出会い
試しで書いてます
15年前ぐらいに書いてた奴なので楽しんでもらえるといいな
1月4日23時半頃に誤字系を2か所修正。大幅修正するかも?
5日8時頃に手直し数か所。肉付け無し版だとここまでかな
21日23時頃に数か所修正
23日21時頃まで修正
28日に出会い(改)へ、以降の修正はそっちに
戦場となった田んぼの中に1人の鬼が座っていた
その鬼は紅にその身を染め、周りには数十の死体が散乱し、地面には何かでえぐったような跡も見える
戦闘はすでに終わり、近くには生きてるものの姿は無かった
そこに1人の男が酒樽を抱えてやってきた
「よう、気はすんだか」
その言葉に、鬼は面を上げる
「ここもそろそろ次の作付けの時期にはいるんだ、できればどこかに移動してくれねーかな?
一応酒も用意はしたがな」
低い声がそれに重なるように
「お前は怖くないのか」
と問いかける
「もちろん怖いが、こっちは次の作付けしなければ年貢も納められねー
この地の長としてはそれも大事だ」
「殺されても?」
「そこは運だな、一応酒は樽で用意しといたし
戦場もすでに山の向こうに移動して終了したようだしな」
「耳が速いな」
「ここら辺の長といっただろ、情報だけならな。っと」
ドスンという音とともに酒樽が鬼のそばの地面に置かれ、その横に胡坐をかいて座り、懐から木製の茶碗を2つ取り出して笑う
「あんたが乱入したお蔭で奪われずに、無駄にならずに済んだ酒だ
話ができるなら酒でも飲もうや」
少し強引に茶碗を持たせると樽を腰にあった小槌で開ける。その強引さに面をくらっていた鬼も、これには苦笑を返すしかなかった
「血まみれだぞ」
「流石にひしゃくまでは用意できなかったが、すくえないわけじゃない」
男は樽に茶碗を突っ込みすくい、朧の方に軽く乾杯する
「うまい酒は良い景色があれば、つまみになるものさ」
そういって顔を横に向け、死体が散乱してるが奇跡的に散らなかった1本だけの桜に向けてワザとらしく乾杯する
「頂くか」
とぼそりとつぶやいたかと思うと、樽に茶碗を向け。それを一気に飲み干す
そうして始まった宴は邪魔も入らず1昼夜続き、いつの間にか2人は消えていった
男は九龍玄史。鬼は朧雲海
この出会いから数百年後に1つのお話は始まった
学校も終わり、いつもの寄り道コースを3人で巡る。ただ期末試験が終わって気が抜けたか、カラオケまで行ったのが運の尽き。気が付いたら外は暗く、出た時点で20時をかなりオーバーしていた
もう1軒と親父みたいなことを言う連れに別れを告げて家路を急いだ
近道の神社と貯水池の間の坂を走りぬけて、家には後少しの暗いT字路に差し掛かった時に横からすごい勢いで来る何かにぶつかりかけた
「お姉、追撃は勘弁してよ」
とっさにバックステップして躱したはずなのに、なぜか右腕のガードにラリアートが当たってもたれかかられている
後、出来れば聞こえてほしくない数人いそうな足音が、異様に静かなたたずまいに響き
「あっちだ」
と叫ぶ声とともに、向うの角に数人の男たちの姿が見える
ため息交じりに
「何斗飲んだの?」
「失礼ね、そこまでは奢らせてないわよ」
その言葉とともに鋭い前突きが、とっさにしゃがんだ頭をかすめるように通り過ぎた
「なんでここまでに撒かなかったの?」
「思ったより人数がいてね」
「手は出してないの?」
「貴方以外に使えばどうなるかわかってるくせに」
そのころには周りに2桁の少しガラの悪いお兄さん方が集まり始めた。まあ、割とテンプレの人たちみたい、ゼイゼイと肩で息をしてるのも入れて
「できれば早く帰りたかったんだけどなぁ」
といいつつ両手首を軽く振り、脱力のためにその場で軽くジャンプを数回する
呼吸が治った数名が僕たちの方に不用心に近づいてきて
「ナイト気取りかな、僕?」
その瞬間近づいてきていた3人がほぼ同時にひざから地面に倒れこむ
「誰が坊やだ」
はい、切れてませんよ。お腹狙ったけど、ちゃんと手加減してあるから、3人とも口から血も流れてない
まだ成長期の144㎝は小学生と間違えられやすいが、れっきとした高校生1年生
愛くるしい顔で笑えば上級生には受けもいいし、わざわざ術式を使わなくてもお腹を軽く殴るだけで大抵崩れ落ちるからすでに校内では敵はいない
さてと、頭の人は誰かなと少し見渡すと、正面に気合の入った人が1人いる。驚いてるのは隠せないみたいだけどね
まあ、先制攻撃は成功ってところかな。2桁いると3人程度脱落してもまだ面倒だけど、何されたか見えてないだろうし、脅せば何とかなるかな?
「九龍和真の名を知ってるなら、ここら辺で手打ちにしない?」
「また黒い顔でぬけぬけといえるわね」
天使のような微笑みを浮かべてしゃべった言葉に、小さくお姉がつぶやくのが聞こえたが無視、無視
顔を崩すと雰囲気壊れるだろ
山さん(全国規模のテキヤのボス、下手なやくざじゃあ相手にならない。まあ同類という説もある)辺りの配下ならば逃げてくれるかな?と様子見るが
まだしっかりこちらをにらんでる頭?的な人が3mほどの位置に、腰が引けていても4m程の位置でまだ数人が踏みとどまっている
脅し足りなかったかな?と思ってると角の方からさらに2人新たな人影がこっちに向かってくる
その姿を見て自然に道を空ける雑魚数名
「なんであの野郎がここに来るんだ」
と忌々し気に吐き捨てる頭?的な人
これは困った、明らかに新しい人影から漂う雰囲気が普通と違う
早く帰りたかったのにな
ふざけたことを考えつつどう動くか迷ってたのも事実、何しろ人数は圧倒的にあっちの方が上なんだもんね。倒しきるにはやっぱり時間かかるし面倒
そうつらつら考えてたら、突然意識がはじけた
周りの色が変わり、音も変わり、空気が変わる
知らなかったことがわかり、見えなかったものが見える。圧倒的な情報の渦
と同時に体の節々も痛みを訴えてくるし、服が体を締め付ける
痛みが伴うほどの成長で服が小さくなってきて締め付けてる?
一時的になら、この知識でサイズは変えられるけど、長引くと面倒
この世界とは異なる語源からなる祝を唱えて、体の痛みと服を調整する
音はちゃんと出てるし、しばらくなら問題は無いな
と周りを見ると目線の高さがまだ変わってる
かけた祝が無駄になるほど大きくなるとまずいんだけどとかぼんやり考えてるとやっぱり制服からピシって音が1つ2つ
これ以上は服の原型が変わるまで大きくしたのにだめか
しかたない、制服はあきらめよう。そう決意して新たな祝を唱える
冬服だった制服の形は大きく変わり厚めのチョッキとハーフジーンズ系に
腕と足が多少出てたけど暑くて仕方ないのでよしとしよう
「意識も失わずに同化するか」
いつの間にか2メートル程の位置に朧雲海が立っていた
全ての術式や知識はこの存在から伝授され、それから3百年以上は交流が続く
僕が生まれた時もその場に立ち会い、封印を施した存在
さてと、今の状態で相手になるかな?
乾ききった唇を下で舐め、どの程度緊張してるかはかる
魔神にすらダメージが入った白い炎なら問題ないと思うが、あれは3ターン(約45秒)ほどの祝がいるし
というか魔神はどこ行った?目の前にいたはずだが、後味方も?
魔神がいたと思われる場所にはちょうど頭と思われる奴がいるが、それ以外にも10人ほどがまだ無傷でそれほど広くない通りをふさいでいる。が、この程度なら放置しても問題ないか。問題はやはり朧とその後ろの女性か、魔神と同等かそれ以上の存在として感じられる
後ろのもかなり強いがお姉だし
以上が魔力感知を使っての状況確認
自分の状況を確認したくて左手に意識を集中して溜め無しの炎を出してみると、色は青白く輝いていた
魔力が、能力が桁外れに上がってる?
「自分が誰かわかるか?」
「僕は・・・」
あれ?九龍和真であるのは間違いないのに、神代の魔神討伐隊の隊長ベーズ=イルフィーでもある事も間違いない
とりあえず、切りと文字数で切ってみました
更新は出来るだけ一定間隔で行うつもりですが最初は1週間程度を予定(早まるかもだし遅くなるかも