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残響 廻る糸車編  作者: 馬鈴薯
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24話「家族と夢」

ただただ真っ暗な空間にチャルカは浮いていた。

いや、もしかしたら横になっていたのかもしれないし、立っていたのかもしれない、凄まじいスピードで動いているようにも、1mmたりとも動いていないようにも思えた、そんな空間にチャルカはいた。

否、いるという事すらチャルカの主観であって実際には存在すらしていなかったのかもしれない。

自分が無限に続いているようにも、どこにもいないようにも感じられた。

不意に感覚がクリアになってくる、相変わらず目に映るのは真っ暗な空間だけだが、足は確かに固い物体を踏みしめていた。

「、、、?」

少し遠くの方に薄ぼんやりとした光が揺れる、チャルカは何も考えずにその方向に向かっていった。

「人、、、?」

そこには確かに3人の人がいた、そしてその内の1人がクルリとチャルカの方を向いて手招きをする、その顔はチャルカがよく見知った、()()()()()()()()顔だった。

「チャルカ、こちらに来なさい」

「父、、、様、、、?」

「チャルカ、どうしたの?そんな驚いた顔をして?」

「兄様!早く帰ろうよ!」

「母様、、、?チクク、、、?」

あぁ、これは夢か、チャルカはそう悟った、しかし夢だとしてもその再会はチャルカにとってどんな金銀財宝にも勝る物だった、チャルカは気がつけばその目から熱い涙を流していた。

「まぁまぁ、どうしたの?急に泣き出したりして」

「変なのー」

「チクク、そう言うことを言うんじゃない」

「はーい」

変わらない姿、変わらない声、変わらない会話、そんな変わらない日常にチャルカは今すぐ飛び込みたかった。

だができなかった、確かに彼らは変わっていなかった、少なくとも表面上は、逆に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、鍛えられた体が、戦場で培った勘が、叩き込まれた魔力がコイツ等は危険だと叫んでいた、震える手を家族にかざす、出来れば何も起こらないでくれと願いながら「化けの皮剥がれよ」と唱える、手をどかした先には3体の異形がいた。

「チィヤアアルカアアアア!!!ナニヲオオオオオ!??!!?シテルヴクユユユユ!!!?ル?」

「チヤハハナヤワヤヤヤナナ?、?・。ラ、:☆■□#;ュナムダ#。。、、?!!レ」

「ユゥゥイイイイサマアアアア!?ラ、!、、、;■■☆☆□!!#。。、、?!!レ▽◆サノハナナ????」

ああやっぱり、そう思うと同時に怒りが沸き上がってくる、奴は人の思いすら喰い物にする、チャルカはそれを身を持って知ることになった。

「ド畜生が、、、」

周りの空間に魔力を充満させる、空間が膨張していくのがわかった、そして耐えきれなくなり、空間が弾け飛んだ、チャルカの体は空中に投げ出されていた。


「よい、、、っしょお!」

ハルは何体目かのカミナルモノを切り捨てていた、右手はカッター状に変化し、それをのばすことで攻撃を可能としていた。

(にしても異様だ、普通市街地にこれほどの強さのカミナルモノがこんなにいるものか?)

丘の上の宮殿を見つめる、あの宮殿から漏れてくる魔力は確実にカミナルモノの物だろうが、その魔力に引かれて集まってきたのか?

(それにチャルカも、あの黒いのはどこに繋がって、、、!?)

ハルは自らの目を疑った、なぜならいきなり空中にチャルカが現れたのだから。

「うおおおおおおおお!!!!!!」

「っ!チャルカ!チャルカー!」

本来ならばチャルカの体は地面に叩きつけられるはずだった、しかし、彼の体は空中で急減速し、フワリと地面に着地した。

「一体何が、、、」

「チャルカ!大丈夫か!?」

心配そうな顔をしてハルが駆け寄ってくる。

「ああ、問題ない」

「それなら良かった、、、」

「にしてもまるで夢みたいだな」ハルが呟く。

「それだ!」 

「は?」

「ここは多分夢と現実の境界線が曖昧になっている、さっきハルが戦ってたのはカミナルモノではなくて住人の夢の産物だろう」

「じゃあ僕らは毎晩あんなのと遊んでるってのかい?」信じられないとばかりにハルがいう。

「多分魔術を使わなくても使ってるようなことが起きるのはそれが原因だろう」

「なるほど、それなら話は早い」少し考え込んでいたハルが話す。

「早いか?」

「早いさ」

「チャルカ、手を」さしのべてきた腕を握る、「目を閉じて」という言葉に従い目を閉じる。

「良いかい?チャルカ、夢の中では彼らは好き勝手できるが、それは我々も同じだ、夢とは何でもありだからね」

「もう目をあけても大丈夫だよ」その言葉と共に目を開ける、そこは建物の中だった。

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