11話 さだめです。
『・・・ごめんなさいフェノリネア。馬鹿はほっておいていいからね。』
「はい。 というより、私には見えませんから。」
朱雀の気遣いの言葉に即座に肯定して、さり気無く玄武の存在を拒否する。
『ふむ。流石は魔王というところか。容赦がない。』
白虎が妙にうんうんと納得した。
それ、褒めてないよね?
玄武が未だに「ひゃっはー」とか言ってるのをを無視することにして、私は本題に入る事にした。
「で、何でわざわざこんな所にまで来たんですか?」
その問いに答えたのはセイランだった。
『・・・んっと・・・。フェノが明日、『歪み』を消しに行くって言ったから・・・僕が皆に伝えたんだ。』
「だから・・・?」
『忠告に来たのよ。』
朱雀が凛と言う。
『フェノネリア。お前分かっているのだろう? 自分が『歪み』によって生まれることになってしまった『魔王』だと。そのお前が『歪み』を消せば・・・。』
「良くて何年かの眠り。悪くて、私の存在の消去、でしょ?」
『『『っ!』』』
私の何でもないというような答え方に玄武を除く四神が息を呑む。
魔王とは魔大陸を支配する存在。魔王は魔族よりも寿命が何倍もあるうえに、魔王という存在をつくる為には膨大な世界の力がいる故に、魔王が生まれるのは先代魔王が死んでから最低でも五千年は必要らしい。
なのに『私』が生まれた。まだ千年しか経っていないというのに。
それは、既に増殖し、膨大な量となっていた『歪み』が、世界を歪ませたからだ。
だからこそ私は『歪み』によって生まれた『魔王』であり、私が存在するのにに必要となってしまった『歪み』が無くなれば、少なからず影響を受けてしまう。
それは『私』という存在を消してしまうほどの影響を・・・。
「別に存在が消されるとしても、私のことは誰も覚えていなくなるのだから特に何もないでしょう?」
その言葉がどれだけ寂しく悲しいことなのかは理解している。
だが、そういう決意をつけなければ『歪み』は消せない。それほどまでに『歪み』は在ってはいけないものなのだ。
四神の誰もがそれを理解している為、何も言えずに俯くしか出来ない。
「別に死にたいなんて思ってない。 でもこれが私の定めってこと。 これは私として生まれる前から決まっていたことなの。」
そう。前世の私が死んで、魔王として生まれ変わったのは全てこの為。
私はこうすることの為に死んで、生まれ変わった。
だから、私は――
『だから『死ぬ』ってか?』
今までの誰よりも冷たく厳しい声が私を突き刺した。
何か話が深くなった・・・?
気のせいでしょうか・・・?




