ビール一杯分の朝
掲載日:2026/04/23
空が、ふんわりと灰色のベールを被っている。
そっと、優しいベッドの世界から一歩外へ出る。
まだ体は少し重い。
コップの水が少し冷たい。
空に、だんだん青が混ざっていく。
なんとなく冷蔵庫を開ける。
ふと、ビールと目が合う。
トクトクとグラスへ注ぐ。
小さな泡がゆらゆらと上がっていく。
冷たさがやけに心地いい。
ベランダへ一歩出てみる。
ふわり、優しい風が流れている。
遠くで飛行機の低い音が通り過ぎていく。
冷たいグラスだけが現実のよう。
そっと一口、グラスを傾ける。
どこからかソースの香りも漂ってくる。
空がさらに青みを増す。
もう少し、このままで。




