表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

武器ってやっぱり男の浪漫だよな

お久しぶりです。


「…よし、次も勉強だ」

「またかよ!?」


しばらくして泣き止んだシャルルが頷く。もう無いと思ったのに。


「念の為だ。お前が相手から逃げたり攻撃を防ぐ為の力を与えなくてはならないからな…」


そして思いっきり抱きしめられてキスされる。


「んーっ!んんーっ!!」


(ってか強い!長いぃっ!!)


こっちがパニクっているのなんて全く気づかず、シャルルはキスに没頭している。


「…………ぷはっ」


十分以上して、ようやく開放された。


「うん、これで魔力補給は十分だろう」


(し、死ぬかと思った…)


シャルルは力がめっちゃ強い。しかも多分コントロール出来て無いんじゃないかな。


「お前は人間の体ではあるが、その魂は死神だ。つまり魔力さえあればお前は死神最大の武器である鎌を呼び出せる筈だ」

「呼び出すってどういうことだ?」

「ふむ、例えば…」


シャルルは右手を突き出して呟く。


『我が呼びかけに応えよ、グングニル』


シャルルの手の上に、細身の槍が現れた。うわ、めっちゃかっけぇ。RPGに出てきそうだ。


「グングニルって…オーディンの槍じゃなかったか?北欧神話の」

「ん…まあ、な」

「…マジか」


シャルルはぎこちなく頷き、何とも夢の無い説明までしてくれる。


「こちらではあれは神話になっているらしいが…実は魔族の演劇大会だ。先代魔王を喜ばす為の余興のな。ちなみに他の神話も同じだと聞いた。…後でこっぴどく叱られたらしいがな」


余興って…どんだけ暇なんだよ魔界の人!!


「この武器はその時献上されたらしいが…まあしかし良い武器であることに変わりない。見目も綺麗だしな」


そう言ってグングニルを消した。


「まずは試しに…そうだな、エクスカリバーを呼び出してみろ」


エクスカリバーって試しに出すような物なのか!?おかしくね!?


『では死神…私の目を見て』


シャルルの左目に浮かんだいつもの紋様を見つめると、一本の剣が頭の中にイメージされた。


「…これか」

『ああ』


シャルルは左目を元に戻す。


「呼び出しには魔力と契約者の言霊が必要になる。まあ魔力は大して使わんがな」

「そうか、じゃあ…」


シャルルがさっきやったのを真似して右手を突き出す。


「わ…我が呼びかけに応えよ、エクスカリバー」


 シーン…


「…あれ?」

「それではダメだ。きちんとエクスカリバーをイメージしないと。あと言霊はニュアンスが合っていれば言いやすいように言ってくれて構わない」

「わかった」


エクスカリバーを精一杯頭の中に思い浮かべて、もう一回やってみる。


『オレの呼び出しに応えろ、エクスカリバー』


次は上手くいった。オレの右手は大振りな剣を握りしめていた。


だけど…


「重っ…」


 ザクッ


思わず取り落としてしまい、床に突き刺さった。


「…どうすんだこれ」

「とりあえず戻れと頭の中で命令するんだ」

「おう」


(戻れ)


とりあえず剣は消えたけど、床が…


「…どうしよう、シャルル」


ヤバい、叱られる。瑠璃にグチグチ言われておふくろに雷落とされて親父に殴られる!!


パニクるオレに、シャルルが天使の微笑みを浮かべた。


「直してやっても良いぞ」

「マジか!!」


それは嬉しいけど、シャルルの言葉がなんか引っかかる。


「ああ…キスしてくれたらな」

「いや…それは…」


躊躇うオレに、今度は小悪魔めいた笑みを浮かべるシャルル。


「良いのかな〜。床に穴なんて開けたのが分かったら、怒られちゃうんじゃないかな〜」

「ぐっ…」


畜生、痛いところ突いてきやがる。


「でもキスは…」

「じゃあ今日の晩、一緒に寝るのでも良いぞ、死神?」


シャルルの目がキラキラしている。


「な、良い考えだろう!?」

「うっ…」


こんなにも純粋かつ無邪気な目で見られるとどうにも…


「わ…分かった」

「嬉しい!!」


シャルルはオレに抱きついてきた。そして一瞬で床は元に戻った。


「死神、腕まくらだよ?もちろんぎゅーってしてくれるよね?」


口調が女の子っぽくなった。…めっちゃ可愛い。


「お、おう、してやる、いっぱいしてやるよ」

「じゃあ夜伽も?」


取りあえずシャルルから思いっきり離れた。


「ダメだ!どさくさに紛れてとんでもないこと言うな!!」

「むぅ…」

「そんな顔してもダメだからな!!絶対絶対ダメだからな!!」


シャルルの頬がぷくっと膨らんだ。…畜生、お前の前世はリスかっ!!


「お前ぐらいの男が思春期というのを私は知っているぞ。異性と肉体関係を結びたいお年頃なのだろう?だったら…」

「ダメだって!」

「…さっき私を押し倒したい思っていたくせに」


冷や汗が再び噴き出る。


「な、死神…私の体はお前もの、好きにして良いんだぞ?」

「するかっ!」


シャルルにすり寄られてまた慌てて逃げる。


「………ちぇ」

「こらっ、“ちぇ”って言うな!」

「…むー」


シャルルがまた膨れた。何なんだよこいつ…


「一緒に寝るんだからもうそれで良いだろ?な?」

「…わかった。譲歩する」


シャルルは若干不機嫌そうながら抱きついてきた。


「そうだ…お前の鎌の呼び出しをすっかり忘れていたな」

「今さら!?」


シャルルはその言葉を無視してまた手を翳す。


「…しかしこれは難しいのだよ」


シャルルの体から赤いオーラが立ち上って、その翳された腕に纏われる。


『我が呼びかけに応えよ、デスサイズ』

「おー」


禍々しい赤黒いオーラに包まれたやたらめったら厨二チックな鎌がシャルルの手に握られている。が…


 バチッ!


「おいっ!大丈夫かっ!?」


バチバチと何かが弾かれているような音がして、シャルルの腕が爛れていく。


「ああ、問題無い」

「いや大有りだって!」


シャルルが鎌を消すと、爛れた腕が再生していく。


「…ほらな」


シャルルはちょっぴり自慢気に言ってオレに寄りかかる。


「まあ鎌はお前の魂のようなものだからな…いくら妻であり魔王である私といえども、容易に扱える代物ではない」

「?…他人の武器も呼び出せるのか?」


シャルルが気難しい顔をして首を振る。


「いや、私とお前は契約をしているから出来る。現にさっきお前が呼んだエクスカリバーは私の所有物だ」

「そうか。…とにかく、あんま無茶すんなよ。綺麗な手に傷が付いたらどうすんだ」

「綺麗…」


 ぼふっ


なぜだかシャルルの顔が真っ赤になった。しかもなんか擬音的なものが聞こえたような…


「ん?どうした?」

「ううん…私は幸せだ」


…よくわからない。


「…と、もう昼か」

「死神…ふぁーすとふーど食べたい」

「わかった、行くか」


シャルルは笑って制服に一瞬で着替える。今日もセーラー服に。どうやら気に入ったようだ。


わざわざ立ち上がってその場でクルリと回り、こちらを見て小首を傾げる。


「死神、行こう?」

「ああ」


…そしてまたシャルルが大食いなのを忘れてシャルルに奢られてしまった。


だってハンバーガーを20個も食う上ポテトも5個も食ったんだぜ?





…あ、デスサイズ呼び出すの忘れた。


誤字・脱字その他感想がありましたら、よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ