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魔王はここに  作者: 藍猫
2章 まち
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 9話 『てんろう』


天狼視点です。。。

名前も決まります。。。





 ≪・・・ここは?≫


 「ここは魔王城だよ。狼さん。」


 誰も居ないと思っていたから、返事が返ってくるとは思いもしなかった。

しかもこんな近くでとは・・・。

 

 ≪!! 何者!?≫


 天狼(てんろう)として、こんな近くの者に気付かぬはずがないというのに。


 「えーと・・・私はフェノ、だよ。」


 そこにいたのは美しく、愛らしい少女だった。


 キョトン とした仕草がその愛らしさを一層強調する。


 だが天狼すら気付けない気配・・・それは無に近いほどに弱いか、

もしくは自分よりも格上かの二択しかない。そして、無に近いほど弱ければ我の気に当てられて

既に気を失っているはず。だが、この少女は気を失うどころか優しく微笑んでいた。


 それは少女が自分より強いという事だ。


 しかもその少女から敵意は感じぬし、敵意を出そうとも思えない。

それどころかこの少女と居れる事を歓喜に感じ、懐かしくも心地良くも思えた。


 ≪・・・はっ! いやそんなはずが・・・。≫


 「何が?」


 ≪お主を見て心地良くおも・・・って何でもないわ!≫


 「・・・つっこまれてもなぁ・・・。」


 ハァハァ と息を吐き、ふとさっきの言葉を思い出す。


 ≪・・・そういえばお主・・・フェノといったか・・・。先ほど 魔王城 と・・・?≫


 「? うんそう言ったよ。どうかした?」


 ≪我は何故ここに・・・?≫


 「怪我をして森にいたんだよ?覚えてないの・・・?」


 ≪怪我・・・そういえば我は逃げておったんじゃ・・・。やつから・・・ドラゴンから・・・。

それで、傷を・・・。≫


 「ふ~ん。ドラゴンから・・・。ところで傷はもう大丈夫?」


 ≪うむ。傷は完治しとる。お主が治してくれたのか?≫


 「まぁね~。」


 ≪!! それは(まこと)か!?≫


 「・・・そうだけど・・・?どうして?」


 ≪治癒魔法は上級魔法で、人間には途轍もなく難しいと聞く。

しかも、あの傷を治すとは・・・。お主は一体・・・?≫


 「あー。そもそも私人間じゃないよ?ここは魔王城なんだから、人間はいないよ。」


 ≪そ・・・そうであったか・・・。しかし種族はどうであれお主は命の恩人。

それ相応の礼をしたいのじゃが・・・?≫


 天狼の誇りにかけて恩人を無碍に扱ったりはしない。

人間ばかり見ていたおかげで、そう強く思うようになった。

人間の醜悪さや醜さを見ていたおかげで・・・な。


 正直、この少女にもいい思いを持っていない。


 種族は違えど、あれらと同じ、人の形をとっているのだから・・・。


 しかし、少女は違った。



 「んじゃあ、私と戦って♪」



 ≪・・・は?≫


 「もともと助けたのは遊び相手に丁度良かったから。・・・まぁ別に断ってくれてもいいよ。」


 その斜め上な答えには呆然とするしかなかった。まさか『戦え』とは・・・。


 ≪・・・ク、ハハハハハハハ!!≫


 突然笑い出したからか少女はキョトン と首を傾げる。


 人に笑うなど何年振りだろうか?


 ましてや格上の少女に隙を見せるなんて・・・。


 面白い。


 ≪我は今は完全ではない。だからその要望は断らせてもらおう。≫


 その言葉と同時に少女が シュン とうな垂れる。


 ≪代わりに・・・契約をしてくれ。≫


 「・・・え?」


 ≪我はお主を気に入った。そもそも命の恩人じゃしな。

それに・・・契約したら、いつでも戦える(あそべる)ぞよ?≫


 ニヤリと妖しく笑って言った。


 しかし、それを聞いた少女は・・・


 「・・・言ったね?」


 と自分以上に妖しく、美しい笑みを浮かべて言った。


 ゾクッ と恐れと美しさを同時に感じたのだった。


 「では、契約、しようか♪ あ、そうそう私さ魔王なんだよね♪」


 ≪へ? ・・・ま・・・魔王!?≫


 にこにこと笑う少女を見、≪ミスったあぁぁぁぁぁぁ!!!?≫とつい心の中で叫んでしまった。


 「ふふふ♪これからよろしくね、ランフォン♪」


 しかも既に名前決定ぃぃぃぃぃ!?



 前途多難な予感がするぞよ・・・(汗)












 


天狼の名前は『ランフォン』です。

フェノと出会ったときは小さかったですが、

目を覚ましたときは、フェノを乗せれるぐらいの大きさになっています。

怪我で体が小さくなってただけで、

大きいほうが本来の姿、というわけです。


・・・一応、オス です。

ついでに、既に100歳超えてます。



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