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魔王はここに  作者: 藍猫
4章 ゆがみ
57/61

 16話 ことばです。

勇者との会話が多いかも知れないです(汗)









 「あ、は・・・」


 「・・・? フェノ様?」


 ユウの心配そうな声と同時に私の意識が完璧に覚醒する。


 「あはははははははははははは!!」


 「っ!?」


 笑って笑って、その声を戦場一帯に響き渡らせる。


 ひとしきり笑い、口が弧を描いたまま叫ぶ。


 「さー覚悟しなさい『歪み』!! 私が綺麗に埋めてやる(・・・・・)からぁ!!」


 「あ、あの・・・?」


 混乱するユウに顔を向け小さく囁く。


 「・・・私は貴方達を信じている。 だから私を信じて(・・・)。私に全てを委ねなさい。」


 その声は囁く程度だったはずなのに魔族全員の頭に響いた。


 絶対の自信を持ったその言葉に魔族たちが雄叫びをあげる。


 絶対的な存在――魔王に向けて。


 「「「「「うおおおお!!」」」」」


 「・・・フェノ様・・・」


 「大丈夫よユウ♪ 私は魔王だよ?」


 その何時もの微笑みにユウの顔が笑顔で輝く。


 それを見届けた私は何もない空間に声をかけ、彼を呼びだす。


 「仕事だよ?」


 「っ。 りょーかいっと!」


 私にぼろぼろに負けて、無様に扱き使われる羽目になった勇者――フォルトだ。


 「・・・すっごく貶された? いや・・・気のせいだよな・・・。」


 「え? 心配しなくても本当の事ですよ?」


 「おい! わざわざ聞かなかった事にしてやってんのに言うなよ!」


 「さっさと扱き使われて無様に負けてきなさい。」


 「ぅおい!!」


 そんな会話をしてからフォルトが急に真剣な表情で言う。


 「・・・ふっきれたって感じだな。」


 「ふっ。 貴方に心配されるほどに落ちぶれるなんて・・・・この世の終わりだ・・・。」


 「えっ? そこ妙に真剣な表情で言っちゃう? 物凄く失礼だよね? 僕のハートは既にぼろぼろなんだけど?」


 「ハートて・・・ぷ。 よく、ふふ・・・そんな恥ずかしい事を、ふふふ・・・真剣な顔でい言えますね?」


 「そのちょいちょい笑うの止めてくれよ! ほんとに涙出そうだよ! 色々とトラウマになりそう!」


 「よかったですね(笑)」


 「(笑)って・・・さり気無く付けるなよぉ!!」


 勇者との他愛のない会話を「しょうもない話で時間をかけないで下さい」という理不尽極まりない言葉で終わらせ、勇者に言う。


 「んじゃ、言っていた通りお願いね。」


 「・・・ああ。 言いたい事はいっぱいあるが、それは後にしてやるよ。」


 「ええ。 まぁその時には・・・」


 私は途中で言葉を止めて勇者を見る。


 「・・・まぁ頑張ってください。 貴方が要みたいなもんだから。」


 「ああ。 ・・・んじゃ行ってくる・・・ぜ!!」


 勇者が勢いよく戦場に飛び込み暴れだす。


 私はそれを見送る事なく目を閉じた。



 魔力を集めて、集めて、集めて・・・その時(・・・)を待つ。



 そしてその時(・・・)が来た事を勇者の声が告げた。


 「見つけたぞ! 『歪み』の中心――核をっ!!」


 私は漆黒の瞳にその光景を映し出し、この戦いを終わらせる言葉を紡ぐ。



 「・・・『埋め尽くせ(・・・・・)――』」



 膨大な魔力の込められた言葉がその核へと向かい、真っ黒な光を放った。














 


 

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