34話「艦内」
「ハル!ユウ!ツバキ!下はどうだ!?」
「完了!」
「終わったわ!」
「右に同じ」
建造の開始から約1週間、所々当初の計画通りに行かない所や、設計図通りに行かない所がありながらも、ついに艦体を切り出す事に成功した、鋼鉄の塊が有った場所には、船の形をした鋼鉄が鎮座している、ソラは受け持ちの上部を早々に終わらせ、艦内の通路や部屋の製造に移っていた。
「よし!じゃあ艦体は完成だな!」
伸びをしながらソラが言う、ハルたちはというと、どうにか形になったことに安堵し、それぞれ大きなため息をついていた。
「艦体しか完成してないんだ、ソラ!艦内はどうなってる?」
「ん?ああ、じゃあ3人とも上に上がってきてくれ」
その言葉に従い、3人ははしごを伝って艦上にあがっていった。
広大な艦上には大小様々な大きさの穴が空いていた、そのうちの一つ、後に艦橋が設置される少し上につきだした、小さめの穴から艦内に入る。
「ねぇ、やっぱり艦橋狭くないかしら?」
「どうせ4人しか乗らないんだし大丈夫だろ」
「一応拡張出来るようにはしてるし、乗員がふえたら楼閣型艦橋に出来るように互換性も持たせてる、乗員が少ないうちは機器にすぐ手が届く方がいいよ」
ソラとユウがそれに答える、ツバキはそれに納得したような顔をして、ソラたちに続きまだ照明が無いため暗い廊下を進む。
「なんか幽霊とか出そうだな、、、」
「ちょっと!ハル!止めて頂戴!」
「カミナルモノエンジンをまだ積んでないんだからあり得ないよ」
「ユウ、その言い方じゃあエンジンを積んだ後は、、、」
「、、、あり得るんじゃない?」
「ユウもやめて!」
ツバキが悲鳴混じりに叫ぶ、ごめんごめんと謝りながらもこんなに広けりゃ普通にあるんじゃないかと思うハルであった。
「ここが恐らくはエンジンルームになるであろう部屋だ、高さ30m横幅20m縦方向には40mのスペースをとった、正真正銘この艦で最大の部屋だ」
暗くて全景はよく見えないが、音の響き的にかなり巨大な空間であろう部屋に行き着く、その迫力にツバキとハルはただただ押し黙るしか無かったが、唯一ユウだけが周りをキョロキョロと見回している。
「ユウ、どうしたんだ?」
「この部屋、こんなに広いならエンジン以外の機器も置けるんじゃないの?」
「例えば?」
「非常用の補機とか」
青天の霹靂だった、エンジンが止まるという非常事態をユウを除く3人は一切考慮していなかったが、ユウはそれも含めて考えていたのだ。
「まぁ補機といっても発電機位のものだろうね、とりあえずエンジンが完成して全電力をそれでまかなえるようになるまでは少なくとも使えるし、おいておいてもいいんじゃないかな」
「それもそうだな、、、ええと、発電機の作り方は、、、」
「小屋の理工学書の中にあると思う」
「わかった!じゃあユウとハルは配線系を、ツバキは俺と一緒にきてくれ!」
「わかったわ」
ソラに従いツバキが部屋を出る、ハルの肩にポンと手が置かれる。
「じゃあ、ハル、俺らも作業に入ろう」




