17話 ちがいますから。
『歪み』とは、いわば世界の欠点――穴、だ。
フェノはその穴を消す――壊そうと魔力を使った。
例えば、落とし穴を壊すには周り土ごと壊す必要がある。
『歪み』でいえば、世界の理ごと壊すことになってしまうのだ。
だから、『歪み』を関連して関係のあるフェノにもダメージが届いた。
ならどうすればいいのか。
簡単な事だ。
穴を埋めればいい。
負の性質の『歪み』を正の性質のもので・・・。
フェノは魔力をその正に性質に変えて『歪み』に向かわせた。
それなら『歪み』を1、壊す魔力を10としていた力関係を、『歪み』の1に対して埋める魔力も1で済む。
セイランを助けた時もそうだった。フェノは無意識に『歪み』という穴を魔力で満たしていた。
とはいえ、『歪み』を埋め尽くすには魔力が足りない――
「っ・・・くぅ・・・」
私は震えた声を出す。
『歪み』の核的存在は今のところ全部で四つ。北は既に解決済みとして・・・東、南、西――そして、魔大陸の中心である魔王城のここ。
東にはレーノとミニ、南にはルカとレクト、西にはランフォンが居り、彼らを通して私の魔力を送っているのだ。
・・・やっぱ、きつい・・・グリムゾンは同時にしないと駄目っていうからやってるけど・・・
あー・・・無理。魔力が足んない・・・。
既に私は諦めモード。
や、諦めるつもりはないよ?ちょっと萎えてるだけだし。
「う・・・っ・・・・。」
さっきフォルトに言おうとして噤んだ言葉が頭の中を駆け巡る。
『・・・ああ。言いたい事はいっぱいあるが、それは後にしてやるよ。』
『ええ。その時には・・・』
その時には、私がどうなっているか分かりませんけどね。
「・・・」
例え『歪み』の対処法が分かって、ふっきれたとはいえ魔力が足りないのは変えられない事実。
だからどうなるかは分からない。
にしても・・・まだかな・・・。そろそろ来るころだと思うんだけど・・・。
『・・・力を貸そうか? フェノリネア。』
頭の中に声が響く。
来たか。遅いんだよ白虎?
『誰のせいだと思っているのよフェノリネア。 力をほとんど失っている私達の精神を存在消去しようとしたのは貴方でしょう!』
朱雀の怒っている様な声に苦笑する。
「はは・・・ごめんなさい。 つい。」
『つい、って・・・フェノのバカァ~。本当に死ぬかと思っちゃったよ~!』
セイランの声。 あの夢から姿が見えなかったがちゃんと生きていた様だ。
よかったよかった。
『ひゃっはーーー! それでフェノリネ――』
「んじゃ、力貰うね。」
『む! 無視とは・・・根に持っているのかぁ!? くっはははは――う、ごほごほ・・・。』
むかつく・・・玄武の声。
相変わらずの様で。
でも、こいつが言おうとしていたことは今の私には分かる。
だからこそ照れくさくて無視しちゃうんだろうな。
『・・・ほほぅ・・・ツンデr――』
違います。
何だかんだで仲のいいフェノと玄武ですね(笑)




