12話 つまりはなぞってことです。
「それではフェノ様。そろそろこの世界について説明させていただきます。」
「・・・やっとか・・・」
決闘・・・否、一部の魔族たちへのお披露目から一週間が経った。
あの後、しつこいカイルをなんとか宥め(だれかが)、無事に式典をすることができた。式典といっても、ユウが言っていたように、トップの魔族だけだったのだが。住民たちには魔王の存在は伝えるがお披露目はしないらしい。・・・まぁ理由は簡単で、私がまだ『王』として未熟だからだそうだ。
式典が終わり、この世界のことについて聞こうとしたら・・・
「フェノ様はまだここに来て間もないです。ですからもう少し慣れてからお教えしますよ。」
とユウにやんわり断られてしまった。
・・・なら何故式典はあんなに早かったんだ・・・
「それで・・・何について知りたいですか?」
「ん~・・・。 まずは『魔王』についてかな?で、次はこの世界について・・・大陸とか種族とか魔法とか・・・ね。」
「わかりました。 ではまず『魔王様』についてですが――――――――」
ユウが説明を始める。
『魔王』・・・それは魔族、魔獣、バンパイア、悪魔 などのような闇に関わりのあるすべての頂点に立つ存在。しかし、もともと『魔王』とは存在しないものだとか。急にこの世界に生まれ、魔族や魔獣たちを纏められる存在として『魔王』になるという。
「・・・急に生まれる・・・?」
「はい。 生まれる、というよりは存在する、という方が合うと思います。」
・・・存在する?よく分かんないな・・・。
「あ、そういえば。この前メリーが『魔王様は代々転生者』みたいなこと言ってたような・・・?」
『おー。確かに言ってたなー。』
「ちょっと黙っててよ。グリムゾン。」
急に話し出すいす・・・もといグリムゾンに呟く。
・・・存在忘れてたな~。
「?グリムゾンですか?」
「うん、そうだよ?ユウ。」
ユウが何かを考えるように俯く。
「・・・転生についてはグリムゾンに聞いたほうがいいかも知れません。」
「・・・どうして?」
「グリムゾンは今までの魔王様について知っているでしょうから・・・。」
・・・それもそうか。
んじゃあ教えて~、グリムゾ・・・
『無理。』
・・・えぇ~。
『今までのご主人様は前世のことが話せないように靄がかかっていたんだ~。俺にもこれ以上話せないように靄がかかってる。
・・・つまりは謎ってことだな~』
うわぁ~・・・。全然使えないよ~こいつ。
『・・・ひで~』
この異世界にて、
つまりは謎ってことです。・・・全然わかんない。
・・・どうしよう・・・?
世界についての説明を書くはずだったのに
魔王についてで終わってしまった・・・
なんということでしょう・・・。




