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Why not?

掲載日:2021/06/16

納屋で寝ていた。


ゴミを投げ込んでくる隣家を監視するためだ。


立証責任と言えば聞こえは良いが要するに被害者側が証拠を提出できなければ嘘つき扱いされる。


もっとも証拠があっても裁判所はお役所なので前例(判例)がなければ勝てない。


証拠も判例もしっかり揃っていても裁判官が頭おかしかったら勝てない。


縦しんば勝ったところで頭のおかしい相手が判決に従うことはない。


更に被害者が受け取る賠償金よりも弁護士が受け取るギャラのほうが何故かいつも多い。


泣き寝入り以外の有効な交渉術は未だに発明されていない。


だけど秒でそれはあまりに悔しい。


やれることをやり続けることで世の中は少しずつ変わっていくのだ。


監視カメラを設置しようにも境界線付近の微妙な場所では難しい。


しかし今夜は大丈夫そうなので母屋に戻ってみると午前3時だった。


カーチャンが誰かのために食事の用意をしていた。


オレが自分の炊飯器を洗っていると変なイジり(からかい)を仕掛けてきた。


無視すると余計執拗に絡んでくるのだ。


本州に来て都会の変なお笑い番組を見ているうちに人格が変わってしまった。


箱の中の封筒の中には紙が入っていた。


とてもイイことが書いてあった。


あまりにイイことが書いてあったので持ったまま街に出て読み返していると雨が降ってきた。


慌てて近くのホールに逃げ込んだ。


学生グループが合唱していた。


男子学生がソプラノを披露して喝采を浴びていた。


オレも試しに裏声で歌ってみるとイイ感じに声が出た。


よーし音大入ろう!


ホール奥では願書が配布されていた。


列に並ぼうと思ったときハッとした。


オレは来年で50歳になるジジイだった。


さっきのソプラノ歌唱もたいして上手くないのにウケていたのは若くて可愛い男の子だからだ。


オレは凹んだが理解した。


いくらこれからは一生学びだと言ってもあまりの無茶は冷や水だ。


気がつくとオレは学習室に居た。


何かやっぱりこの年になっても学んでいたいのだ。


ゆいっちがいた。


熱心に英語の勉強をしていた。


(あ!ゆいっちだ!)


でも今はプライベート、ゆいっちウェ~~イとかいって邪魔をしてはいけない。


オレは自分の席で自分の勉強していた。


後ろから両肩を両手でポンっと叩かれた。


「問題の出しっこしてくれへんかなぁって」


Why not?


断る理由など無い。


ゆいっちのテキストには誤植があった。


几帳面に書き込んで修正してあった。


きれいな字だった。


イイところを見せようと力んだせいか得意とする文頭からの瞬訳ができない。


「パーラメントを掴むことだね」と言った。


この「パーラメント」を「要点」だという意味だとそのときのオレは思っていた。


するとゆいっちが「議会ってことやね」と言った。


オレは「それはイギリス英語でアメリカ英語だとコングレスだね」と言った。


ゆいっちの握手会ではいつもとても素敵なコスメの香りがする。


だが今こうして隣にいるゆいっちからはムン!と香り立つ汗の香りがした。


きっと稽古の合間だったのだろう。


ゆいっちは今回の舞台に賭けているのだ。


軸足を徐々に外仕事へと本格的にシフトさせつつあるゆいっち。

女優山本スーザン結衣への道を着々と歩んでいる。

それは嬉しい。

だけどアイドルゆいっちももっと見ていたい。


アイドルの季節は短い。


最近は寿命が伸びたと言われるがやはり青春を激しく輝かせるのがアイドルなのだ。


目が覚めた。


まっさきに辞書を引いた。


パーラメントのスペルがわからない。


Congressで調べると関連語としてParliament(英)と出てきた。


ゆいっちに嘘を教えていなかったのでホッとした。


それにしてもParliament と書いてパーラメント、やはり英語は難しい!!


ちなみに日本の国会は Diet というらしい。

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