4話 したがって?
「行け!」
その勇者の言葉と共に精霊達が光の矢を私に向けて放つ。
相手が光なら私は闇を・・・。
「・・・《光を覆う闇。その姿を現し、光を飲み込め<闇の衣>》」
フワリと真っ黒で透けた衣が私を包み込む。
光の矢は衣に当たると同時に消えるのではなく、吸い込まれていく。
「っく! なら・・・《光の精霊よ! 我の思いに答え、その身を剣に集結させよ<光の剣>》!」
勇者が毒つき、直ぐに腰に差してあった剣を引き抜き、光の精霊を纏わせる。
その剣を掴み、大きく振りかぶる勇者を前に私は、自分の影に手を翳し、剣を影から抜き出す。影から何かを取り出すのは、前にもユウがやっていた。別に真似をしたってわけじゃなくて、ただ単に魔族特有の技だからだ。そこんとこよろしく。
「・・・。 《闇の魔力よ、その力を我が剣に捧げよ・・・<闇の剣>》~」
で、勇者の真似をしてみました(笑)
「オオオォォォォ!!」
私の行動に怯みもせず勇者は剣を振り下ろす。
ガキィィィィン
鋼(?)と鋼の衝突する音が空間を少しだけ歪ませた。
『歪み!』『歪みだよ』『危険』『危ないよ』『勇者!』
光の精霊がまさかの『歪み』の出現に慌てだすが、勇者にその声は聞こえない。
「オオオォォォ!」
叫んでは剣を私に叩きつけ、一度も引こうとはしない。
子ども相手に容赦ねーな~・・・。
そんなのん気な事考えているが、別に余裕というわけじゃないんだ、これが。
だって体出来てない子どもですよ?そんなに剣が振れる訳ないじゃないですか(笑)
「オオォォ!」
「きゃお!」
微妙な声をあげて勇者の剣を避ける。 嗚呼、危なかった・・・。
「・・・フッ。 流石の魔王も防戦一方だな! やはりまだ子ども! 危険分子はさっさと摘み取っておくことに越したことはないから、子どもとはいえ本気で行かせてもらう! まあ、子どもらしく諦めてくれてもいいがな! にしても魔族も落ちぶれたものだ。 こんな子どもを魔王としておくなんて・・・。
こんな・・・弱い子どもを・・・。」
・・・なんだろう。 意外とむかつく事を仰るではないですか。 イライラシマスネ?
「・・・ねぇ・・・勇者さん。」
「・・・何だ?」
あ、でも意外といい人っぽいな。 ちゃんと話は聞いてくれるみたいだ。
「どんな勝ち方が貴方にとって最高の勝ち方ですか?」
「・・・? どんなって・・・。 まあ此方が格上で精霊魔法で圧勝・・・とか?」
なるほど。 精霊魔法、ね。
ニヤァと口角が上るのを抑えられずに表わす。勇者がその笑顔に冷や汗を流す。
「クスクス・・・では、『精霊達、私に従って?』」
ザァァァァァ
勇者の周りを漂っていた全ての精霊達が私の周りへと移動するのを、私だけでなく、勇者も感じることが出来た。勇者はただ呆然とその様子を感じることしか出来なかった。
何か・・・意外と長引いている(汗)
そういえば勇者の名前、どうしよう・・・。。。




