1話 いそがしいです。
主に『歪み』の話ですかね。。。
―――リィィィィン
また鈴が鳴る。
その音は何処か懐かしく、寂しくも感じる音だった。
「・・・誰なの?」
気付けば口に出していた質問に答えるようにまた鈴が鳴る。
―――リリィィン
そしてその後に聞こえたのはか弱そうな小さな声・・・。
「・・・助けて・・・私は・・・『××』―――」
その声がなんと答えたのか分からないまま私の視界は暗くなった。
* * *
バンパイアの里から帰ってもう二週間が経った。
メリーが連れて行ってくれなかったから、とやらないまま置いておかれた仕事に私の精神は大分削り取られたと思うのだけど・・・気のせいかなぁ・・・。
今やっと仕事が終わり、机に倒れこんでぐたっているところだ。
「はぁーあ。メリーの馬鹿ぁ・・・。」
仕事をやってくれなかったメリーに対して呟きながら溜息を吐きまくる。
ついさっきまでうたた寝していたからか机に置いておいた仕事の紙が折れていた。
・・・そういえばさっきの夢・・・。
うたた寝していた時の夢を思い出し、ボーとしながら考える。
あれは誰だったのか・・・と。
何ていうか見えないのにハッキリとした印象の、人型をした何かだという事は最初に夢を見たときから感じていた。
でも何かなのかは未だに分からないのだ。
もしかしたらバンパイアの里――バルニトでの『歪み』が関係しているのかも知れない。
・・・『歪み』といえば、最近も感じるんだよね~・・・あのざわざわ感が――
「フェノ様っ!!」
「はわっ!? メ、メリー!?」
開けっぱなしの扉から勢いよくメリーが飛び込んでくる。
大分焦っているみたいで冷や汗みたいなものを掻いている。
そして少しして息を整えたメリーがコホンと咳を吐き、話し出す。
「今入った情報ですが・・・一週間前くらいから各地で魔獣の凶暴化、各隠れ里での住民の暴走、そして植物の異常な育ち、及び異常な植物の枯れが確認されてます。
これは全て『歪み』の影響からかと思われます。」
夢について惚けていた私を現実に戻る言葉だった。
「・・・『歪み』・・・がね~・・・って、『歪み』がっ!?」
ついこの間消したばかりじゃんか!?
「は、はい。北の方は大丈夫なんですけど・・・それ以外は・・・。」
北は大丈夫・・・?
ああ、セイランに纏わり付いていた『歪み』の核と思われる『歪み』を消したからか・・・。
・・・てことは・・・残りの四神全部ってこと・・・・?
「・・・めんど。」
「ちょ、フェノ様!?」
「兎に角、情報を集めてくれる? 『四神』についての。」
「『四神』、ですか・・・?」
「うん。多分『歪み』を何とかするにはそれが一番いい方法だからね。」
「・・・了解しました。では、直ぐに!」
そう言ってメリーが扉から出て行く。
・・・さて、メリーが『歪み』の情報を持ってくるまでに面倒くさいもう一つの仕事も終わらせますとしますか。
「ユウ。準備よろしく。」
「はい。」
さあこんな忙しいときに空気を読まずに来たKYな勇者君。鬱憤晴らしがてら遊ぼうか?
なんかまた出てきました勇者君♪
ぼろ負けが目に見える・・・。




