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魔王はここに  作者: 藍猫
4章 ゆがみ
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 14話 すずのねです。








 激しくぶつかるのは魔族軍と『歪み』に支配された魔獣の大群。


 それを城のてっぺんで見つめた。


 「・・・魔王様。 現在おされているのは」


 「魔族軍だね。 分かってるよ。 それに、まだ飛行系のやつらがまだ来る。」


 「っ! それは・・・。」


 「空から来るやつは貴方達に任せる。 私は魔力を・・・。」


 「分かりました。」


 私の言葉にユウとメリーが空からの敵を返り討ちにするための体制に入る。


 私はその間、一瞬で『歪み』を消すための魔力を集めていた。


 集められるだけ集めて、それを『歪み』の核たる所にぶつけるのだ。


 「っ! フェノ様!!」


 ユウの言葉に顔を上げると黒い醜悪なツル状のものが迫ってきていた。


 ・・・はっきり言ってきもい。 何か腐ってそうな・・・兎に角きもい!


 「き・・・『消えて』!!」


 溜めていた魔力を少し使うはめになってしまった。


 しかも・・・


 「い、ぎゃあぁぁぁぁ、あ!?」


 痛い! 体中が痛い!!


 私に向かっていたものは消えていたが、替わりとばかりに痛みが走った。


 体が抉られるような、焼かれるような、剥がされるような痛みだ。


 何で!? 何で痛いの!? 相手が『歪み』だから? 私の中にある『歪み』と共鳴したって言うの!? 私が『歪み』を消せば消すほど、痛みは強くなる・・・? で、でも『歪み』は消さないと・・・。 だから私は此処に居るのであって・・・。 だから、だから・・・


 「フェ、ノ様!?」


 駆け寄るユウに私は言う。


 「だ、だいじょ・・・うぶだから、気にしないで・・・。」


 「どう見ても大丈夫そうではありませんよ!? 無茶をしないでください!!」


 「無茶をせずに何とかしろって言うの!? 無理よ! でも、大丈夫・・・・だからユウは早く仕事に戻って。」


 つい感情的に当たってしまう。 だが、痛いのも本当だし、その事へのショックで感情が制御出来なかった。


 「・・・どうして頼ってくれないのですか・・・?」


 ユウの消え入りそうな声が聞こえた。


 「・・・何を言っているの? 私は凄く頼っているじゃない。 今だって魔獣を止めてって・・・。」


 「じゃあ、どうして言ってくれないのですか!? 僕が弱いからですか!? 僕が・・・フェノ様の邪魔になるからですか!?」


 「違う! 私はただ守りたいだけなの! だから苦しい思いも、悲しい思いもさしたくない!! だから私は――」


 そこまで叫んでハッとする。



 『抗うこともせず何故受け入れる? そんな理不尽な定めとやらを。

しかも、だ。 お前は誰にも頼ろうとしていない。 それは密かに仲間達を邪魔に思っているからなんじゃないのか?』



 昨日の玄武の言葉――それを思い出したのだ。

 


 『お前は仲間を信じていないのか!? 仲間の思いを・・・お前は――』



 私はユウ達に苦しい思いも、悲しい思いもさせたくない。だから私は巻き込まないようにしていた。


 けど、私は現に、ユウの思いを無視して悲しい思いをさえている。


 私は悲しめさしたくないと言っているのに・・・私は・・・。


 「フェノ様! 僕は・・・貴方を信じています。 ですが僕は――僕達は貴方にそんな思いを抱えて欲しくないのです!背負わせたくないのです! だから、どうかフェノ様。 僕達を頼ってください。」


 懇願にも似たその言葉は私の胸に深く突き刺さった。


 でも私には、私には――


 「・・・私は・・・」


 『定め』が――



 ――・・・『定め』なんて存在しません。



 りぃぃん


 鈴の音が頭の中に響いた。












 


 

なかなか出てこなかった鈴の音の声です!

これで出てくるのは・・・三回目でしょうか?



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