10話 こくはく・・・いえ・・・ろりこんです。
意外と考えるのが大変でした・・・。
「く・・・くそぉ!」
「・・・へ?」
倒れて、痙攣してピクピクしていたカイルが勢いよく立ち上がる。しかし私が間抜けな声を出したのはそのことに驚いたからじゃない。カイルの中で黒い靄のようなものが渦巻いていたからだ。
・・・うそを吐いたときのとは違う・・・魔力か?
カイルは上半身を起こし、言葉を発する。
「《燃え盛る炎の力よ・・・ <炎の玉>》!!」
カイルの周りに5つの赤黒い玉が出現し、カイルの手の動きに合わせ一斉に飛び掛かってくる。
「ちょっ、まっ!私、まだ魔法は――――。」
そう私はまだ魔法は使えない。
・・・てかまだこの世界に来て5時間も経ってないんですけど!?
炎の玉は四方から飛んでくる。
「―――――い、やあぁぁぁ!」
私の絶叫が当たりに轟き・・・
ボシュン
炎が消えた。
「「・・・はい?」」
恐る恐る目を開いた私と、今起こったことが理解できないカイルの声が見事にはもった。
いや、実際はその場に居るすべての人の声が・・・だが。
「な・・・何が起こった・・・?」
「魔法が消えただとっ!?」
「どういうことだ!?」
誰にも分からないらしくザワザワと騒がしくなる。
「・・・これが魔王としての私の力・・・?」
そう呟いた声が皆の耳に届いた。
シン・・・
「?どうしたの皆?」
私が魔王だということは全員知っていると思っていたから、私にはこの静寂の意味が分からなかったのだ。まあ中には数人ほど『やっぱりな』と頷いているが・・・。カイルに至っては、それはもう今にも顎が外れそうなほどに口を開け、ワナワナ と震えている。
「・・・え、ま・・・魔王様?」
「・・・? うん何?」
やっと声を絞り出したカイルは私の返事を聞くと呆然とどこか遠くの方を見つめだした。
・・・おい。いろいろと大丈夫か、こいつ・・・
そしてふと何かを決意したように私を見つめる。そしてふー・・・ふー・・・と深呼吸したかと思えば・・・
ガッ
今までにない速さで私に近付き、肩を掴む。
「っ!?な、何!?」
「! 何をするんですか! このくそカイン!!」
「ユウ! もうちょっと言葉に気をつけようよ!?」
ユウの本性(?)に今の状況を忘れ、つい全力でつっこんでしまった。
・・・だってこの世界にきて1番驚いたんだもん。
「俺の・・・俺の一目惚れは間違いじゃなかったーーーー!!」
本性の現れたユウをも無視した絶叫が辺りに木霊した。
「「「「「は?」」」」」
様子を伺っていたはずの観客たちが声をそろえて、しかも哀れみの目をカイルに向けていたのは当たり前のことかも知れない。だって告白の相手は魔王なのだから。
そして私は一言・・・
「・・・ロリコン」
最上級の笑顔で、きっちり侮蔑の目で。
それを聞いたカイルと、駆け寄ろうとしたユウ&メリーが凍りついたのは余談であるとか。
哀れな人達の前にて、
これは告白されたのでしょうか・・・?
・・・どうしよう・・・?
タイトルを『こくはくです。』か『ろりこんです。』の
どっちにしようか悩んだので、
混ぜてみました(笑)




