not color
生まれたとき、目の前には色鮮やかな世界が広まっていた
空は青く、森は緑
見るものすべてに色がついていて心が躍っていた
毎日、毎日の生活が新しい発見で知らないことを
知らない分だけ知ることができた
でもだんだんと時が経つにつれて世界が色あせてきた
だんだんと知識を得るたびに目に映る景色から色が消えていった
人々は皆、口にしていた
『失色病』
幼い頃は見えていたのに目の前からいろいろと色が消えていく
日々に色彩が無くなり、同時に感情が無くなっていた
最終的に白黒でしか物事を判断できなっていた
感情を失った分、人が人を簡単に傷つけてしまっていた