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第6話 剣士の方が不利...?

壁を回り込んだ瞬間、


ビシャァァァァァンッ!!


さっきと同じ音だ。目にも止まらぬ速さで鋭い稲妻が走り、壁が粉々になる。

雷魔法か!

剣士が再び氷の壁を作る。


ビシャァッ!


剣士を狙った稲妻は難なくかわされ、地面に吸い込まれるばかりだった。

剣士はフェンリルを剣で牽制し、フェンリルは斬撃をかわしながら稲妻を放つ。

剣士は壁が破壊されるたびに作り直す... いたちごっこだ。

だがどちらも動きには余裕が見える。


人としてはどう考えても剣士に加勢するべきだが、血まみれのフェンリルをこれ以上傷つけたくはない。

それにド素人の俺が割って入ることで、逆に足を引っ張ってしまうかもしれない。

...戦況が変化したら負けそうな方に加勢しよう。それが一番平和的なはずだ。


ビシャァァァァァンッ!!


また氷の壁が破壊された。すさまじい威力だ。

フェンリルの魔法は、剣士を狙う時よりも壁を狙う時の方が明らかに強い。

外見は犬だが、不思議と知性を感じさせる。

そのせいか、意図して魔法を使い分けているように見える。

しかし人間の命を奪う目的なら、剣士を全力で倒してから馬車を狙うべきだろう。


魔法...。ふと、ハムスターが火を吹いた時のことを思い出す。

魔力には限界があり、魔法は無制限に撃てるわけではない。

この戦いは、どちらかの魔力が尽きた時に一変する。

理由はわからないが、もしフェンリルがそれを狙っているとしたら―


しまった!


この状況はフェンリルにとって有利だ。

互角に見えた戦いだが、男の方は防戦一方でいずれ魔力が尽きる。

フェンリルの方が先に魔力不足になっても、角度を変えて攻められたら新しく氷の壁を作らなければならない。


どうする!?


剣士が作る氷の壁...。あれを壊すには、相当な魔力が必要なはずだ。

おそらく、何らかのステータスで魔法の強度が変わる。

【全ステータス∞】の俺にあの魔法が使えれば、フェンリルの動きを止めることができるか...?


「とにかくやるしかない!!」


狙いを定めて、手を伸ばす―






次回:決着

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