18話 しゅうせんです。
「っ・・・やぁぁぁ!!」
気合いのこもった声と共に魔力を全開放する。
『っ・・・流石に凄いわね・・・。でも、これだけあれば・・・』
朱雀が期待の眼差しで見ている――気がする。
でもね朱雀。これでぎりぎりアウトなんだよね。口が裂けても言えないな~。
「・・・そう、ね・・・これで頑張るよ。」
全開放した魔力が尽き掛ける、が・・・四神達に気付かれない様に放出する魔力の量は減らさない。
魔力は云わば生命の源。それを尽きてもなお使い続けるということは――。
・・・死を意味する、と。でも私は・・・
「・・・頑張るよ。」
そして私は命に炎を灯す。
フェノ様の放出する魔力が一気に増えた。
「す・・・すごいですね・・・。」
メリーが隣でぼそりと呟く。
戦っている最中なので返事は返せなかったが僕もメリーに頷いて同感する。
最近の魔王様は――特に今日の朝の魔王様は様子がおかしかった。でも今はふっきれた様な様子だった。
朝は心配だったが、今の魔王様なら凄く安心出来る。
でも、何故か嫌な予感だけは未だに消えない。
急に魔王様が居なくなるような・・・そんな予感。
「・・・?」
魔王様の魔力がまた大きくなった。
そして魔王様は今までにないくらいの大声で叫ぶ。
「う、わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
それがいつの間にか悲痛なうめき声に変わった。
「う・・・ぐぅぅ・・・あああぁぁ!!」
「よ、様子がおかしいわ。ユウ・・・どうすれば・・・。」
珍しくメリーがうろたえるがそれも当然の反応だろう。現に僕も焦っていた。
「と、兎に角一度魔王様のところへ――」
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ぼわぁぁぁん!
「「「!!」」」
勇者の――フォルトが全力で抑え込んでいた『歪み』が一瞬にして消えた。
それと同時に今まで虚ろな目で戦い続けていた魔獣の軍隊が壊れた人形の様に倒れだす。
「こ、これは・・・」
「おお、流石魔王だな! これでこの戦争もやっと――」
「待って!」
フォルトが歓喜に声を張り上げようとするのをメリーが止めた。
「な、何だよ・・・人が折角喜んで――」
「魔王様が・・・フェノ様の様子がおかしいわ!」
「「え?」」
その声に反射的に従い魔王様が居るであろう場所を見る。
刹那――魔王様が・・・フェノ様が急に倒れこんだ。
「「フェノ様っ!!」」
メリーとほとんど同じタイミングで走りだし、魔王様のもとへと向かう。
嫌な予感が更に大きくなる。
何故・・・?戦争はもう終わりなのに・・・。何故魔王様が倒れる?何故嫌な予感が、無くならないんだ・・・・?
「・・・っ!」
どうか無事でいてください!
僕達は、まだっ――!!
『・・・ごめんなさい。』
フェノ様の声が聞こえた気がした。
終わりが見えてきました。。。




