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レアカードでごめんなさい!  作者: 九重七六八
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プロローグ はじまり(一)

 今年、ヒーロー文庫「関ヶ原で待ってるわ!」でデビュー予定の九重七郎八ここのえなおやです。改稿作業しながら、この新作を書き続けていきます。書籍化される作品共々、よろしくお願いします。


 20X0年 GAME特別区法案

 俗に言う「G特法」が衆参両議会において、賛成多数で可決された。


 この法案は、ゲームを行うことに特化した地区の設置を明記し、その指定されたエリアにおいては、ゲーム上のルールが現行法を超えて認められるというものだ。つまり、このエリアにおいては、架空のゲーム世界に準じた生活が構築されていた。そこで通用するのは法律ではなく、ゲーム上のルールであった。いわゆる経済特区の一種であるのだが、法治国家日本において超法規的な試みであった。


 この法律が生まれた背景には、急速な少子高齢化とモノづくり技術の流出、発展途上国との激しい競争、TPPによる国際的な貿易ルールによる規制緩和による既得権の破壊があった。つまり、20X0年初頭の日本は経済大国として崖っぷちに立たされていたのだ。


 21世紀の初頭、日本のアニメ・漫画、ゲームは世界でもトップレベルの競争力をもち、それらを支えるクリエイターの優秀さと人材の豊富さは世界でも類を見なかった。ここに資源を集中し、ゲームコンテンツを売るだけでなく、ゲーム参加者の活躍ぶりを記録した映像を配信するなどの新しい産業を生み出すことが日本再生の鍵であった。


 そんな日本の経済を支える新たな産業として注目されたのが、「オンラインゲーム」であった。ただ、ネットゲームも一度に多人数の人間とつながれるという利点はあったが、情報端末上の世界で別人として様々な形で参加することは、多くのゲームが排出されるにつれて、次第に飽きられてきてしまった。

 所詮はバーチャル空間での出来事に過ぎないのだ。もっと、リアルな体験をしたい人間は、いわゆるVRMMO(仮想現実大規模多人数オンライン)を望んだが、それは小説やアニメの世界の出来事で、現実に人間の意識だけをバーチャル空間に移動させ、あたかも現実世界のように体感させるなどという技術は近い将来はならともかく、現時点では不可能であった。


 そこで、端末の画面に表示されるビジュアルだけでは、もう満足できないゲーマーの要望に応えて生み出されたのが、RCMMO(現実都市大規模多人数オンライン)である。

 日本政府はゲーム業界を支援するために、「G特法」に基づき、ゲームに特化した経済特区を市単位で設け、街全体をゲームの世界としたゲームヘブンシティ(通称:GHC)を成立させた。バーチャル空間とリアル空間の融合である。

 

 第11世代スマートフォンである「ウロボロス」は、ネットゲームには最適の情報端末であり、それが町のインフラと結びついてリアルなビュジュアルを作り出し、ダイナミックなゲームを演出していた。

 例えば、中世ヨーロッパ風の世界をベースに様々なモンスターを退治して、物語を進行していく「モンスター狩りに行こうよ」(通称:モンガリ)を展開するM市では、街中のいたるところに設置されたバーチャルプロジェクターによって、普通の街の空間に3Dのモンスターが現れ、プレーヤーを攻撃してくるのだ。


 プレーヤーはそのモンスターを手にした武器で攻撃することができる。専用に作られた武器は、モンスターに触れるとその武器が持つ性能とプレーヤーのレベルに応じて瞬時にダメージを計算する。モンスターはダメージを受けるとそのようなリアクションをするので、プレーヤーは実際に体を動かしての醍醐味を味わうことができた。また、モンスターによる攻撃もプレーヤーのヒットポイントを削り、体力が0になるとゲームから除外されてしまうスリルも味わえた。

(ゲームオーバーになってもお金を払えば、また、ゲームに復帰はできる)


 この「モンガリ」は空前のヒットとなり、このゲームをやりたさに世界中からM市にやってくるプレーヤーは1日に約3万人。平均滞在数は1週間。ゲームに使ったり、滞在費として街に落としていったりするお金は一人あたり平均20万円。つまり、1日に約60億円以上という莫大な富を都市にもたらしたのだっ。


 この成功によって、日本各地に同様のゲームヘブンシティが次々と生まれることとなった。ゲームヘブンシティではゲーマー相手の雇用が生まれ、関連グッズやゲームの様子をリアル配信するシステムも成功を収め、さらには、都市で活躍するプレーヤーの戦闘に対するギャンブルまで生まれて、シティは潤った。そういったゲームヘブンシティのおかげで結果的に世界中の富が日本に集まることになった。

 そして、現在、日本はゲームヘブンシティの収益より外貨を稼ぐことで、国家財政を維持し、日本になくてはならないものになっていったのだ。


 しかし、どんな傑作のゲームはやがて飽きられてしまう。飽きられないようにするためには、より刺激が強く、また、人間の射幸心を煽るような演出も横行した。そして、ついに政府は、ゲームのためなら、多少の国民の人権が侵害されても問題はないとした。実際に先ほどの「モンガリ」もモンスターを倒すごとに入る電子マネーが現金と等価交換できるシステムに変わり、また、プレーヤーロストには多額なペナルティが課せられるようになると、そのスリルと利益を求めてさらに多数のプレーヤーが集まってきた。そのプレーヤーの姿を見ようと世界中が視聴することにもつながった。


 そんなGHCの一つであるT市は、かつては自動車産業で栄えた街であったが、今は街全体を全世界的な人気カードバトルゲームである「レディバトラーカードゲーム(通称:LBCG)」のGHCして繁栄していた。


 LBCGは、6枚の女のレディカードを中心に行うカードバトルゲームである。プレーヤーはカードの持つ特殊な力や育てることで能力を高め、自分のコマとして使うことができる。プレーヤーは、街を歩き周り、他プレーヤーとバトルを繰り広げることで、自分の能力を高めることができ、また、町のどこかにいるエネミーを見つけて、バトルを挑むことでポイントをゲットすることができる。


 プレーヤーがこのゲームで得たポイントは、1ポイント=1円で等価交換することができる。街を訪れるゲーマーは、あらかじめ、育ててきたカードを使って、この町のエネミーを退治したり、時折開催されるイベントやクエストに参加したり、この街に常駐するプレーヤー(通称:メンバー)と戦って、ステータスを上げることを楽しみとしていたのだった。


 また、その戦いの様子を世界中の人がリアル観戦して楽しんでいたのだった。


 ファンタジーカードバトルものです。まずは、プロローグで状況説明。う~ん・・・これだけじゃ、面白さが伝わらん。

で、11時と12時にも公開します。スタートダッシュ!?

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