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残響 廻る糸車編  作者: 馬鈴薯
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13話「回点」

ズ、、、ズズゥゥゥゥゥン、、、

「!?」

ハルが最早数えるのすら億劫になるほどのカミナルモノを倒し、そして今もまたそのカウントに新たに一つ加えた瞬間、爆発音が聞こえてきた、しかもチャルカがいると思われる方向から。

(まさか、、、チャルカに何か有ったんじゃ、、、)

この山には数こそ多けれど、低級のカミナルモノしかいない筈だが、何事も例外というものは存在する、それは時に神ですら例外が発生するのだからこの山みたいな場所では尚更だろう。

(ひとまずチャルカと合流しなければ)

「大事無いと良いんだが」そうつぶやいて足に力を入れる、次の瞬間、そこに彼の姿はなかった。


「こっ、、、これ多分特異魔術だよな、、、?」

「マジか、、、」と呟きながら未だ手に握られたままのバズーカを見つめる、何はともあれ強い敵を何もない所から出現させたバズーカで撃破したのだから特異魔術が発現したと考えるのが普通だろう。

「チャルカーッ!」

ハルの声が聞こえる、今の音でびっくりしたのかその声には隠しきれない焦りが滲んでいた。

「ハッ、、、ハルッ!ハルーッ!」そう叫びながら手を千切れんばかりにブンブンと振る。

「チャルカッ!大丈夫か!?」走ってきたのかハルの額には玉のような汗が滲んでいた。

「ハル、俺は大丈夫、それよりこれ!これみてくれ!」

「?バズーカ?どこでこんなものを?」

「これ!俺が出したんだよ!」

「君が!?」驚きの表情を見せ、手を口に当てて考え始める。

「成る程、どうやらチャルカの特異魔術は物質の錬成とその加工のようだね」思ったよりもクールな反応が返ってくる。

「物質の錬成と加工?」

「そう、しかも君はその二つを同時に行える、限り無く最強に近い特異魔術だ」

「ちょっと何か出してみてよ」そう言いながら目の前の切り株に腰を下ろす。

「わっ、わかった」そう言いながら出したいもののイメージを固める、ここは単純にナイフか何かで良いだろう。

「、、、ハイッ!できた!」そういうチャルカの手には一本のナイフが握られていた。

「素晴らしい!」拍手をしながらハルが叫ぶ、「今まで何人か魔術師を見てきたけど、こんなスピードで特異魔術が発現するのは初めてだ!」そういいながらチャルカを見つめる。

「そう言えばどうして特異魔術が発現したんだい?」

「あぁー実は、、、」

状況を説明するうちにみるみる表情が険しくなり、話し終わる頃には凄まじい形相をしていた。

「すまない!チャルカ!僕のリサーチ不足のせいで君をこんなに危険な目にあわすなんて、、、」

「いいんだいいんだ、そのおかげで特異魔術(コレ)も発現したしな」

「ホントにいいの?」「いいっていってんだろ」そんな会話をしながら笑いあう。

「あ、チャルカ、それ消したりできる?」

「へ?あー、えーと、消えろ!」その瞬間、バズーカもナイフも光の粒子となって消えていた。

「今のでまさか消えるとは、、、」「どうやら消すことも出来るっぽいね」お互い全く違う感想を述べながら光の粒子が消えゆくのを見つめる。

「よし!じゃあそろそろ撤収しようか!このあたりのカミナルモノは大体狩ったぽいしね」立ち上がりながらハルが言う。

「ああ、少し待ってくれ、あ、なぁハル、この後道中有った街で晩飯にしないか?」

「ん?あぁそれもいいかもn

刹那、ハルの身体が宙を舞う、生暖かい血がチャルカの頬にベットリとつく。

「ハ、、、ル、、、?」

嫌な予感がしながらも後ろを向く、そこには()()()()()()()()()()()()()()

「ッ!」息が止まる、何が起きたのか、彼には理解出来なかった、そして更に彼を混乱させることが発生する。

「Hello boy ご機嫌いかが?」

バッと後ろを向く、そこには月を背に怪しげな笑みを浮かべた男が立っていた。

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