エウダイモニア”だろ? エキストラあり
場面:夕暮れの学園中庭。ベンチに集まる4人。話題は難解な哲学へ】
ひとり(小声でノートを見ながら)
「……えっと、ソフィストたちは相対主義で、善悪や真理も時と場合によるって考えてて……でもソクラテスは、善く生きることが大事だって……」
千束(興味津々で)
「それって、魂がちゃんと善くないと本当の意味で価値がないってことだよね? うん、わかる。悪いことしちゃったら、美味しいもの食べても後味悪いもん」
圭介(眼鏡をくいっと直して)
「だけどそれを言い切るには、自分が“何も知らない”ことをまず認めなきゃいけないってのが……ソクラテスの『無知の知』か……デルフォイ神殿の託宣、今思うとかなり深いな」
夏美(口をとがらせて)
「でもね、なんか突き詰めすぎると、頭の中だけでぐるぐる回ってる感じしない? イデアの世界とか、魂の徳とか……それ、実際のお腹の空き具合と何か関係あるの?」
そこに突然、シュタルクが割り込んできた。
シュタルク(パンをかじりながら)
「お前ら、難しいこと言ってるけどさ……腹が減ったときはどうすんだよ。魂がどうとか、無知がどうとか、イデアがどうとか……で、飯は出てくんのか?」
ひとり(目をぱちくりさせながら)
「……で、出ません」
シュタルク(パンをもぐもぐしながら)
「じゃあ、俺は“現実のエイドス”に忠実にいくぜ。食うっていう形相、そしてパンっていう質料。それが揃えば、満腹っていう“目的因”が達成される。それが幸福――いや、“エウダイモニア”だろ?」
千束(目を輝かせて)
「わっ、アリストテレス! 中庸を守って、食べ過ぎないようにね!」
圭介(苦笑して)
「なるほど、パンとエイドスか。確かにお前の存在がいちばん説得力あるわ」
夏美(くすりと笑って)
「哲学って、地に足ついてなきゃ意味ないって、今ちょっとわかった気がする」
シュタルク(満足げに)
「要するに、食う、寝る、考える――バランスがすべてさ。魂だけじゃ、生きてけねえんだよ、人間は




