悪役令嬢に転生したので王子に惚れ薬を飲ませようとするが…
気づいたらゲーム『恋するヒロインと王子』の悪役令嬢、セリーヌ・ディオン侯爵令嬢に転生した。ゲームの内容は単純で平民のヒロインが学園に特待生として入学して王子を攻略し、私との婚約を破棄させて結ばれるという内容だ。
ちなみに私は修道院に送られる結末だ。冗談じゃないわ! 今さらこんな贅沢な生活を手放すことはできないわ。
気がついたのがカイ王子と婚約した後だったから、今さら婚約をなかったことにはできないわね。どうすれば助かるか悩んだけれどとりあえず2つほど思い浮かんだわ。
1、ヒロインにいなくなってもらう
別に殺すとか物騒なことではなく王子に合わせないとかでもいいわけですし。
2、王子を私にメロメロにさせる
婚約破棄されるのはゲームの話で決まった話ではないから大丈夫よね。
できれば1つ目を選びたいとこだけどヒロインの名前や出身地がわからないから対策できないわね。学園に特待生でくるからそれで判断するしかないわね。
というわけで2つ目の王子を私にメロメロにさせるしかないわね。まあ大人で恋愛経験豊富な私なら子供一人くらいメロメロにできるわね!
おかしいわね? あれから学園の入学前のなったけれどなんか王子はメロメロなった感じはしないわね。それどころかなんか残念なものを見るような目で見てくるわ。今ごろ私のあふれ出る大人の魅力で王子を悩殺しているはずなのに。
どうしましょう! どうしましょう! どうしましょう! このままだとヒロインに王子を取られてしまうわ! どうやら学園に入学するリストには平民の少女が特待生として入学するって聞くしどうしましょう!
こうなったらもうお父様の部屋で見つけた惚れ薬を盛るしかないわ! そうすればヒロインなんて目に入らなくなるはず! それなら急いで材料を準備して作り、王子をお茶会に呼ぶしかないわね! 場所はあまり人目につかないように私の私室でいいかしら。
あれ、私いつのまに寝ていたのかしら? 確か王子にお茶に混ぜた惚れ薬を飲ませたはずだけれど。
ってなんで王子が私の隣で寝てるの!? しかも裸で!? どういうこと!?
後日、どうやら私が作ったのは惚れ薬ではなく興奮剤だったようだ。まあ一夜を共にしたということで正式に婚約者になった。これでヒロインに取られる心配がなくなったから結果良ければよし!