4話「ガーディアンズ」
「、、、さてチャルカ?この世界に関しての説明はこれで終わりだ」
チャルカにとって今聞いた話の全ては到底理解し難いことであった、大陥没、「カミナルモノ」、そしてそれ由来の技術と魔力、山の中の小国で生まれ育った彼にとって関係無かった事であった、しかし、疑問も残る。
「なぁハル?」
「ん?どうした?」
「今のお前の話だとその、、、「カミナルモノ」?は世界中どこにでもいるって事らしいが、なんで俺たちの国には来なかったんだ?少なくとも俺が物心ついてから十年位、そんなもんの話なんて聞いたことすらなかったぞ?」
「んー、、、はっきり言うことは出来ないな、、、チャルカ、何か君の故郷から持ってきたものはあるか?」
「この剣じゃだめか?」
これは国を出るときに父王から「大切なものだから」と託された物だった。
「大丈夫だ」と言った後、ハルは鞘から剣を取り出し、手をかざした、数分間の沈黙が流れる、「成る程」そうつぶやいてハルは納得したような顔をした。
「何かわかったのか!?」
「ああ、、、うん、そうだな、結論からいうと君の国には強力な護りの魔術がかけられていた、しかし、何らかの原因によりそれが弱まり、結界が破られたのが今回の事件の原因だろう、建国以来100年近くに渡りその結界に護られてきた君たちは奴に抵抗すら出来ず、ほぼほぼ皆殺しにされたというわけだ」
「そんな、、、何故破られたのかわからないのか!?」
「流石にそれは無理だ」
肩をすくめながらハルが言う。
「さて、ここからは君のこれからに関わる重要な話だ、心して聞いてくれよ?」
チャルカは無言で頷く、「いい子だ」ハルが呟く、子ども扱いされることに少し不満は残るが、別に嫌な気分にはならなかった。
「さて、先ほど説明したとおり、この地球は一度大きな崩壊を起こし、そして今も衰退を続けている、しかし人類とて指をくわえてみているだけ、というわけにも行かない、というわけで我々は「カミナルモノ」の討伐と世界を元に戻すことを目的とした組織「ガーディアンズ」を設立した」
「ガーディアンズ」小さく復唱する、「そうだ」少し微笑みながらハルが続ける。
「そこで君に問いたい、君はガーディアンズに入る気はないか?」
チャルカは驚いて目を見開いた、こんな数時間前に出会ったばかりの敵か味方かもわからない人間をそう易々と勧誘して大丈夫なのだろうか?
その疑問をハルにぶつけると彼は微笑みながら「少なくとも奴らが憎いという気持ちは共有できると思ってね」と言った。確かにもっともだ、チャルカはそう感じた、チャルカにとって「カミナルモノ」は親の仇以外何者でもない、そしてそれに対して何も出来なかった自分もまた親の仇なのだ、彼は力を欲した。
「、、、なぁ、その魔力ってのは俺にも有るのか?」
「あぁ、これほどの量と質を兼ね備えているのは久しぶりに見たな」
「!じゃあ!」
「だが今のままではとても使い物にならない」
「え?」
いつの間にか微笑みを消したハルが話す。
「君の魔力は確かに強大だだが、それはまだ磨かれていない、君はその魔力を垂れ流し続け、彼のバケモノをおびき寄せ続けてしまう、だからこそガーディアンズに入ってほしいんだ、そうすれば我々は強大な戦力を得、君は親の敵を討つ力を得る、だがそれは常に危険と隣り合わせだ、現に一週間前も「カミナルモノ」討伐に出かけたガーディアンズのメンバー5人が死んだ」
しばし沈黙が流れる、「よく考えてみてくれ」そういうハルの声が聞こえる、だが、最早チャルカの心は決まっていた。
「俺、ガーディアンズに入るよ」
「覚悟の上だね?」
「ああ」
そういうチャルカの顔は覚悟を決めた男の顔だった。
「よろしい」そういってハルは立ち上がる。
「ようこそ!ガーディアンズへ、チャルカ、我々は君を歓迎しよう」