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【星空の野営地にて】

遠くに小さな町灯りを見下ろしながら、焚き火のそばで一行はくつろいでいた。ふとフィビアスが、小さな手帳を取り出して読み上げる。

________________________________________

フィビアス

「“生まれつき美しい人は運がいい。歳を重ねて美しくなる人は生き方がいい”……」


フローレン

「ふふ。なかなか含蓄のある言葉ね。誰が書いたの?」


フィビアス

「街で立ち寄った書店の棚にあったエッセイから。……どう思いますか?」


シュペルク

「いや、それってけっこう残酷だぞ。“生まれつき”で片付けられたら、俺なんか最初から負け組じゃん……」

フローレン

「でも、“後から美しくなれる”余地があるってことでもあるわ。人生の顔は、歩んだ軌跡で彫られる。

誰かが言ってた。“40を過ぎたら、自分の顔に責任を持て”って」


フィビアス

「顔だけじゃなくて、言葉にも……服装にも……仕草にも、生き方がにじむんですね」


シュペルク

「……俺、今からでも間に合うかな……? 品格とか無いけど……優しさなら……たぶんある」


フィビアス

「自分で言うことじゃないですけど、それが最初の一歩かもしれませんね」


フローレン

「ちなみに、昔の王都の演劇女優には、“年齢を重ねてから真に美しくなる”って評される人も多かったわ。

心の奥行きは、見た目にはっきり出るのよ」


________________________________________

フィビアス

「……でも、美しさって誰が決めるんでしょうね。“好きな人が一番美しい”って言ってた人もいたな」


シュペルク

「それ、いいな。俺もそう思う。“美しさ”って、他人が決めるもんじゃなくて、心で見つけるもんだよな」


フローレン

(静かに目を閉じて)

「そう。長く生きて思うのはね――本当に美しい人は、誰かに優しくし続けられる人よ。

たとえ顔が変わっても、その“やさしさ”が顔に刻まれていく。……それが、“歳を重ねて美しい”ということなんだと思う」


________________________________________

火が静かに揺れ、夜風が一行のマントを少しだけはためかせた。誰かがつぶやいた。

フィビアス

「私も……そんなおばあちゃんになりたいです」


シュペルク

「俺も……そんなジジイに……なれるかな……」


フローレン

「なれるかどうかは、明日のあなたが決めるのよ。今日より、少しだけ優しくなれたならね」



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