11話 ちからです。
「え・・・と。何ですか今の・・・?」
「さぁ? 命令みたいな?」
大量の魔獣の屍を見つめながらユウの質問に大雑把に返す。
「い、言っただけで本当にこんなことが・・・。」
ユウは自分の見たその異様な光景を未だ信じれずに目をくるくると回している。
「レーノはこれ見たことあるでしょ?」
「うん! ゆうしゃってにんげんが来たとき!」
「じゃ、あ、あの時のぼく達が行った時に既に死んでいた女は・・・これで・・・?」
あの時のうざい女性の事を言っているのだろう。
確かにユウ達が来る前に殺しちゃったっけ?
ランフォンは一人(?)状況が飲み込めずに黙り込んでいる。
「そゆこと。」
「・・・言葉に魔力がこもっていた・・・?」
カイルが驚きつつも冷静に判別する。カイル・・・ただの変態じゃなかったんだね・・・。
「うん。言葉にこめたよ~。」
「・・・もしそうなら魔法とは違うみたいですね、それ。」
「ん~? そうなの?」
魔法の一種だと思っていたが違うみたいだ。
全否定された気分・・・。
「魔法は呪文を言うことで魔力を放出し、想像したものを具現化するものです。
ですがフェノ様のは・・・呪文自体に魔力がこもっているので・・・魔法とは違うものかと。」
つまりは、呪文に魔力がこもっているかこもっていないかの違い ということみたいだ。
「代々魔王様は、その人特有の魔法のようなものを持っていたと聞きます。例えば、先代のメオレルト様。メオレルト様は『次元を操る』というような力を持っていたとか。」
「へ~次元を・・・。凄っ。 ・・・んじゃあ初代魔王様は?」
「初代様は・・・『創造能力』みたいな・・・?」
自信なさげにユウが首を傾げながら答える。
「まぁ・・・つまりはその不思議な力がフェノ様特有の力だと思いますよ。」
確かにこんなおかしな力だしね。きっとこれが私の何かなんだろう。
そう納得し、その力をあっさりと受け入れる。
その『言霊』と呼ばれるようになる『力』は、全てを支配出来る様なものだとは、この時、誰も気づいていない。私を含めて。
まぁこれからその可能性には気づいていくんだけど?
「・・・でさ、この先にすっごく禍々しいものがあるんだけど・・・なんていうか・・・キモい。」
そう言い、大量の屍よりもずっと先を指差す。
うん。兎に角キモい。いや、マジで。
≪・・・この匂いは・・・。≫
「どうしたのランフォン?何か臭い?」
≪いや・・・なんでもない。≫
「・・・?」
ランフォンの言葉を不思議に思いつつも私は頭を切り替える。
「・・・キモいけど、あれはバンパイアの人たちには手に負えないだろうし、私達が何とかした方が良さそうだね。」
「フェノ様がそう言うんだったらそうなんでしょう。ぼく達で何とかしましょう。」
そう言い、ユウはキリっ とした顔で頷く・・・が、
「ところでユウル。こういう時ぐらいは女装止めといた方がいいぞ。もの凄くかっこ悪い。」
「っ!! なっ///」
「・・・あはは!ユウ様かわいいよ!」
「ぅう///」
カイルによって照れるユウに追い打ちをかけるレーノに私は心の中でグッ と親指を突き出した。
「フェ・・・フェノ様!」
「くす♪ 可愛いよユウ♪」
助けを求めるユウに更に追い打ちをかけ、私は満足感に浸ったとさ。
『言霊』ですねフェノの力は。
まだまだ謎の力・・・なはずです。
にしてもユウ・・・よく女装のままで戦えたね・・・・。




