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残響 廻る糸車編  作者: 馬鈴薯
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17話「封印」

右手を開いたり閉じたりしてみる、痛みも違和感も無かった、元からそこに付いていたかのように、そしてさっき狼の頭のように変形していた事など無かったかのように右腕は胴にくっついていた。

その時、ハルは自身が人間でなくなってしまった事を悟った、その瞬間、彼の本名は封印され、ハルという新たな名が彼を形容するようになった、それはある意味彼、○○○○の死であった。


「それが「大陥没」の時に起きた全ての事だ、その後すぐに力を足に流せば飛べるようになることや、自分の想像したことが物理的に有り得ないことであっても起きるということがわかった」

「、、、なんか思ったよりも重かったな」

「基本的に「悲劇」と呼ばれる事態にリアルタイムで遭遇したんだ、こんなものだろ」

「それで?家族は?」

「、、、死んだよ、陥没に巻き込まれてね、僕は家族や友人だけで無く故郷さえ失うことになった、まぁ流石に途方に暮れたよね」

「だろうな、、、」

沈黙が流れる、気まずさに胸が潰れそうになる、恐らくハルも同じだろう、知られたくなかった事実を知られてしまったのだから、改めて名刺に目を落とす、何度見ても同じ5文字が並んでるだけだが気を紛らわすぐらいの効果は有った。

意外にも先に口を開いたのはハルだった。

「チャルカ、こんな呪われた体を持つ僕だけどこの先も一緒に旅をしてくれるかい?」

いきなりそんなことを問いかけてきた、いきなり過ぎて一瞬唖然とするがすぐにニヤッとして「もちろん!」と言う、その時のハルの嬉しそうな顔をチャルカは終生記憶に残しておくのだった。

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