森の探索
2話目〜
「はっ、はっ、はっ!」
お気づいだろうが今現在慣れない森を全力疾走という大変愚かな行為をしている…何故こんなことになったのか、そこにはある理由がある!
ここは森の中、そう森の中だ。範囲や大きさによっては狐に狸、猪や熊なんかがいるかもしれない。それらを考慮するなら、慎重に警戒して然るべき。
もしそれらを怠るというミスをし、ましてや大型動物なんかに見つかってしまったなら自分を責める他ないだろう。
… が、今回の探索において自分はなるべく足音を立てず周りの音に常に注意を払い…えぇい!まどろっこしい!簡潔に言うぞ!
ゴブリンだ!
そう、あのアニメヤラなんかで見るヤツら。驚いて声を出してしまった自分をだらが責められ用か、いや出来まい!!
「くそっ!何処まで負ってくる!」
ゴブリンは形容しがたい棍棒のような物を携え襲ってくる。弓などでなかったのは救いだが…。速さはほぼ互角、こちらが木にぶつかりそうになるのに対し、奴らは全く減速せずに追ってくる。
その数は3匹…匹という単位で良いのか?
違う、どうでもいい!身を潜めるのが先決だ!この状態でオークやらオーガやらに見つかったら間違い無く死ぬ!
…あのゴブリン共が突然変異でここが異世界でない可能sうおっ!?
「棍棒投げんのかい!?」
ぬかった!投擲があったか!!だが奴らの残りの棍棒は二本、避けることは可能!
…そう思っている時期が私にもありました。
「なんで、棍棒がひとりでに戻ってくんだよ!」
確定した、異世界で間違いない。ひとりでに動き出す棍棒をゴブリンの様な生物が持つ世界が元の世界であっていいだろうか、いや無い。
それから一つ、体力には自信が無い自分。体力だけには自信がない自分。ここまで書けばお分かりだろう。
体感時間ではあるが、およそ五分間走り続けた私をどうか褒めてほしい。
「もう無理!ヤバイ!マジぱないから!」
ぱない…なんて言ってるのでやばさが伝わってくれれば幸いだ。
「っ!?」
洞窟、そこにあるのは岩肌がコケで覆われた大きな穴。
選択肢は2つ
一つ、横に曲がる
一つ、穴が向こうに通じてると信じて突き進む。
ゴブリンが速いのはあくまで素人には走るのに適さない森の中。洞窟であるならば、湿気で滑りやすいのに気をつければ差を広げることが可能だろう…。
「賭けよう…。どちらにせよ体力切れで死ぬか、洞窟が行き止まりで死ぬか。その、どちらか。」
都合よく助けが入る、そんなのは自分の体力を考えて無理だ。もってあと5分、ならば賭けるだけ!
「命を燃やせ!」
捨て身の全力疾走!進めば進むほど暗闇で視界が奪われていく…
''ぼふっ!''
壁じゃない…。もふもふ、もふもふにぶつかった!
『我の眠りを妨げし者は誰だ』
返答を間違えば死ぬ。恐怖はなく、絶望感もなくただ冷静に思考を続けた。
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