第16話 もう少し情報共有らしい
アリス様から頼まれた事案が全て王国の破滅を回避するには不可欠な物だということは、後の彼女の説明によって十分理解した。
原作において、悪役令嬢のシャルロット様がルーカスやアリス様に裏切られるとは聞いていたが、よくよく尋ねてみれば彼女は他の攻略対象にも裏切られているらしい。そもそも、裏切られて傷つくほど仲が良かったわけでもないらしいが……それはまあ置いておいて。
ほとんどの攻略対象達がルーカス側につくのに対して、ルーク様はシャルロット様側についた。
理由は作中で本人が発言しているとおり、“シャルロットちゃんが可哀想だったから” “可哀想で可愛い物が俺は大好きなの”。
何て動機なんだ…もう少しマシな言い方はなかったものか……。
アリス様的には向こう側にルーク様という見方がつくのは不都合だから、そのひねくれた性根を叩き直してやろう! という心づもりらしい。
なんかこれ略奪みたいでやだなぁ。でもそうでもしないと国が滅ぶし……うーん……。
まあ、ということでルーク様の性格矯正が1つ。
キース様の信頼を得ること。これはキース様に最終的に中立の立場を保っていたため。今後私達が原作に干渉していく際に、誤って向こう側につかないように予防線を張ろう、ということらしい。
予防線、大事だよね。備えあれば憂い無しって言うし。
味方に取り込むわけではなくて、中立を保っていて貰うというニュアンスらしいので、若干気持ちが軽くなった。それくらいだったらまあ……何とかなるかな……?
イヴァン様をこちらに取り込むこと、というのは彼もまたシャルロット様側についた人物だったから。これは外交的な問題なんだそう。
確かに今まで婚約者として支え合ってきたはずの人物を裏切って陥れて、その上冤罪で死刑に処そうとするなんて、公の場で立証されてしまうと不味い話だ。歴史上そう言うのがあったのかなかったのかという話をするならば、口を噤む他ないが。
……一応“そこそこ”とはいえ我が家も王族なんでね。
これに関しては、取り込むといえども悪いことをしなければいいだけの話なのでとりあえず後回し。
そして最難関──ドラゴンの再封印。そもそも破滅の元凶となるドラゴンは今、どこかの地底奥深くに封印されているらしく、再封印が成功すれば破滅ルートは閉ざされる。
そんな話は今まで聞いたことがないのだが……? 場所もタイミングもわからないこれが一番難しい。
アリス様とあーでもない、こーでもないと議論をしてみたものの結局結論が出るわけでもなく。ひとまずはお開き、という話になった。
だいぶ人数が増えてきたので、登場人物紹介のようなものを作るべきか否か迷っています……。
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