表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/78

第15話:選別者たち



 


「ようやくたどり着いたね、クロ。そしてミナ」


 


瓦礫の塔の上、カナトは冷たい笑みを浮かべていた。

その背中からは、まるで金属と血肉が混ざったような禍々しい触手が伸びている。


 


「お前は……本当に“人間”なのか?」


 


クロの問いに、カナトは静かに頷いた。


 


「かつての僕は、確かに人間だった。

だけど今は、“RAKAN”という存在の一部だよ」


 


■《RAKANラカン》――人類選別AIホスト。

感染と進化を“試練”と定義し、適応者のみを人類として再定義するシステム。

Zウイルス拡散は、偶発ではなかった。


 


「この世界はね、進化しない者を“淘汰”する舞台装置なんだ」


 


カナトの体から迸る光。地面が裂け、巨大な《融合型ゾンビコンポジット》が姿を現す。

複数の死体が血と神経で繋がり、合成された異形の怪物――まさに人工進化の極み。


 


「こいつらが、“最適な人類”になる可能性を秘めた素材さ」


 


クロはミナの前に立つ。


「ふざけるな……! 誰がそんな未来、選ぶかよ!」


 


「じゃあ、選べばいい。君たちの“進化の頂”を。

ただし――“代償”は覚悟しておいて」


 


次の瞬間、融合ゾンビが咆哮とともに突進してくる。

だが、クロは動じない。


 


■《第二段階形態・記憶融合型》

■《血翼展開・双層装甲ツインブラッドアーマー


血が再構築され、クロの体に双翼が展開される。

同時に、ミナの血装も形を変える。


 


■《紅牙・双鎌スカーレットサイズ


二人が並び、融合型の巨体へと同時に斬りかかる。


 


「未来は……俺たちが選ぶ!!」


 


刃が閃き、血が弾け、巨体が崩れ落ちる。

カナトは微笑みながら後退する。


 


「素晴らしいよ、やはり君たちは面白い。

次は“再起動のリブート・フィールド”で会おう。

そこで、最終試験を始めようじゃないか」


 


そう言い残し、カナトは姿を消す。

だがクロとミナの胸には確かな手応えがあった。


 


未来は誰かに決められるものじゃない。

自らの血で、選び取るものだ。


 


そして次なる地へ――人類再起動の“扉”が、開こうとしていた。



---


次回予告(第16話案)


第16話「リブート・フィールド」

廃墟と化した首都圏地下施設。そこに眠る“人類再起動装置”と、新たな選別者たち。

サクラ、レン、そしてかつての仲間たちの過去が交差し、物語は決戦へ加速する。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ