3話 せいれいです。
「さっ、続きを始めましょうか♪」
勇者とユウが未だ呆然としている前で、私は満面の笑みを二人に向ける。
二人は時期に頬が紅く染まり始め、目を二人して逸らす。
『分かりやすい奴等だな~。 ユウのやつは兎も角、勇者までってのは・・・。』
グリムゾンは呆れ気味な溜息を吐きつつ、場の様子を窺う。
「・・・フェノ様・・・僕を・・・嵌めましたね・・・?」
ユウが剣を勇者の首に当てたままジッと軽く睨む。
魔王を敬愛するユウとはいえ、醸し出す殺気はただならず、勇者が更に冷や汗を流すほどだ。
「クス。やだなーユウったら~♪ 確かに嵌めたけど悪気はなかったの~♪」
「・・・悪気がない分性質が悪いんですって、そういうの・・・。」
ハァという溜息と共に、ユウの殺気が静まり、勇者も安堵の溜息を洩らす。
「だって最近仕事ばっかで疲れてたんだもん・・・つまんないし・・・やっと遊び相手になるような人が着たから・・・ねぇ?」
ちらりと勇者の顔を覗き込む。勇者はビクッと肩を揺らす。
「ところで勇者さん? 何時までびくびくしているのかな・・・? 私はさっきから待っているのに・・・?」
その言葉に勇者がグッと息をつまらせ、キッとこちらを睨む。
「・・・やってやる。 皆の仇のためにな!」
勇者は軽くニヤリと笑い一瞬で姿をくらます。
「! なっ、何処に!?」
ユウが目を見開いて周りに気を配る。
でも、その必要はないよユウ?
だってこういう場合は後ろに居るのがセオリーってもの♪
「グリムゾン。」
『おおー任せろ。』
その短い会話と同時にグリムゾンの形が変形し、私の座る位置以外を盾の様に背後に広がる。
それは一瞬のことで、盾が出来た時にやっと勇者が現れた。
盾を挟んだ私の背後に・・・ね。
「な!? 何で盾が!?」
「あは♪ どう? グリムゾンって凄いでしょ? ・・・ただのイスのくせにさ・・・ケッ。」
「魔王様・・・本音が出てますよ・・・。」
『・・・ご主人様って何かと鬼畜ですよね~。』
あは。五月蝿いグリムゾン♪
「さっき言ってたのは・・・イスの事だったのか・・・だが!」
ドォォゥ
何かが壊れる音に後ろを振り向くと・・・
あら何という事でしょう。グリムゾンにヒビが入っているではありませんか!
『・・・楽しそうですね・・・ご主人様・・・。』
「私のイスに傷をつけるなんて! これがどういう事か分かってるんでしょうね!?」
『・・・笑顔で言われても・・・。』
「・・・た、たとえ子どもでも、魔王は魔王! 打ち滅ぼしてやろう!!
《光の精霊よ・・・我の願いに答え、その力を示せ <光の矢>》!」
勇者が叫ぶと同時に虚空に数十個の光の矢が現れる。全ての光の矢がこちらを狙っている。
そしてその矢の周りにはたくさんの光の精霊が怯えていた。
『怖い』『魔王様』『精霊』『契約』『魔王様倒す』『無理』『命令』『怖い』『怖いよ』
『『『どうしよう・・・』』』
・・・あれ? 様子が変だけど・・・大丈夫か?
・・・あ。私のせいか。
精霊は意外と色んな所に居るものなんです。。。
ただ闇以外はあんまり魔大陸に居ないだけで。




