9話 『てんろう』
天狼視点です。。。
名前も決まります。。。
≪・・・ここは?≫
「ここは魔王城だよ。狼さん。」
誰も居ないと思っていたから、返事が返ってくるとは思いもしなかった。
しかもこんな近くでとは・・・。
≪!! 何者!?≫
天狼として、こんな近くの者に気付かぬはずがないというのに。
「えーと・・・私はフェノ、だよ。」
そこにいたのは美しく、愛らしい少女だった。
キョトン とした仕草がその愛らしさを一層強調する。
だが天狼すら気付けない気配・・・それは無に近いほどに弱いか、
もしくは自分よりも格上かの二択しかない。そして、無に近いほど弱ければ我の気に当てられて
既に気を失っているはず。だが、この少女は気を失うどころか優しく微笑んでいた。
それは少女が自分より強いという事だ。
しかもその少女から敵意は感じぬし、敵意を出そうとも思えない。
それどころかこの少女と居れる事を歓喜に感じ、懐かしくも心地良くも思えた。
≪・・・はっ! いやそんなはずが・・・。≫
「何が?」
≪お主を見て心地良くおも・・・って何でもないわ!≫
「・・・つっこまれてもなぁ・・・。」
ハァハァ と息を吐き、ふとさっきの言葉を思い出す。
≪・・・そういえばお主・・・フェノといったか・・・。先ほど 魔王城 と・・・?≫
「? うんそう言ったよ。どうかした?」
≪我は何故ここに・・・?≫
「怪我をして森にいたんだよ?覚えてないの・・・?」
≪怪我・・・そういえば我は逃げておったんじゃ・・・。やつから・・・ドラゴンから・・・。
それで、傷を・・・。≫
「ふ~ん。ドラゴンから・・・。ところで傷はもう大丈夫?」
≪うむ。傷は完治しとる。お主が治してくれたのか?≫
「まぁね~。」
≪!! それは真か!?≫
「・・・そうだけど・・・?どうして?」
≪治癒魔法は上級魔法で、人間には途轍もなく難しいと聞く。
しかも、あの傷を治すとは・・・。お主は一体・・・?≫
「あー。そもそも私人間じゃないよ?ここは魔王城なんだから、人間はいないよ。」
≪そ・・・そうであったか・・・。しかし種族はどうであれお主は命の恩人。
それ相応の礼をしたいのじゃが・・・?≫
天狼の誇りにかけて恩人を無碍に扱ったりはしない。
人間ばかり見ていたおかげで、そう強く思うようになった。
人間の醜悪さや醜さを見ていたおかげで・・・な。
正直、この少女にもいい思いを持っていない。
種族は違えど、あれらと同じ、人の形をとっているのだから・・・。
しかし、少女は違った。
「んじゃあ、私と戦って♪」
≪・・・は?≫
「もともと助けたのは遊び相手に丁度良かったから。・・・まぁ別に断ってくれてもいいよ。」
その斜め上な答えには呆然とするしかなかった。まさか『戦え』とは・・・。
≪・・・ク、ハハハハハハハ!!≫
突然笑い出したからか少女はキョトン と首を傾げる。
人に笑うなど何年振りだろうか?
ましてや格上の少女に隙を見せるなんて・・・。
面白い。
≪我は今は完全ではない。だからその要望は断らせてもらおう。≫
その言葉と同時に少女が シュン とうな垂れる。
≪代わりに・・・契約をしてくれ。≫
「・・・え?」
≪我はお主を気に入った。そもそも命の恩人じゃしな。
それに・・・契約したら、いつでも戦えるぞよ?≫
ニヤリと妖しく笑って言った。
しかし、それを聞いた少女は・・・
「・・・言ったね?」
と自分以上に妖しく、美しい笑みを浮かべて言った。
ゾクッ と恐れと美しさを同時に感じたのだった。
「では、契約、しようか♪ あ、そうそう私さ魔王なんだよね♪」
≪へ? ・・・ま・・・魔王!?≫
にこにこと笑う少女を見、≪ミスったあぁぁぁぁぁぁ!!!?≫とつい心の中で叫んでしまった。
「ふふふ♪これからよろしくね、ランフォン♪」
しかも既に名前決定ぃぃぃぃぃ!?
前途多難な予感がするぞよ・・・(汗)
天狼の名前は『ランフォン』です。
フェノと出会ったときは小さかったですが、
目を覚ましたときは、フェノを乗せれるぐらいの大きさになっています。
怪我で体が小さくなってただけで、
大きいほうが本来の姿、というわけです。
・・・一応、オス です。
ついでに、既に100歳超えてます。




