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魔王はここに  作者: 藍猫
4章 ゆがみ
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 2話 えんぎです。








 「倒しに来たぞ! 魔王よ!!」


 五月蝿いほどの大声が広間に響き渡る。


 グリムゾンの翼に隠されているおかげで、私の不愉快そうな顔を勇者に知られずに済んだ様だ。


 聖大陸には『歪み』の影響を感じる者は居ない。


 だから『歪み』のせいで勇者が来たわけじゃないのだ。

ただの偶然。まあだからこそ勇者にはいらいらしているのだけど。


 ・・・忙しいんだから来るなよな。


 『・・・落ち着けー?』


 何故にグリムゾンは疑問系なのだろうか・・・。


 「覚悟しろ! 仲間達の仇・・・果たしてやる!!」


 待て。 お前の仲間なんて見たこともないんだけど。


 「・・・ふん。 仲間はどうした?」


 聞くつもりはなかったけど、この好奇心には勝てなかったようだ。好奇心で顔がにやけちゃってるよ私。


 「俺の仲間は・・・俺の仲間は・・・」


 わくわく♪


 「俺の仲間はっ・・・」


 ・・・早く言えよ。


 「俺の仲間は・・・」


 『うぜーなあいつ。』


 ・・・だよねー。


 「俺の仲間はここに来る途中に魔獣に殺られちまったんだよ!!」


 「・・・はい?」


 ・・・ナニナニ~? 魔獣に殺されちゃった~?


 え、それってただの逆恨みですよね?


 仇はその魔獣にやってほしいんですけど・・・まぁ言ったところで無駄なんだろーなー・・・。


 「・・・分かった。相手になってやろう。貴様から来い。」


 「お望みどーり!!」


 「え!?」


 戦いを誘ったものの勇者は思った以上の俊敏さと躊躇のなさに思わず間抜けな声が出た。


 勇者はその声が聞こえなかった様でやはり躊躇なく剣を振りかざし、グリムゾンの翼を切りつけた。


 ザシュウ


 私を守っていた翼が綺麗に真っ二つに切り裂かれ私の姿があらわになってしまう。


 「ふ、ふぇ・・・?」


 私はそれはもう油断しまくっていたおかげでまた間抜けな声を出してしまう。今度の声は聞こえたようで、もしくは私の幼い姿を見たからか勇者が呆然と私を見つめる。


 「・・・え・・・ま、魔王?」


 「・・・え・・・あ、はい。」


 つい普通に勇者の質問に答えてしまう。


 『わ、悪いご主人様!!』


 「あ・・・いいよ、グリムゾン。」


 「え? グリムゾン?」


 「や、あんたじゃなくて・・・。」


 まだ混乱していたおかげでグリムゾンに声を出して答える。その言葉に勇者が何か勘違いをして更に勇者は混乱している。


 「「・・・」」


 ち、沈黙が気まずい・・・。な、泣きそ・・・う・・・。


 「う・・・ひっく・・・ひっく・・・」


 「え! ご、ごめん! 僕が悪かったよ!!」


 「う、わーーん!!」


 「え、ちょ!!」


 急に泣き出した私、もとい幼女の魔王に勇者が途惑う。


 どうしよう とおろおろした挙句、意を決したのか私に手を伸ばし――


 「・・・何をしたんですか?」


 ユウの冷たい声が勇者に刺さる。


 勇者は気配も感じなかったことと、首に当てられている剣に冷や汗を流す。


 「うう~、ユウ~!」


 「! 魔王様!? ・・・お前が? 勇者・・・。」


 「ち、ちが・・・くはないかも・・・知れないけど・・・ぼ、僕じゃない!!」


 「ほ~? 本当ですか、魔王様?」


 キラリ とユウが剣の先を勇者の首に近付ける。


 「・・・ひっく。 その人のせい!!」


 「ちょっと!?」


 「では、魔王様を泣かした罪・・・死で償ってもらいましょうか?」


 「ひぃぃぃぃ!?」


 「ひっく・・・ひっく・・・え? 殺すの? 駄目だよユウ。 それは私の仕事なんだから♪」


 「「え?」」


 ついさっきまで泣いていたはずの私がケロッ と笑顔で顔を上げた事にユウと勇者の声が見事にはもった。


 え? さっきのは演技だけど? それが何か?


 『・・・悪魔みたいだな~。』


 『悪魔』じゃなくて『魔王』だよ♪ グリムゾン♪
















 

・・・何となく出した勇者だけど・・・

どういうキャラとして扱おうか(汗)



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