7話 さいなんです。
「・・・で 、何これ?」
部屋を埋め尽くすほどの手紙を前に私は呟き、昨日の事を思い出す。
昨日・・・勇者達を片付けたユウに連れられ、私は街の人たちとろくに話もせず城へ連れ戻された。街の人たちは呆然としていたから話せなかったのはしょうがなかったのだけど。
そして何だかんだで自分の部屋に戻り、一人で寝るには大きなベッドに入った、と・・・。
で、目を覚ましてみれば手紙が山積みになっていた というわけだ。
「あ、起きましたか。フェノ様!」
メリーが両手で抱えるほどの手紙を持って、私の部屋に入ってきた。
「・・・・何なのこれ?」
「ああ・・・これはですね・・・ら・・・ラブレターです///」
「・・・は?」
・・・ラブレターだとぅ?
「その・・・昨日のことでフェノ様のお住まい(城)がばれてしまい、
前から心を寄せていたという男共が城に手紙を持って、殺到したんです・・・。」
「・・・」
この・・・ロリコン共がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
何!?魔族はロリコンしかいないのっ!?カイルみたいな!!
「ええとですね~・・・。数としてはこの魔大陸の未婚の男性のほとんど、ですね。」
「・・・グハッ。」
どんだけ私にぃぃぃぃぃ!?
「・・・メリー。」
「はい?」
「焼き払って。」
「はい♪ 《不潔な男性共の心を燃やし尽くせ♪ <清純の炎>》♪」
ボオォ!!
私の言葉にメリーは笑顔で答え、それ呪文としていいの? と聞きたくなるような呪文で手紙を
燃やし尽くした。まぁ口に出して言えば内容はどうであれ呪文として使えるのだが。
別に、イメージが出来ていれば無詠唱でもいけたりする。勿論私は無詠唱でもOK、と。
「ところでフェノ様? 手紙とは別に届いているプレゼントの方は・・・。」
「使えるやつ以外は燃やして捨てて。」
「かしこまりました♪」
手紙は使いようがないがプレゼントならあるだろう。
もらえるものはもらうよ♪ 後はいらない♪
そして私は自分がこれだけ好かれているということを忘れて街へと向かった。
・・・結果。私は馬鹿だった。
「魔王様っ!!」
「魔王様っ!!」
「魔王様っ!!」
「・・・・。」
どうして私は街へ来てしまったのだろうか・・・。
街の人たちは私を見るがいなや群がった。
ろくに動けない状態で私は立ちすくむ。
でもまずは・・・呼び方を戻してもらわないと・・・。
「・・・え~と?みんな?」
「「「「「はい!!」」」」
「・・・(汗)。その、何時もどおりでいいんだよ?」
「だ、駄目ですよ魔王様!」
「そうです!」
「あなたは魔王様なのですから!!」
「・・・。」
その皆の親しみの目を見てしまうと邪険に扱うことも出来ず私にはどうしようもなかった。
「だ、だから私のことは何時ものように・・・。」
「駄目です!!」
「・・・うぅ~。何時ものように・・・。」
「「「駄目です!」」」
「・・・えぇぇ・・・。」
長い長い話し合いによって、やっと私のことを『フェノ様』と呼ぶことに収まったのは
既に日が沈んだ後だった。
レーノ達には会うことも出来なかったよ~・・・。
しかも帰りにはストーカーにも会うし・・・(泣)
災難な一日だった・・・(泣)
魔王は皆に好かれてます(笑)
もともと街の人たちはフェノネリアという名は知らず、
フェノだと思っていたんですね。
だから本当の名を知ることで魅力に当てられてしまった人たちも
居るわけです。。。




