プロローグ
今日は天気がいい。
今日学校に行くと明日から連休だ。
世間一般的にゴールデンウィークともいう。
今年のゴールデンウィークは、休日の並びが良いせいで、数年に一度の6連休なんだそうだ。まあ、今年ほど長くはない例年でも、この5月の連休は、これから暑くなるぞ~活動的になるぞ~とウキウキした感じがする。
それに加えて、このすがすがしさはどうだ。
頭上には五月晴れのさわやかな青空が広がっている。真夏の濃い青と比べるとワントーン薄い色の碧空が抜けるようにどこまでも続いている。
そんなことを思いながら、僕は数冊の教科書と弁当の入った学生カバンを自転車の前カゴに放り込み、サドルに跨った。
僕の自転車は、普通のシティサイクルだ。ごく一般的な銀色のブヂリストン製のヤツで、なんの改造もしていない。僕の性格を映しているかのようにありきたりのまじめな自転車である。
僕はこの自転車を気に入っている。
高校に入学した時に祖父に買ってもらった通学用の自転車だ。
祖父に言わせれば自転車は日本のブヂリストンかミタヤがいいのだそうだ。僕は無名メーカーの安い外国製自転車でかまわなかったが、祖父にはこだわりがあるらしい。
いずれにしろ、少々高くても僕の懐は痛まないし、一般的な高校生の僕にとって、唯一自前の長距離移動用ツールで、通学はもとより遊びや買い物など文字通り足代わりとなる自転車なので品質が良いにこしたことはない。
それどころか出資者の祖父がお勧めするのだから断る理由はどこにもない。喜んで買ってもらった。
確かに乗ってみれば友達が使っている安いヤツよりも乗り心地はいいし、長持ちしそうである。毎日使っているうちにすっかりお気に入りになった。




