16話 そんちょうです。
―――リィィン
暗い闇の中、そんな綺麗な音が鳴った。
目を凝らして見ても何も見えない。
「・・・助けて・・・。」
か弱く、小さなそんな声が聞こえた気がした。
* * *
「・・・へ? 元凶は何とかしたって・・・どういうことなのルナちゃん?」
レオナの言った『ルナ』という言葉何となく懐かしく感じる。
「さっき説明したまんまだよレオナお姉ちゃん。お姉ちゃんが遠まわしに言った『歪み』は、もう心配する必要がない様にしたの。」
仕事(?)を終え、私はレオナにありのままの状況を説明した。
レオナはありえない という表情で私を見つめていたが、私の『歪み』という言葉に顔を強張らせた。
「・・・どうして『歪み』をあなたの様な子どもが知っているの!?」
レオナは私に対して警戒の色を浮かべるが、表情は笑顔を保っている。
・・・私ただの子どもじゃないです、とか言えないよね・・・。
「え、と・・・そう! ユウに教えてもらったの!ユウは凄いから『歪み』も何とかしちゃったんだよ! ユウって凄いよね!!」
慌ててまくし立てるがこれはどう考えてもユウに擦り付けている。
悪いユウ! でも反省も後悔もしていないけどね♪
こんな怪しさ満々の言葉でもレオナは素直に受け取り、簡単に納得してくれた。
「・・・『歪み』はまだ調査中だから秘密にしててね!」
と最後に釘を刺してレオナはやっとの事で引き下がってくれた。
「・・・フゥ。」
疲れた。
でもまだ確かめる事がある。
あの『歪み』によって彼らがどう変化したのか・・・ということを・・・。
息を吐いて私は足を借りている屋敷ではなく、里の中心・・・村長の屋敷へと向かう。
あのじじい・・・失礼、あのお爺さんの様子を確かめるために・・・。
少し歩くと、この里に来て一度も寄らなかった村長の屋敷が見えた。
周りの家よりも少し大きく、『村長』という看板が掛けられていた。
趣味がおかしいと思う。いや、失礼。
カランカラーン
小気味のいい鈴の音が扉を開くと鳴った。どこの店だよ。
「・・・すいませーん。」
誰も居ず、少し声を上げて呼びかける。いやまじでどこぞの売れない店みたいだよ?
少しして階段から降りてくると思われる音が聞こえ、あの、私を非難したお爺さん――ゼアロウヤ=マージルが姿を現した。
「ふむ・・・。どなたで・・・、っ!!あなたは!?」
お爺さんが私を視界に映し、驚愕の色に染められる。頑固そうなところはあの時と変わらない様な風貌だ。
「・・・ふん。久しぶりだな、ゼアロウヤ(・・・で、あってるっけ?)よ?大方、気配から我の正体には気付いた様だが?」
あの時、私はやつに姿を見せてはいなかった。だがお爺さんは里の村長だ。それなりの実力を持って私の気配を読み、覚える事は出来ていてもおかしくはない。実際、今のお爺さんの様子から私の正体に気付いている事が分かるのだから。
・・・さて、私の考えが正しければ、今日で城に帰れるだろうな。
あーーーー・・・。
やっと3章の終わりが見えてきた・・・。
そろそろ投稿ペースが落ちていくと思いますので
悪しからず・・・です。。。




