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残響 廻る糸車編  作者: 馬鈴薯
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49話「桃園」

「や、、、やっと着いた~」

任務を終え、チャルカ達がタイジョンの町に戻ってきたのは日が暮れてからだった。

街頭が町全体をオレンジ色に染め上げ、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。

「案内ご苦労、皆良い戦いぶりだったぞ、ガーディアンズの未来は明るいな」

「こちらこそ、あなたのおかげで命拾いしました、ありがとうございました王さん」

アレクがそういうと王は緩く微笑んだ。

「桃園で結構だ、さあ行こう」

その言葉に従いチャルカ達は再び足を進めた。

「これで通商ルートの安全は確保されたのか?」

「恐らくな、俺が入ってからもあんなに倒したんだ、多分あの地域のカミナルモノについてはほとんど駆逐されたといっても過言ではないな」

「それにしても、チャルカの剣は不思議だったよね、カミナルモノが蒸発しちゃったんだもん」

剣でカミナルモノを切ったときのあの空振るような感覚がフラッシュバックする、確かにカミナルモノは倒せたが、彼は自分の力で倒したような気がせず、どこかそれが引っかかっていたのだ。

不意にチャルカの剣を横目で眺めていた王がつぶやく。

「歴史と伝統に裏付けられたら力、、、人が検知する事すら許されない威光という訳か、、、」

「どういうことだ?」

「いや、何でもない、ハルさん達はどこにいる?」

「今は多分王宮です、俺らの部屋も王宮内に有るので一緒に行きましょう」

「その必要は無いよ、アレク」

「うわ!?」

「ハルさん!?心臓に悪いよ!」

いつの間にか背後に立っていたハルがチャルカとアレクの間に頭を突っ込んできた。

突然話しかけてきたので驚いアレクとジェシカが数歩飛び退き、ジェシカに至っては王と衝突事故を起こしていた。

「いやぁ、ごめんごめん、こんなに驚くとは思ってなくて」

「驚くとは思ってなかったって、、、少し考えればわかる事だろう、、、」

チャルカが冷めた目線を送っていることを知ってか知らずかハルは「リオとリリーもいるよ」と道の先の方を指差した。

「まったく、止めろといったんだが、、、」

「とりあえず3人とも、任務遂行と桃園さんの案内、ごくろうさま」

リリーがチャルカ達をねぎらうと、リオも「お疲れさん」と3人の頭を順番にワシャワシャとかき回していった。

「久しぶりだね、桃園」

「こちらこそ、お変わりありませんか?ハルさん」

「僕は何年だったって変わらないさ」

「それもそうでしたな」

「さて、思い出話に花を咲かせるにしろ、報告を聞くにしろ、腹が減ってはなんとやらだ、まず腹ごしらえといこうか」

そう言ってリオはすぐ近くのこじんまりとした料理屋を指で示した。

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