スキマバイトで人助け〜最強の能力者は隙間時間で人助けをしているみたいです〜

突如として街に現れる異界の門――ゲート。そこから溢れ出す怪物に立ち向かうのは、特殊な力を得た者たち「ゲートキーパー」だった。五年前、東京を蹂躙した惨劇以来、全国各地でゲートは日常的に発生し、人々の暮らしを脅かし続けている。

名古屋市中村区に非常警報が鳴り響いた。現れたゲートを放置すれば“最悪のオーバーゲート”が開き、災厄が都市だけでなく日本を呑み込む危険がある。だが、お盆期間でキーパーは不足し、現場に急行できるのはわずか二人のDランクキーパーのみ。名古屋支部は混乱に沈み、絶望の色が広がっていった。
絶望が広がるその時、支部長は非常手段を選んだ――スキマバイトアプリ「トキーナ」でのキーパー募集である。

マッチングしたのは、名簿にすら存在しない謎の男――九条葵。能力は「リアライズ」。思ったことを即座に現実へと変える、文字通り最強の力だった。圧倒的な一撃で群がる怪物を次々と殲滅し、ゲートをわずか数分で消滅させる姿は、誰の目にも“現代の英雄”そのものだった。

だがその裏で、名古屋支部のオペレーター・八神が新たな能力「サイコキネシス」を発現し、倒れるという異変も起きていた。英雄の活躍と、新たな力の目覚め。交錯する二つの出来事は、この先さらなる波乱を呼び込むことになる――かもしれない。