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欧州骨董買付帳  作者: ふくろう亭
集荷
39/40

39 これから

 優柔不断とはこういうことか。なさけないことだが私は何も決断出来なかった。一週間ほど悩んだ挙げ句出した結論は「もう少しこのままでいさせて下さい」というものだった。

 「まあそんなところか」

 あまり意外でもなさそうな反応だった。

 「お前は今ひとつ欲がないからなあ、ここの身代譲ると言われて普通は断らないだろう。ひと財産あるぞ、争いごとが起こるぐらいにはな」

 「そんな物騒なことが有るんですか」

 「まだ何もないさ、今はな。あと二三年かな、ややこしくなってくるのは」

 親方は十年程前に奥様を亡くしてからずっと独身のままだ。男手ひとつで一人娘をこの前無事に成人させた。都心というわけではないが一応二十三区内に店と倉庫を土地付きで持っている。商売は順調で資産は豊富といって良いだろう。江戸時代からずっと続いている家系らしくて親戚縁者なんかいくらでもわいてくるらしい。

 なるほど、揉め事は確実にやってきそうだ。

 「あーやだやだ。厄介事は全部お前にまかせて外国ぐらしと行きたかったのになあ」そんなこと企んでいたんですか。

 「冗談だ、九割方はな」ああ、眼が笑ってないわ。

 しばらくして私は渡英した。

 今まで通りの生活に戻るために。 

 そして買付け旅行に再び出かけるために。

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