に入ってくれたみたい。
「飲み直そうか?」
ご主人様はそう言って、私の分のグラスもテーブルに置いてお酒を注ぐ。今日もご主人様の横に座って、一緒にお酒を飲んだ。このお酒も甘くて美味しい。
ごくごく飲めちゃう。
二人でお酒を飲んでいると、ご主人様が思い出したように話し始めた。
「そうそう、明日なんだけど、僕と一緒に冒険者ギルドに行ってくれないか?」
「私がですか?」
「うん、クレアを僕の奴隷としてギルドに登録したいんだ」
「私は構いませんが……」
私が冒険者? ご主人様のお手伝いでもするのだろうか? でもちょっと嬉しいかも! いつでもご主人様と一緒に居られる。
私が不思議そうにしていると、ご主人様が説明してくれた。
「別にクレアにダンジョンに入ってもらう訳じゃないよ。でも、登録しておくと、お使いとかも頼めるしね、それとこの街のギルドは、ソロに厳しくてさ」
ご主人様のお話によると、ソロで命を落とす冒険者が多い為、パーティー推奨の依頼ばかり。ご主人様が受けたい高ランクの討伐依頼は、必ずパーティー推奨で、ソロでは受ける事が出来ないそうだ。だから、私をパーティーメンバーとして登録をして、依頼を受けれる様にしたいそうだ。
「冒険者の街」といわれるだけあって、地方からこの街に一攫千金を目指して来る冒険者は多い。
そして無茶をして命を落とす。
特に地方から来たばかりの冒険者の死亡率が高い。知り合いも居ないので、ソロで攻略に挑んで死んでしまう。だからこの街では、難易度の高い依頼は、パーティー推奨となっている。
「じゃあ、依頼は一人で行うって事ですか?」
「うん、依頼を受けるだけの、形だけのパーティーって感じだね」
「でも、ご主人様は危険じゃないのですか?」
「まあ、僕はこう見えても強いから、普通の人達と同じに考えられると少し困るかな」
大丈夫だろうか? だって一人だと危険だからパーティー推奨なのよね?
ご主人様が心配な私。
「あはは、そんな顔しない、僕は大丈夫だから」
私の顔を見てそう言うと、抱き寄せられた。ご主人様の肩に頭を乗せて、優しく頭を撫でられる。
クンクン、ご主人様の匂い……安心する。
ご主人様の肩に頭を乗せて、撫でられているうちに気持ち良くなってきて……寝てしまった。
目が覚めると、今日もご主人様に抱き着いて寝ている私。
クンクン、ご主人様のいい匂い。すごい幸せぇ~。
こうしてご主人様と寝るの、幸せ感じちゃうなぁ~……ってあれ?
(マズイっ!!!!!!! 私昨日も寝ちゃったっ!!!)
「ん? おはようクレア」
私が激しく動揺したので、ご主人様を起こしてしまったみたいだ。
「お、おはようございます……あの……申し訳ありません!!」
「ああ、昨日寝た事かい?」
「はい、一度ならず二度までも!! あの、今からご奉仕致します」
「いや、それは気にしなくて良いよ、それよりも、ちょっと向う向いて」
私はご主人様に、背中を向けて寝るように言われて、素直に従うと、後ろから、ご主人様にギュッっと抱きしめられた。
「無理しなくても良いよ、クレアが僕に抱かれたいって思った時に、そうしてくれ」
「いえ、でも私は性奴隷ですから……その、それがお仕事です」
「そうだけど、なんと言うのか、その義務感で僕は君を抱きたくはないな」
「義務感ですか?」
「うん、今のクレアは義務感で、事務的にそういう事をしようと思ってるでしょ?」
「いえ、決してそのような事は……」
「大丈夫、僕は君を怒ったり、捨てたりしないから。ちゃんとクレアが僕に抱かれたいって思ったら、その時しよう」
「わかりました」
ご主人様はこう言ってくれたけど、私はご主人様が大好きなので、私はいつでも良いのだけど……寝ちゃった私が悪いだけなのよね。
今夜、もう一度頑張ろうっ!
寝室のドアがノックされ、私が開けるとエルさんが顔を出した。
私のスケスケのベビードール姿を見て、物凄く顔をしかめられちゃった。
「お二人の朝食ですが、如何致しますか?」
「ここで食べるよ」
「かしこまりました。ではクレアさん、厨房まで食事を取りに来てください」
「あ、わかりました」
身支度を整えて、厨房に行ってご主人様と私の朝食を持ってくる。二人分の食事を部屋に運んで、ご主人様と二人で朝食を取った。ご主人様と一緒に食事が出来るなんて、本当に嬉しい。
しかも、同じテーブルで食事なんて!
食事の内容も、ご主人様とまったく一緒だったの。本当に夢の様な生活。
「今日は昨日言った通り、冒険者ギルドへ行こう」
「わかりました」
「うーん、それにしても、一応恰好ぐらいは冒険者らしくしておくか」
可愛らしい私のワンピース姿を見て、ご主人様は苦笑いしながら、そう言った。
「あ、私これでも、剣を扱えますよ」
「へ? クレアが剣??」
「はい、父が兵士でしたから、自分の身ぐらい守れるようにって、小さい頃教わりました」
「へぇ、そうなんだ」
「ショートソードを二本使って戦えます」
「嘘? まさかの双剣使い??」
「まあ、ご主人様に比べたら、子供の遊びですけれどね」
私がそう言うと、ご主人様が面白そうな顔をした。
「じゃあ今度、クレアの剣の腕を見せてよ」
「はい!」
朝食を終えて、ご主人様と私は武器屋さんへ向かった。そこで双剣のショートソードを買ってもらい、防具も新調した。
革の胸当てに、革のスカート。
「あはは、それらしくなったね」
私の姿を見たご主人様は、そんな感想を言う。
「なんか、あんまり可愛くないです」
「まあ、防具だから可愛くはないよ、でも他の女性冒険者に比べると、物凄く可愛いけどね」
はぅ、せっかくだから、可愛い私を見て欲しい。
スカートなのが、せめてもの救いか。
「今度オーダーでドレスアーマーでも作ってみようか? クレアに似合いそうだ」
そんな事を言いながら、武器屋さんを後にして、冒険者ギルドへ向かった。道中で、ご主人様が私に注意事項を教えてくれた。
「冒険者ってガサツで乱暴なヤツが多いから、絡まれるかもしれないけど、相手しちゃダメだよ。何かあったら僕にいう事」
「わかりました!ご主人様の側は離れません」
「それと……そうだな、僕の秘密を知ってしまうと思うけど、驚かないでね、それを知っても騒がない事」
「秘密ですか? なんでしょう? 楽しみにしてますね」
苦笑いのご主人様。
冒険者ギルドに行くと、ご主人様の秘密を知ることが出来るんだ! すっごく楽しみ。
ひょっとして、貴族様だとか? でも、あのお金の使い方見てたらわかるよ。普通の冒険者じゃないって。 やっぱりご主人様は貴族様なのだろうか?
私はそんな事を考えながら、ご主人様の後を追って冒険者ギルドへと向かった。
「ここが冒険者ギルドだ」
二階建ての、石作りで立派な大きい建物。入り口には、冒険者風の人達が、ひっきりなしに出入りしている。冒険者ギルドのマーク、剣と杖が交差している看板がかかっている。
「凄い大きな建物ですね」
「そうだね、この国では一番大きい冒険者ギルドだからね」
冒険者の街と言われるだけあって、冒険者ギルドも大きい。入り口は建物の右端にあった。
ご主人様と一緒に中に入る。中に入って正面には、大きな掲示板があって、色々な紙が貼り付けられている。それを見ている大勢の人達。
「あれが依頼内容が書かれている掲示板だ。依頼を受ける時は、受けたい内容の紙を持って、受付カウンターに行くんだ」
「なるほど、依頼ってあんなにあるんですね」
親切にご主人様が教えてくれる。掲示板の横には受付カウンターがある。10箇所あるカウンターのうち、今は3箇所しか受付の人が居ない。
「今の時間は空いてるからね、朝は依頼を受ける冒険者でごったがえすから、職員も多くなるはずだ」
「なるほど」
そして、その奥には酒場の様な、食事が出来る場所がある。多くの冒険者達が、昼間っからお酒を飲んでいる。食事をしている人、お酒を飲んで盛り上がっている人。
空いている時間と言っていたが、今でもこの建物の中には数多くの冒険者が居る。
お酒を飲んでいる人を見ていると、一人と目が合った。慌てて目を逸らす私。
ご主人様は、受付カウンターへと歩いて行った。私も慌ててご主人様の後を追う。
「おぉぉぉ!! 随分と可愛い女の子じゃねーか?」
先ほど、目があった冒険者の一人がそう言って、こちらに近づいてきた。その大きな声に、ギルド内に居た人達が、一斉に私を注目する。
「見ない顔だな、新人か?」
「見ろよ、すげぇピカピカの防具だ、買ったばかりだな」
他の冒険者の人達が、私を見てそんな事を言っている。
「おい、ねーちゃん! お前新人か? どうだ? 一緒にパーティー組まないか?」
私と目が合った冒険者が近くまで来ると、私に絡んで来た。うわっ、見るからに乱暴そうな人。 昼間っからお酒飲んで、女の子に絡むなんて最低だと思う。
私が驚いて固まっていると、ご主人様が私の前に立ち、酔っぱらいの冒険者から私を隠す。
「あぁ? なんだオメーはよ? オメーも見ない顔だな?」
「悪いが、彼女は僕の連れなんだ、勧誘はお断りさせてもらうよ」
「ふんっ! テメーの連れだと? 俺は『紅蓮の棘』のエイモンだ。この辺じゃちっとは名の知れたパーティーだ、おい!ねーちゃん、こいつに不満があったら、いつでも来いよ。こいつよりは稼がせてやるぜ」
エイモンと名乗った男は、ご主人様を無視して私に話しかける。
「あの……私はご主人様の奴隷なので……無理です」
「何? お前奴隷なのか? かぁ~~ ご主人様だとぉぉ? 俺もこんなカワイ子ちゃんに言われてみてぇ~!!」
「マジかっ? 名前はなんて言うんだ?」
全然違う人も話の輪に入って来る。
「えと……クレアです」
「可愛いぃ~~!! クレアちゃん! こいつに酷い事されたら言えよ! 俺達が守ってやるからな」
「おうよっ! 奴隷だからって嫌な事されたら、ここに逃げて来い! 俺達が皆で買い取ってやるぞ!」
「そうだそうだ、クレアちゃんなら皆で金合わせて買い取ってやるぜ!」
人が集まって来て、私を買い取ってあげると言い出す。
これは困った……ご主人様を見ると、ご主人様も苦笑いしている。
「奴隷でも関係ねぇ! 今日はクレアちゃんの冒険者デビューを祝ってパーティーしようぜ!」
「いいねぇ~ こんな可愛い子の冒険者なんていねーからな! このギルドのマスコットガール認定だな!」
「バカ、マスコットガールは猫耳族のリアちゃんだろ?」
「おぉ! あの娘も可愛いからな、このギルド二大アイドルの誕生だ!」
なんか、酒場に居た人達が集まって来て、勝手に盛り上がり始めた。はぅ、私はご主人様専属なので、勝手にギルドのマスコットガールにされても困りますっ!
そこに、更に違うパーティーの人がやって来た。
年齢的に20代の4人組のパーティー。見た感じ、高級そうな装備をして、お酒を飲んでいた冒険者達とは違う雰囲気を出している。
「フフフ、私は『神速の剣』のジンだ。これでもBランクのパーティーリーダーをやっている」
私を囲んでいた冒険者の人壁が割れて、新たにやってきた人達に道を譲る。
「神速の奴らだ……」
「ちっ! 嫌な奴が来やがった」
後ろから、そんな冒険者達の声が聞こえて来た。確かに紳士的な態度にも見えるんだけど、ジンと名乗った人の私を見る目は、とてもやらしい目だ。本能的に嫌悪感を感じる。これなら酔っぱらいの冒険者達の方が、好感を持てるから不思議だ。
「おい貴様、その奴隷を私に譲れ」
「……」
なんだろう、この上から目線は、超嫌な感じ! ご主人様は黙ってジンと言う人を見ている。
「そこの奴隷、お前は俺の物になれ。どうせまともに冒険者として稼げないだろうから、俺の女にしてやる、その方が命の危険も無くて良いだろ?」
うわぁ~ 最低な人。死んでもこんな人の女になんか成りたくない。
「幾らだ? 獣人風情なら金貨30枚か? 俺なら35枚で買い取ってやるぞ」
「悪いがそんな金額で彼女は譲れない。他を当たってくれ」
ご主人様も、ムっとした様子でそう答える。
「何んだと? ジン様ががこう言ってるんだぞ!! お前知らないのか? ジン様はアベール男爵家の三男だぞ」
「そうだ、男爵家に逆らうと、どうなるか分かっているのか?」
『神速の剣』のパーティーメンバーが口を開き、ご主人様を脅しだす。
どうしよう、この嫌な人は貴族様なんだ……ご主人様に迷惑が掛かっちゃう。
「とにかく、彼女を譲る気はないよ」
「よかろう、では金貨40枚だ。それで文句はあるまい? 獣人に40枚も出すと言ってるんだ、悪い取引ではなかろう?」
このままではご主人様に迷惑を掛けてしまう。貴族に逆らって、無事で済むとは思えない。
「金額の問題じゃないし、彼女の価値はそんな物じゃないよ」
「ふんっ! 獣人風情に随分とご執心だな。40枚じゃ不満か? 確かに顔は良い顔をしているが……」
露骨に私を舐めるように見るジン。周りに居る冒険者達も、貴族様には逆らえないのか、皆苦虫を嚙み潰した様な顔をしている。
このままじゃダメ、ご主人様に私のせいで迷惑はかけれない。最悪この人に買われる事も我慢しないと。
それもご主人様の為だもん。
「あ、あのっ!」
「何だ? 奴隷」
「私の値段……」
「クレア、止めなさい」
ご主人様が慌てて私を止めるが、このままじゃきっとご主人様に迷惑がかかる。
「良いから喋らせろ、おい奴隷の娘、お前の値段は幾らだったんだ?」
「私の値段は、金貨100枚ですっ!!」
「……」
あれ? ギルドの中がシーンと静まり返った。
「ふ、ふざけるなよ奴隷がっ!!! 貴様が金貨100枚だと?! そんな訳あるかぁ!!」
あっ、怒った……物凄い鬼の様な顔をして怒っているジンって人。でも本当の事だしね。
「え? ちょっと待った! クレアちゃんって先日のオークションで買われた?」
私達の後ろに居た冒険者の一人が、突然私に話しかけて来た。
「あ、はい。先日のオークションでご主人様に買って頂きました」
「マジかっ!! じゃあ犬耳族で金貨100枚で買われた伝説の少女ってクレアちゃん?!」
「お! それなら俺も聞いたぞ! 先日のオークションで金貨100枚の値がついた獣人の話」
あれ? 私って結構有名人?冒険者の人達が、みんな私の事を知って居るみたいな話をしている。
「私は先日、金貨100枚でご主人様に買って頂きました。それの他にも色々買って頂いたので、私を買うなら最低金貨120枚以上じゃないと、ご主人様の元を離れる訳には行きません」
服だとか、装備だとか色々と買ってもらったので、ご主人様に損させる訳にはいかないもんね。
「マジか、じゃあ一人金貨1枚で雄志を募っても、120人集めないとダメか……」
「結構厳しいな」
この人達、まだ私を買い取るつもりなのかしら? 酔っぱらいの冒険者達は、そんな事をブツブツと言っている。
ジンって人も、パーティーメンバーが何やら耳打ちをして、私が金貨100枚で買われたって噂を話してるみたいだった。
「ふんっ! こんな薄汚い獣人に金貨100枚も出せるか!」
そう言って、この場を後にする『神速の剣』のメンバー達。 ひどい捨て台詞。でも良かった。あんな人の物には絶対になりたくない。
『神速の剣』のメンバーがギルドから出て行くと、ホッと全員が息を吐いた。
「いやぁ~ それにしても伝説の少女がクレアちゃんだとはね~」
「あれ? でもさ、金貨100枚の値が付いたのって、性奴隷じゃなかった?」
「あ、俺もそう聞いた」
「なんだ、冒険者の子だったのかぁ~」
「そうだよな、クレアちゃん何か特殊技能持ちなのかな? だったら金貨100枚も納得だよ」
「普通、性奴隷に金貨100枚は流石に無いよね」
「こんな天使様な可愛い子が、性奴隷な訳ないじゃん」
「やっぱ俺達のアイドル決定だな」
冒険者の人達がそう言って、私を注目する。
「へっ? 私はご主人様の性奴隷ですよ?」
「「「なんだってぇぇぇぇぇ~~~~???!!!」」」
冒険者達の悲鳴がギルドに響き渡った。




